物価高騰で、家計を守るために投資に関心を寄せる人が増えています。1月から始まった「新しいNISA」でコツコツつみたて投資をするために、節約術で資金を確保しませんか?ゆとり時間も増える節約術を節約アドバイザーでFPの丸山晴美さんに聞きました。

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教えてくれたのは

丸山晴美さん

節約アドバイザー/ファイナンシャルプランナー/消費生活アドバイザー/ゆとりうむプロジェクト理事
都内でフリーターをしていた21歳の時に「家を買おう!」と思い立って節約生活をスタート。旅行会社などを経てコンビニ店長をしていた26歳の時にマンションを購入。少ない収入で節約と貯蓄をした経験を生かし、2001年に節約アドバイザーとして独立。時短テクニックなどを活用してゆとり時間を増やす「時産」というポジティブな価値観を提唱する「ゆとりうむプロジェクト」の理事も務める。

物価高騰時代に「新しいNISA」活用はマスト


物価が安いデフレ傾向から、物価が上昇していくインフレ傾向に世の中の流れが変わり、徐々にお金の価値が下がり続けています。そんな中、超低金利ともいえる預貯金だけで貯蓄を続けていてもお金は増えないばかりか、インフレが続くことで、いざ使おうと思った時にお金が足りなくなる可能性も少なくありません。

そこで前回は、「新しいNISA」を活用してコツコツつみたて投資をするメリットを紹介しました。詳しい解説はぜひ「『新しいNISA』を活用しないともったいない!?投資初心者に“家計を守るコツ”をプロが解説」をチェックしてみてくださいね。

今回は、いざ投資を始めようと思っても、日々の生活費に余裕がなく、つみたて投資をする資金が確保できない!と二の足を踏んでいる人のために、今すぐ実践できる節約術を紹介します。NISA口座でつみたて投資をする場合、1000円程度から月々の投資金額が設定でき、いつでもその設定を変えることが可能。何より少しでも早く、お金に働いてもらう環境を整えることが大切です。

家計費の見直しは固定費から

節約するなら格安SIMに切り替えて

今や生活必需品ともいえるスマートフォンですが、格安SIMを選ぶ人が増えています。さらに利用料の支払いにポイントを利用できるものを選べば実質無料になるケースも。また、子どもに持たせるスマホ本体は、親のお下がりを活用するのもおすすめです。

動画サイトや化粧品などサブスクの見直しを

今や動画や音楽はもちろん、コスメや洋服などもサブスクのサービスがあります。コロナ禍に登録したものの、気づけば最近使っていない…というような休眠中のサービスや、活用しきれずにたまり続けている化粧品の定期購入は、今すぐ解約しましょう。

食費は買い出しを減らし“冷凍貯金”で節約

買い出しは3日に1度の週2~3回を目標に!

毎日買い物をすると、セール品や値引き品などつい必要以上に買い物をしてしまいませんか?食費を抑えるなら、手っ取り早いのは買い出しの回数を減らすことです。週1回のまとめ買いでやりくりをするのは上級テクニックが必要なので、まずは3日に1度の週に2〜3回を目標にしてみてください。

買い物をするときは予算を決めて、必要なものを書き留めたメモを持参すること。スマホのメモ機能を使っても構いません。まずは予算内で必要なものを買い、予算が余ったら嗜好品を買うように優先順位をつけるのがコツです。

買い物リストでストックの重複を防ぎ、効率の良いまとめ買いを

“冷凍貯金”で時間も食費も節約

手軽に食事の用意ができる冷凍食品などの加工食品は便利な反面、原材料や製造時に使用するエネルギー、包装資材などの高騰が重なり、値上がりしやすいという面もあります。チャーハンや唐揚げ、お弁当のおかずなど、夕飯の用意とともにまとめてつくって小分け冷凍をしておけば、低コストで自作の冷凍食品をストックすることが可能です。

また、肉や魚は冷凍することで、冷蔵よりも保存期間を長くすることができるので、まとめ買いをした食材を無駄なく使い切ることができます。このような“冷凍貯金”を活用した時の食費を、活用しない通常時と比べると、1ヶ月あたり9570円、1年で11万4840円の節約になるというデータも出ています。

さらに冷凍庫内をすっきりと整理することで節電の効果も期待できます。節約術で浮いたお金はぜひ、NISA口座でコツコツつみたて投資に使ってみてくださいね。

実践!“冷凍貯金”活用術

食材の“冷凍貯金”を実践すれば、食費の節約はもちろん、調理の時短にも!時間に余裕がある日に作業して、忙しい日のゆとり時間を増やしてみませんか。

野菜は生のまま冷凍できるものが多数!

きのこ類やアスパラガス、さやいんげん、小松菜、カボチャなどは食べやすい大きさにしてから、ネギや小ネギは薬味サイズに刻んで生のまま冷凍を。ほうれん草や枝豆も生のまま冷凍できます。調理の際も基本的に凍ったまま使えますよ。

冷凍した小ネギにだし入りの顆粒みそと乾燥ワカメを加えてお湯を入れれば、あっという間に味噌汁が完成!

料理の彩りとしても大活躍するブロッコリーは小房に分けたら、熱湯で30秒間ゆでてざるにあげ、あおいで冷ますか、流水で素早く冷まし、水けをしっかりと拭き取ります。使いやすい分量ずつラップで包み、冷凍用食品保存袋に入れ、空気を極力抜いて冷凍しましょう。そのまま食べるときは凍ったまま熱湯で30秒程度加熱、調理する場合は電子レンジで冷たさが残る程度に解凍してから炒めるなどしてください。

そのまま冷凍したり、調理直前まで下ごしらえをして冷凍したり、自分にあった冷凍方法を見つけてみて

肉類は下味冷凍でおいしく時短食材に

節約食材として人気の鶏むね肉や豚こま肉などは、そのまま調理するとパサついたり固かったりするのが難点ですが、下味をつけて冷凍することで、調理した時に柔らかくジューシーに仕上げることができます。

下味冷凍レシピ:鶏むね肉の和風しょうが味
<材料>
鶏胸肉1枚(250g)、塩少々、しょうゆ(大さじ2)、みりん(大さじ1.5)、酒(大さじ1.5)、しょうが(すり下ろし小さじ1)

<作り方>
(1)鶏肉はところどころフォークで穴を開け、塩少々をふって5分おく。
(2)冷凍対応の保存袋にそのほかの調味料を入れ、バッグの上からよくもむ。
(3)(1)の鶏肉の余分な水気をふき取り、(2)に入れる。なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、よくなじませる。1時間ほど冷蔵庫で漬け込み、冷凍保存。

活用レシピ:鶏むね肉の和風しょうが味で「きじ焼き丼」

鶏のきじ焼き丼

<材料:2〜3人分>
鶏むね肉の和風しょうが味1枚(250g)、砂糖(大さじ2)、ししとうがらし(6本)、ご飯、刻みのり、紅しょうが(各適量)

<作り方>
下準備:下味冷凍した鶏むね肉は前夜に冷蔵室に移動し、解凍しておく
(1)鶏肉の漬けだれをきり、一口大にそぎ切りにする。
(2)残った漬けだれに砂糖を混ぜ、小鍋で少し煮詰めてタレを作る。
(3)オーブントースターの天板にクッキングシートを敷き、(1)を並べて約5分焼く。表面に(2)のタレを塗り、同じタレにくぐらせたししとうがらしと一緒に、再び5分焼く
(4)器にご飯を盛り付け、(3)を乗せ、(2)のタレを好みでかける。刻みのりと紅しょうがを添えたら完成。

ほかにも塩麹やケチャップなどの下味冷凍も

オススメは、ただかけて揉み込むだけの「塩糀(しおこうじ)パウダー」(マルコメ)。

パウダー状なので塩糀自体の保存もしやすく、肉にも馴染みやすい!

トマト味の下味をつけてメニューのバリエーションを増やすなら、塩こしょうをふった豚こま肉に、トマトケチャップ(大さじ4)、玉ねぎ(すり下ろし大さじ2)を揉み込むのもおすすめです。

節約も貯蓄も楽しくトライしたいもの。まずはできることから一歩ずつ始めてみませんか?