551人の先輩ママたちの、妊娠と仕事の体験談。待ちに待った、もしくは、不意だったかもしれない「妊娠」。上司への報告や、仕事とのバランス、どうしてた?ストレスを強く感じ仕事を辞めた人、仕事を続けた人の今だから言える事もご紹介します。

questionいつ妊娠報告を、職場の上司や同僚にしましたか?

妊娠2~3カ月のときに妊娠報告したプレママが7割

職場(上司や同僚)に、いつ妊娠報告をしましたか?(有効回答数:551人)

最多は「妊娠2カ月」、ほぼ同スコアで「妊娠3カ月」。9割以上が妊娠5カ月までに報告済みという結果に。そのタイミングとなった理由については、最も多かったのが、業務上理解を必要としたこと。

1位 業務上、理解を必要とした 44.5%
2位 できるだけ早くしたかった 35.2%
3位 つわりなど体調不良がつらかった 32.8%
4位 安定期に入った 17.6%
5位 その他 11.4%

(複数回答)

安定期を待つよりも、早めの報告となる人が多いようです。早めとなった人の中には、

  • グループ全体の年間計画が変更になるため早めに(東京都・32歳)
  • 産休に入る時期と担当の大きな仕事の時期が重なるため、早めに後任に引継ぐ必要があった(兵庫県・36歳)

など、人員や業務への気配りを理由とするコメントも。

  • (報告は妊娠8カ月)。未婚での妊娠だったため(京都府・38歳)
  • (報告は妊娠2カ月)。出血して急きょ入院することになった(大阪府・32歳)

など、個々の事情、体調が理由でやむを得なかった人もいます。

question妊娠報告。具体的に、どう切り出した?

社会人としての気遣いがしのばれる結果に

  • 昼休みに上司と二人きりになったときに“妊娠しました”と報告。“今後体調の面でご迷惑をおかけするかもしれません”と伝えました(千葉県・32歳)
  • 派遣だったので、派遣の担当者の人にまずは相談して、一緒に報告しました(東京都・28歳)

最も多かったのが、まずは直属の上司やそれに当たる人に「お話があります」と、あくまでも簡潔に伝えるパターン。通常の業務報告の流れで、という人も目立ちました。事実を述べ、仕事や人事への配慮を添えつつ、自分の問題や希望を伝える。社会人としての細心の気遣いがしのばれました。

なかには少数派ですが、

  • 主任!もう働けないかも!妊娠しちゃった!(北海道・34歳)
  • 実は妊娠しまして、今5カ月です!臨月まで働かせてください!(愛知県・37歳)

という、明るく(?)“気持ちぶっちゃけ”型も。

question妊娠報告後の反応は?

周囲7割は好意的、でも…

妊娠報告をした後、職場の反応は?(有効回答数:551人)

気になるのは、「その後」の反応です。職場の反応はどのようなものだったのでしょうか?良い反応だった人は、

  • 好意的な反応しかなくて逆に驚きました(愛知県・34歳)
  • 初めてで、また男性の職場なので不安で仕方ありませんでしたが、自分の体調を一番大切にして無理はしなくて良いから、という上司の言葉に救われました(宮城県・33歳)

など、心配が杞憂に終わったというコメントも。

一方で、決して「歓迎されなかった」人の声です。

  • その当時は支社リーダーをやっていたので、周りの同僚からは今後どうなるんだろうという不安の声が多々ありました。何となくその反応があるんだろうな~とは思っていましたが、実際その反応をされた時は少し辛かったです(愛知県・33歳)
  • 周りに妊娠した人や子どもがいる人がいなかったので、風当たりが冷たかった。辞めるよね?といった空気を感じて辛かったが、逆に絶対辞めない、この会社を変えたい、これからの女性は強いんだ。と伝えたいと強く思った(大阪府・32歳)

と、苦い思いを経験しています。

question妊娠期に仕事をすることで、ストレスはどれくらい感じた?

とてもストレスを感じた 15.6%
ある程度ストレスを感じた 35.8%
どちらともいえない 14.3%
あまりストレスは感じなかった 22.1%
全くストレスは感じなかった 12.2%

妊娠中の仕事、就労について、ストレスの感じ方は?(有効回答数:551人)

ストレスを感じたプレママも多数

心も体もデリケートになる妊娠時期。実際にストレスの感じ方はどうだったのでしょうか。

「ある程度感じた」35.8%が最多、次が「あまり感じなかった」22.1%。職場が配慮してくれたかについて見てみると、「配慮なし」派のストレス度はより高いものの、「配慮あり」でストレスを強く感じる人も。

妊娠のストレスは、職場の配慮だけでなく、つわりや体調の程度など、人それそれ、環境それぞれで、「個人差」が大きい傾向のようです。

question妊娠期の仕事、ストレスを軽減する方法は?

では、通勤やつわり、不安感など、みんながこの時期をどう乗り切ったのか、具体的に“工夫したこと”を聞いてみました。

通勤やシフトで

  • 定時で上がる日を決めて、帰ったら少し横になる時間を設けたり、お風呂でお気に入りのアイテムを使うようにした。夫婦の時間をより大事にして、休日はしっかり休む意識を今までより強く持ってオンオフにメリハリをつけた(神奈川県・29歳)
  • 暑い中の通勤はとても大変。とにかく眠いし、すぐ疲れるので、仕事から帰ったら横になって休憩した。あと、出産経験のある友人に相談したり、経験談を聞いた。今までの自分は妊婦さんの大変さをわかってなかったなと思った(大阪府・38歳)
  • 通勤ラッシュを避ける“時間短縮措置”を使わせてもらい、土日休日出勤や当直業務も免除。妊婦授乳婦に適さないシフトは早々にはずしていただきました(神奈川県・33歳)

マインドをおだやかに

  • どうしても気分がイライラしてしまい、職場の人に対する態度が悪いなと、申し訳なさと自己嫌悪でストレスだった。1日1杯と決めて、妊娠前から好きで飲んでいたカフェオレを飲んで落ち着くようにした(岐阜県・31歳)
  • 他の人が自分の負担をしてもらっているのがストレスでした。が、割り切って与えられた仕事をしました。お菓子などを定期的にもっていき、休憩中に食べてもらいました(千葉県・29歳)
  • 周りに感謝を伝え、でも自身の身体を大切に考えるようにし、家庭では旦那になんでも聞いてもらって発散したり、一緒にこう言う時はこう言うなどの対策を練ったり。

    ルイボスティーやたんぽぽコーヒーを飲みながらリラックスタイムを作り、赤ちゃんのエコー写真を見たり、胎動を感じたりして、ストレスを癒すのが良かったです(福岡県・31歳)

これまでと同じペースでは働けない状況に葛藤(かっとう)しつつ、自分なりの工夫を重ねて乗り切ろうとしたコメントが続々。

ただ、なかには、体調の悪化や緊急入院、マタニティーハラスメントなどの深刻な状況になった人も。一人では抱え込まない、決して無理はしないことも心がけたいですね。

question妊娠中、仕事を辞めたいと思ったことは?

実際に退職した 23.6%
辞めたいと強く思ったが結果しなかった 7.4%
辞めたいと思う瞬間はあったが、結果、思いとどまった 20.5%
辞めたいとは、ほどんど思わなかった 41.4%
辞めたくなかったが、辞めざるをえなかった 5.1%
分からない、覚えていない 2.0%

妊娠中、仕事をやめたいと思った事は?(有効回答数:551人)

辞めた人、続けた人。どちらも半数以上は後悔していない

仕事との新しいバランスをとる中で、「辞める」選択が浮上する人もいます。気持ちと実際の行動については、次の結果となりました。

その選択は良かった?それとも後悔している? 仕事を辞めた人に“胸のうち”を聞いてみると…。

  • 良かった(50.8%)
    子育てが楽しいし、忙しいので、その上仕事なんて無理だと思う(大阪府・42歳)
  • まあ良かった(26.2%)
    好きな仕事で、今でもやりたいと思いますが、土日祝は必ず出勤だったので、産後復帰は難しいと思っていました。今は学校や保育所に合わせた時間帯の仕事なので、休日は子どもと一緒に過ごせる(京都府・32歳)
  • 少し後悔(10.8 %)
    他部署での話もあったが、自分にむいていないのと、妊娠中にまた新しいことを覚えなければならないことはかなり苦痛だった。同時期に主人が仕事を辞めてしまい貯金がどんどんなくなり後悔しました(福岡県・44歳)
  • 後悔(4.6%)
    出産後に再就職先を探すタイミングが難しく、まわりはみんな職場復帰していく中で不安だった(滋賀県・31歳)
  • わからない(7.7%)
    辞めたくはなかったがパートアルバイトに育休制度がなかったので辞めざるをえなかった(兵庫県・38歳)

一方で、仕事を続けた人は、次の通りでした。

  • 良かった(59.1%)
    出産後、つきっきりの子育てをずっとすることは自分にとって難しく、また自分で収入を得ることの楽しさを痛感(東京都・27歳)
  • まあ良かった(27.3%)
    再就職は難しそうなのと、やっぱり仕事が楽しいと思えるから(長野県・34歳)
  • 少し後悔(5.8%)
    正社員ではいられた。でも小さな子どもを預けてまで仕事するのは…、みたいな(兵庫県・38歳)
  • 後悔(1.9%)
    体を壊した(三重県・32歳)
  • わからない(5.8%)
    まだ結論が出ていない環境だからです(大阪府・31歳)

プレママへのエール

最後に、先輩ママたちからプレママたちへ、経験に基づいたメッセージとエールです。

  • 自分一人で抱えないで今から周りの人にドンドン頼る癖をつけた方が良いと思います。 そして感謝の気持ちを忘れずに(神奈川県・44歳)
  • 職場の理解度については職場によって大きな違いがあるので、働き続けることが困難な状況になった時は自分にとって一番大切にしたいことは何なのか、シンプルに考えて行動するのが後悔しないことにつながると思います(岐阜県・42歳)
  • いつか産休を取ることを考え、しっかり自分の仕事をきっちりこなすことを徹底していたほうがいいと思います。適当にやっていた先輩は妊娠報告した時に誰も後任をやりたがらず、大変でした(埼玉県・31歳)
  • 赤ちゃんのためにも無理は禁物。上司や先輩にも気は遣うと思いますが、休んだ分は、体調がいいときに他の人の仕事のお手伝いをしたり、無理なく出来ることでフォローしたりしていました。仕事で疲れた日は、家事を手抜きしたり外食も時にはいいと思います。赤ちゃんが生まれたらゆっくり外食なんてできませんから(愛知県・30歳)
  • 仕事も家庭も完璧主義にならないように。ストレスがたまってしまいますよ。 “まあ、いっか”って思わないともちません(東京都・43歳)

先輩たちが共通して語るのは、周囲を上手に頼ること、そして、自分なりのバランスに自信を持つこと。このバランスは妊娠出産に関わらず、子育てが始まってからも、常に問われ続けていくことですね。

今回、辛かったこと、悩んだことも含めて経験を回答し、真摯(しんし)なメッセージを送ってくれた先輩ママの皆さん、本当にどうもありがとうございました。

※コメントの()に記載した居住地と年齢は、回答時点の情報です

この記事を書いたライター

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向山奈央子さん

フリーライター&エディター。仕事で走り回りすぎて、気付いたら一人娘は中学生に育っていた! ライフワークで「感情ケアプログラム」指導者コース修了。忙しいワーママを見ると、つい(聞かれてもいない)アドバイスをしてしまう。

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