「ベビーグッズ」と書いてあるものならどれも問題なしと思ってしまいがちですが、中には使い方に注意が必要なものもあります。使い方を誤ると危険な事故のリスクになってしまうこともあるので、ぜひ知識として知っておいてほしいと思います。

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1.ベビー枕

寝具といえば「布団と枕」と考えて用意する人も多いでしょう。ベビー用寝具セットにも含まれていることがほとんどなので、当たり前に枕を用意する人もたくさんいると思います。

しかし、まず大前提として赤ちゃんには枕は不要です。「それでは寝づらくないの?」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、大人に枕が必要なのは背骨がS字になっているからなのです。

一方で赤ちゃんは、生まれたばかりのときは背骨はCカーブで枕は必要ありません。首がすわる頃にはS字のはじまりのカーブができはじめ、歩き始めからおおよそ13歳頃までの間に背骨のS字が完成されます。

具体的にいつごろから必要かには個人差がありますが、早くて幼稚園・保育園卒園ごろ、おおよそ小学校低学年から中学年ごろに必要になってくるイメージです。もちろんその前に子ども自身が「枕を使いたい!」と訴えるようなら用意してあげるのは構いません。ただし、0歳児は窒息のリスクになるため避けましょう。

頭の形が気になるから使用したいという場合は、起きている時に使ってあげることをおすすめします。また、頭の形対策にはうつぶせ遊びもよいので、積極的に取り入れてあげてもよいですね(新生児から少しずつ取り組めます)。

2.掛け布団

掛け布団も枕同様、ベビー用寝具セットに含まれていることがほとんどであるため、出産前に準備する人も多いでしょう。日本ではまだ産院などでの指導は少ないですが、アメリカの小児科学会からは、寝床には枕やブランケットなどのやわらかいものをいれないようにという忠告がされています。海外では産院の退院指導で強くそれを指導されることも少なくないようです。

「なぜ使ってはいけないの?」「赤ちゃんが寒がったらどうするの?」と疑問に思われるかもしれませんね。なぜ使わないことを推奨するのかというと、万が一ひっくり返ってしまったりしたときに、布団に顔が埋まって鼻や口が塞がって呼吸ができなくなってしまうことを防ぐためです。

防寒対策としておすすめなのがスリーパー(足が解放されているもの)やスリーピングバッグ(足が袋状になっているもの)と呼ばれるアイテム。ベストのような形で赤ちゃんの袖を通して着る布団です。

そういったアイテムであれば、仮に寝返りをうっても布団がついてきてくれるため危険を回避できます。冬場であっても0歳児には掛け布団は使用せず、あたたかいスリーパーやスリーピングバッグを使用するとよいでしょう。

3.ベッドガード

ベッドガードは大人のベッドに取り付ける転落防止柵です。SNSで赤ちゃんの転落対策として紹介されていることも多いのですが、実はこれらの類の商品の使用年齢はSG基準で「生後18カ月以降」と決められています。SG基準の発行元である一般財団法人 製品安全協会のサイトでも2017年に以下のような注意書きがされています。

最近のテレビや新聞で「ベッドガード」で乳児が死亡したというニュースが報道されています。この事故は0歳の乳児がベッドガードとマットレスの間にできた隙間に挟まり起きたものです。小さな乳児の場合、隙間に挟まってしまうと自力では脱出できず窒息するリスクがあります。

「幼児用ベッドガード」のSG基準においては、使用年齢は「生後18か月以上」と定めており、SG認証製品には取扱説明書及び本体に注意書きが記載されています。

必ず使用年齢を守ってお使いください

出典:一般財団法人 製品安全協会

どれも正しく使えば便利なアイテムですが、使い方や対象年齢を間違えると危険につながってしまうこともあります。世界で一番大切な子どもを危険にさらさないためにも、ぜひ参考にして睡眠環境を見直してみてくださいね。

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。個別コンサルテーションやねんね講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。日本初の乳幼児睡眠を専門に学べるYouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を立ち上げ、運営。その他にもInstagramやVoicyなどのSNSでも寝かしつけに悩む親向けの情報を発信中

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