お菓子作りと化学を掛け合わせた実験レシピ本の2作目、『おうちで作れる実験スイーツレシピ2 お菓子+化学=おいしい&楽しい!』。夏休みの自由研究にもぴったりなお菓子作りの楽しみ方やコツなど、子ども向け理科・実験教室の元講師で菓子研究家の著者sachi_homemadeさんにお話を聞きました。

おうちで作れる実験スイーツレシピ2 お菓子+化学=おいしい&楽しい!

お話を聞いたのは

sachi_homemadeさん

熊本大学理学部物質化学科を首席で卒業。民間の教育機関で働き、子ども向けに理科・実験教室の講師を務める。一児の母となった後、製菓専門学校通信科を卒業し、国家資格である製菓衛生士免許を取得。菓子研究家としてウェブサイトなどでコラム執筆やレシピ提供を行う。著書に『おうちで作れる実験スイーツレシピ』(翔泳社)がある。

「お菓子作り×化学」掛け合わせたきっかけ

お菓子作りは化学の実験に似ている!?

学生時代から社会人になってもずっと化学に触れる環境にいました。子どもが産まれて家庭に入ったときに、インスタグラムでお菓子作りをしている人の投稿を見て興味を持ち、自分でも作ってみたいと思うようになりました。

レシピ本を買って作り始めたら、正確な分量を量ること、きちんとした生地の混ぜ方、温度管理など、化学の実験に似ている!と思いどんどんハマっていきました。その後、お菓子作りを基礎から学ぶために製菓の学校に通い、現在も勉強(研究)を続けています。

図や表を多めに!シリーズ2作目のこだわりポイント

図や表があるから低学年でもわかりやすい!

1作目の『おうちで作れる実験スイーツレシピ』に比べ、今回の2作目は図や表を多めに使用して、より実験っぽさを出してみるなどの工夫をしました。例えば卵とバターでクッキーの焼き比べをして表にするなど、低学年のお子さんが見てもわかりやすいような紙面作りを意識しました。

低学年におすすめのレシピは?

「もこもこバブル」

混ぜるだけで泡立つ、もこもこバブル

「もこもこバブル」は、計量して入れて混ぜるだけで簡単にできるので、未就学のお子さんにもおすすめです。化学調味料は使わず、バタフライピーというハーブティーで色をつけて、中和反応の原理を利用してもこもこと泡立てます。

「ぱりぱりチーズクラッカー」

チーズの油脂で作る、ぱりぱりチーズクラッカー

「ぱりぱりチーズクラッカー」は、材料を入れた保存袋をもみ込むだけなので、混ぜるときにこぼす心配もなく簡単に作れます。途中でクッキーの生地を冷蔵庫で20分ほど冷やしますが、冷やしすぎても大丈夫なので時間を気にせず作りやすいのではないかと思います。

ほかにも「2種のりんごパイ」、「ふるふるミルクプリン」などお菓子作りが初心者という親御さんでも挑戦しやすいレシピがたくさんあります。

いざ実験開始!実験スイーツを作るときに親が注意する点と声がけのポイント

お菓子作りで大切なのは、温度管理

下準備で書いてあるところをしっかりやっておくことで失敗は少なくなると思います。お菓子作りに慣れていない人ほど準備は大切です。
また、お菓子作りで注意してほしいのは、温度管理です。化学の実験と似ている部分でもあるのですが、きちんと冷ましていない、温めていないだけでお菓子の出来上がりが変わってしまいます。季節によって室温の変化もあるので、調理用の温度計を活用するのもおすすめです。

事前にポイントを確認して、スムーズな声がけを

レシピの中には火を扱うものがあります。カラメルソースを作る時は、はねたりすると危ないので、高学年のお子さんでも火を扱う時は必ず親御さんが近くにいるようにしてほしいですね。年齢によって変わってくるとは思いますが、私の小学4年生の娘でさえ計量時にこぼしたりするんですよ(笑)。スムーズにお互い楽しく進めていくのであれば、計量は親御さんが先に済ませた方が良いかなと思います。
 
本の中には、お菓子作りの工程でのポイント、観察してみよう、一緒にやろうなどコメントを書いています。親御さんが事前にポイントを確認しておくとお子さんに声掛けがしやすくなりますよ。

変化を観察するときのポイントは?

色の変化を楽しむときは白いお皿を使う。断面の変化を観察するなら真横から見て撮影するなど、変化が伝わりやすい写真をたくさん撮ってまとめてもいいですね。

自由研究におすすめのテーマ(レシピ)とまとめ方のポイント

牛乳とコーヒーが層になっているカフェオレ作りは簡単そうに見えますが、密度と比重の仕組みについてわかりやすく実験できるのでおすすめです。自由研究として、わざとレシピをかえて卵の量を増やしてみたりするのもおもしろい実験になりますね。クッキーのレシピをアレンジしてジャムやチョコチップを混ぜてみるなど、自発的な学習ができるとさらに楽しくなります。

この本は、4つの章に分かれているのですが、各章ごとにお菓子の原理について詳しく紹介しています。調べ学習としてこちらのぺージをぜひ活用してください。

楽しむ気持ちを大切に!子どもと一緒に実験をしてみよう


実験スイーツは失敗しても大丈夫!失敗したらどうなって、次はどうしたらいいのかしっかり考察することで自由研究としては内容が濃いものになりますよ。とにかく楽しんでください。失敗しても、それが思い出になって笑い話になればいいし、うまくできたらうれしいもの。お子さんが楽しむ気持ちを一番に、親御さんはサポートしてあげてください。

お菓子作りの中には、化学がたくさん隠れています。楽しみながら、日常生活と勉強をつなぎ合わせる一冊になったらうれしいです。

取材・文/やまさきけいこ
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