2歳半からは感覚器官が成長する時期。指先で何かに触れることが大好きなこの時期にぴったりの制作「スタンプアート」のアイデアを紹介します。水彩絵の具で手軽に楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。

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初めての制作にぴったりなスタンプアート

保育現場では季節や行事の制作をよく行います。子どもの節句の鯉のぼりや節分の鬼のお面などの行事制作、母の日や父の日など誰かへのプレゼントとして作る機会もあります。

私が担当している2歳児クラスでは「感覚器官の発達期」という成長の段階から考えて、素材に直接触れることを大切にしています。絵の具や粘土など、直接触って安全に活動できる素材は初めての制作にはぴったりということで、今回は最小限の材料とアイデアで楽しめる「スタンプアート」を紹介します。用意するのものは水彩絵の具と紙だけという手軽さ、応用編として野菜を使った例も紹介します。

絵の具は指で直接触って感触を楽しんだり、色を重ねたり混ぜたりして変化を楽しむこともできます。子どもによっては手が汚れるのを嫌う場合もありますが、すぐに手を拭けるように濡れた手拭きを用意しておくとよいでしょう。スタンプ作品で絵手紙やカードを作るのもステキですよ。

指でスタンプしてみよう

指先でくだものや花を描いてみる

2歳児と絵の具の制作をするときのポイントは「色を絞ること」です。色を混ぜるのが絵の具の楽しさでもあるのですが、小さい子の場合は作品作りよりも混色を作る方に興味が逸れてしまいがちなので…まずは1色から始めます。作品作りに慣れてきたら、徐々に色を増やすとよいですよ。

<ぶどう>
指先でぽんぽんスタンプして、ブドウの実を表現してみました。

始めにスタンプの押し方を見せておきます。もう1枚紙を用意して、大人も隣でスタンプしてもいいですね。「先生はこんな感じでできたよー!〇〇くんのはどんな感じ?」と作品を見せ合うのも楽しいです。

こんな感じのぶどうが描けました。この時は絵手紙にしておじいちゃん、おばあちゃんへプレゼントしました。

今回用意した絵の具は紫でしたが、黄緑を別に用意して子どもに選んでもらってもよいです。「黄緑だったらマスカットかな?食べたことある?」と会話も弾みます。

<ミモザの花束>
花を表現するのもステキですよ。枝と葉を描いた台紙を用意して、花の部分を子どもにスタンプしてもらいました。


この時は黄1色だけを用意してミモザの花を表現しましたが、回を重ねるにつれて何色か使って、いろんな色の花が入った花束もいいかもしれませんね。

イラストに着色する<魚>

シンプルなイラストを描いて、指先で着色するのも楽しいです。

遠くに引っ越してしまう子がいたので、寄せ書きの代わりにみんなで魚に指スタンプをしました。キレイな色の絵の具をいくつか用意して、指で鱗を描きます。色を組み合わせてカラフルにしてもよし、1色で塗りつぶすもよしです。

どんどん色を混ぜています。

応用編:野菜を使ってスタンプしてみよう

野菜も即席のスタンプになります。私は形がおもしろくて手に入りやすいオクラをよく利用しています。野菜を使う場合は水分があるので、絵の具を溶く水をごく少量にするとよいです。

<オクラスタンプ1:アジサイ>
アジサイの形に切った台紙にオクラスタンプをしてみました。

オクラは断面を切ってからしばらくすると粘り気の成分がでてきてスタンプがネバネバになってしまいますが、表面を少し切ってあげると再利用できます。

<オクラスタンプ2:ヒヤシンス>
茎と葉を台紙に貼って、花をスタンプしました。

どんどん押しています。

<セロリスタンプ:魚の群れ>
こちらは魚の群れにセロリのスタンプをしました。

アイデア次第でいろいろと楽しめるスタンプアートの世界。ぜひ、親子で楽しい作品を作ってみてくださいね。

この記事を書いたライター

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堀田はるなさん

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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