「ねんねトレーニング」略して「ネントレ」という言葉、耳にする機会も増えたと思います。赤ちゃんに眠り方の練習をさせてねんね上手にしていく手法ですが、やったほうがいい?と気になっている人に向けて、乳幼児睡眠の専門家がお答えします。

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ネントレはすべきか?

赤ちゃん全員に「ネントレをすべきか」と聞かれれば、答えはNOです。このネントレがなにを指しているのかにもよりますが、泣いているのに抱き上げないなどの対応を全員にしたほうが良いかと問われたなら、「そんなことはないですよ」と答えます。

なぜならネントレは、子育ての必須科目のようなものではないからです。あくまで夜泣きや寝かしつけに困っている場合、その解決手段の1つとして用いられるものだからです。

子どもの命を守るためにしてほしいこと

一方で、これは全員にやってほしいということもあります。それは「安全な環境を整えること」です。何よりもこれが大事です。安全な環境と言われてもピンとこない人も多いと思いますので、反対にどんな環境なら危険(リスクがある)と言えるのか、よくある例を挙げてみます。

  • 枕や掛け布団を使っている
  • 低反発マットレスなど大人の寝床に寝かせている
  • ベッドインベッドに寝かせている
  • ぬいぐるみなどと一緒に寝ている

上記は全て窒息のリスクを含んでいます。寝床そのものが柔らかかったり、柔らかいものが寝床に置かれていたりすると、それが鼻や口を塞いでしまい、うまく動けない赤ちゃんはそのまま窒息してしまうことも考えられるのです。命を守るための安全な寝床の整備は、ぜひ全員にしてほしいことです。

成長発達のためにできればしてほしいこと

寝床の環境に加え、生活リズムを整えることも大事な要素です。日本は添い寝の家庭が多く(それ自体が悪いことではないのですが)、親が一緒に寝ないと子どもが寝られない=親がすべての用事を片付けてからでないと寝られない…となって、遅寝遅起きになる傾向があります。

人間の身体は本来、太陽のリズムと一緒に動くようにできているため、夜遅くまで起きていたり朝遅くまで眠っていたりすると、そのバランスが崩れ、本来持っている成長発達する力や脳のパフォーマンスを最大限発揮できなくなってしまう可能性がでてきます。できるだけ6〜7時台に起床し、夜は20時台くらいまでに寝られると良いでしょう。

ネントレをオススメしたいのはこんな状況

添い乳や抱っこをしないと寝てくれないという寝かしつけのクセに悩まされている場合、ネントレが効果を発揮する可能性があります。ただし、あくまでも悩んでいる・困っているということが前提です。困りもしていないのに、「ネントレしなきゃいけないのでは!? 」と焦る必要はありません。

もしクセによる夜泣きやねんねトラブルにホトホト手を焼いている…ということであれば、ぜひネントレをして上手に寝る力を身につけて、その悩みを解消することをオススメします。

他の人と比べて焦らず、自分のペースで必要なものを取り入れて、楽しく育児していってくださいね!

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。個別コンサルテーションやねんね講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。日本初の乳幼児睡眠を専門に学べるYouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を立ち上げ、運営。その他にもInstagramやVoicyなどのSNSでも寝かしつけに悩む親向けの情報を発信中

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