2018.10.26 / 2021.07.19
子どもはハサミを使うのが大好きです。ちょっとした工夫で、楽しみながらハサミの使い方を覚えることができます。2歳からの「上手な教え方」のポイントと、簡単にできる手作り教材をご紹介します。
index目次
おうちでモンテッソーリ・メソッド
モンテッソーリ・メソッドでは、子どもが何かを習得するための活動をステップごとに分解して提供しています。「切る」という活動は子どもの指先の発達に役立つものですが、単にはさみを使って「切る」というだけでも、実は細かに段階分けをして取り組むことができます。おうちで簡単にできますので、雨の日の室内遊びにももってこいです。
はさみで遊ぼう
はさみの持ち始めから、ある程度自由に切ることができるようになるまでのステップを分解すると以下のようになります。私の勤務する保育園「原宿子供の家」では、子どもの発達の度合いに合わせてステップアップしていけるように、段階に合わせた教材を手作りしています。はさみを初めて扱う2歳クラスの子どもたちも、楽しみながら取り組んでいますよ。
年齢の目安 | 活動の内容 |
---|---|
2歳半頃 | はさみの持ち方を知る |
2歳半頃 | 短い直線切り |
2歳半頃 | 長い直線切り |
3歳 | 簡単な曲線を切る、紙を回転させながら切る |
3歳~4歳 | 簡単な図案を切り抜く |
4歳~ | 細かい図案を切り抜く、厚みのある紙を切る |
はさみを持ってみよう
子どもサイズのはさみを用意します。子どもの手の大きさに合わせて握りやすいものを選んでください。
まずははさみに慣れること
片手で紙を持って、もう片方の手に持ったはさみで切ります。はじめのうちははさみを持って刃を開いたり閉じたりするだけでも大変ですから、大人が隣に座って実際に使っているところを見せてあげましょう。
はさみの教え方
- 大人がはさみを持っている様子を見せる
「こうやって持つよ」 子どもにわかりやすいように、角度を変えて見せてると良い 「こうやって切るよ」ゆっくりやって見せる - 同じように子どもにやってもらう
初めてで難しいなら、大人が子どもの後ろに座り、子どものはさみに手を添えて手伝いましょう。自分で手を動かし始めたら、大人は手を離します。中には大人に手を出して欲しくない子もいます。そういう場合は、無理に手を添えずに大人が切っているところを見せてあげてください。
「教えよう」とするよりも、大人は一緒に座って「楽しく切っている」姿を見せるほうがうまくいきます。「なんだか楽しそう」と子どもの目に映ればしめたもの。「私もやる!」と手を出してきますよ。
短い直線切り
はさみの持ち方がわかったら、さっそく紙を切ってみましょう。まだ上手に持てなくても、子どもが興味を示しているならチャレンジして構いません。どんどんやってみましょう。
始めのうちは無地の紙を切ってもいいと思いますが、少し慣れたら線に沿って切ってみましょう。最初は一度はさみを動かすだけでスパッと切れる長さの紙を用意して、縦線を入れます。





長い直線切り
一見簡単そうですが、子どもにとって難しいところは「刃を送る」ことです。短い直線なら一度でスパッと切れるのですが、長い直線では途中ではさみの刃をもう一度広げて切らねばなりません。大人がどうやって「刃を送る」のか見せてあげましょう。

曲線を切る、紙を回転させながら切る
直線をしばらく切ってみて、慣れてきたら曲線にもチャレンジしてみましょう。はさみを動かすだけでなく、紙を持っている方の手を動かす点がこれまでよりかなり高度です。慣れないうちは途中で紙を切り落としてしまいます。回数を重ねるうちに少しずつ上手になってきます。





図案を切り抜く、厚みのある紙を切る
二つに折り畳んだ紙をそのまま切ります。黒い線に沿って切ってみましょう。



子どもの気分が上がる声かけを
子どもが集中し始めたら「そうじゃないよ、こうでしょ?」などと水をささないように。はさみの持ち方が違っているようなら、「こうすると切りやすいんだよ」ともう一度見せてあげましょう。
始めのうちは上手にできなくても「あら、なかなかいいね。上手になってきてるよ!」と子どもの気分をうまく盛り上げてみてください。集中しているようなら、声をかけずに夢中になるままにさせてあげましょう。
この記事を書いたライター
ライター一覧- 堀田はるなさん
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モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。