子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。50回目は「子どもへひどいことを言ったときの対処」に関して。

育児に落胆することも

子育てはこのようにすべき、といくら本などで学んで知った気になっていても、イライラと堪忍袋の緒が切れて爆発することもしばしば。

こんなはずじゃなかったのに、思い描いていた子育てと違う、とガックリ肩を落とすこともあります。

ある家庭では、一番上は幼稚園の年中さん。2番目は2歳、1番下の子はまだ生後数カ月の赤ちゃんの3人きょうだい。

当然ながらお母さんは赤ちゃんにかかりきりです。さらに、産まれたときにトラブルがあったため今まで以上に子育てが不安なお母さん。

この家庭の場合は、「お兄ちゃんなんだから、しっかりしてほしい、きちんとして欲しい。」さらに言うなら「弟の面倒も見て欲しい」とお母さんは思ってしまいます。

でも意に反して、上の2人のきょうだいは、仲良く大暴れもしくは殴り合いのケンカの毎日。しかもワンオペ育児の状態でした。

子どもにひどい言葉を言ってしまったとき

ある朝、嫌がらせのように遊び食べをする1番上の息子。幼稚園のお迎えのバスの時間は迫っています。

毎日のイライラが、積りに積もって「バカじゃないの」と、どなってしまったそうです。それでも、子どもは遊ぶことをやめようともしませんでした。

さて、その日の夜、お母さんは反省しました。

遊び食べはよくない、でもバカといった私もよくない…。と考え、寝る前にの息子と2人きりのときに「今朝はバカと言ってごめんね」とお母さんの方から言うと子どもも「僕も朝、きちんとご飯食べなくてごめんね。明日からちゃんとするよ」と言ってくれたそうです。

そして、次の日の朝はスムーズにご飯を食べ、登園したということでした。

お母さんも素直に

もしかしたら、弟ばかりに目がいくお母さんに振り向いて欲しかったのかもしれません。

お母さんと2人きりで話せたこと、そして、自分が悪いことをしたにも関わらず、お母さんから謝ってくれたことが、この子の心を素直にさせたのだと思います。

たとえきょうだいがいなくても、いつもお母さんが仕事や家事などで忙しくしていると、寂しくて困らせるような行動を起こすかもしれません。

お母さんも“ごめんね”と“ありがとう”は積極的に伝えるようにしましょう。

思いのほか、簡単に問題解決できるかもしれません。そして素直に向き合うことが、今後のすてきな親子関係につながっていきます。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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