「通っている保育園ではひらがなを教えないので幼稚園児と入学後に差が付いてしまう?」「お友達はひらがなが書けるのに、うちの子はまだまだ…」など、保育園ママの焦る声がちらほら。そこで、今回は“かず”の習得ステップについて、大宮先生に聞きました。

お話を聞いたのは

大宮明子さん

十文字学園女子大学人間生活学部 幼児教育学科 教授。お茶の水女子大学人間発達教育研究センター特任講師等を経て現職。専門は発達心理学、認知心理学。主な著書に『幼児期からの論理的思考の発達過程に関する研究』(風間書房)。

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シリーズ記事

保育園ママが知っておきたい、ひらがなと数の習得に関する3つの事実
知っておけば不安にならない、“ひらがな”が身に付くステップと時期の目安

「自分の損得」に関わることで自然に身に付く

数は子どもにとって自分の損得が分かる重要なもの。

「お友達の方がミニカーを多く持っている」「パパよりクッキーの数が少ない」など、生活に密着した損得が計れるので、本能的に関心を持つようです。

ただ、ものの個数を数えられるようになるのは4歳台が目安。それまでは10まで唱えることはできても「何個?」と聞くと分からなかったり、2つのグループを比べて「どっちが多い?」と聞いても大きさや置き方に惑わされたりします。

“かず”が身に付く成長ステップの目安

“かず”の練習におすすめの親子遊び「お店やさんごっこ」

お店やさんごっこでは「10円です」「3個ください」など、自然に数に触れることができます。

親子でスーパーに行って「タマネギを2個買おう」「ネギが100円だわ」などと話すのもおすすめ。

習得の時期は気にせずおおらかに見守って

文字や数は、子ども自身に学ぶ意欲がないときに教え込もうとすると学習嫌いになってしまうこともあるので、無理強いは避けましょう。

習得時期の早い遅いは将来の学力には関係ありません。他の子と比べず、意欲が出るまでおおらかに見守ってくださいね。

また、「ちゃんと読めない・書けない時期」「ちゃんと数えられない時期」はとても短いもの。絵本を拾い読みする姿や、つたないながらも一生懸命書いた文字、数え間違いしている様子などを写真やビデオで記録しておくのもおすすめです。とてもかわいらしい成長の記念になりますよ。

※この記事は、あんふぁんぷらす2015年2月号に掲載した記事を再編集したものです