働きながら子育てしていて「ちゃんとできているんだろうか」と悩んだことのない人っていないんじゃないでしょうか。そんな悩めるママに、そこでいいんです、ぼちぼちいきましょ。と優しく声をかけてくれる、超先輩ワ―ママの柔らか~いお言葉がしみます。

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「心に折り合いをつけて うまいことやる習慣」はベストバイ書籍!

個人的に2018年の書籍ベストバイではないかなあと思う一冊をご紹介します。

中村恒子・奥田弘美 株式会社すばる舎 1404円

終戦が迫る1945年、16歳の時に医師になるため単身大阪に出てきて以来、89歳になるまで医師として働き続けている中村恒子先生のお話を、同じく精神科医の奥田弘美先生がまとめたものです。

おだやかで親しみやすい、良い意味で力の抜けた語り口に引き込まれるようにスラスラ~と読んでしまいました。そして読み終わった後、肩の力が抜けたようにも感じました。

それはもう心のマッサージ!

息つく暇もなく、さまざまなプレッシャーに日々さらされているワーママ必読の一冊です。

「お金のために働く」でええやない

いきなりパワーワードがきました(笑)ええんや…。

さすがに子どもができて多少は変わりましたが、私は「やりがい」とか、「好きを仕事に!」とかバリバリ刷り込まれた世代。

でもそこまで自分をしっかり持っているわけでもなくなんとなく仕事に就いて、どっぷり好きなことをやっている人を見ては劣等感を抱いて…。

「こんな気持ちで仕事をやっていていいのか?」とか考えてしまう面倒くさい社会人。

恒子先生は言います。

なんというか、力が入りすぎてるんですわ。仕事人生は、長~く続いていくもんです。

必要以上に気を張らないで、「ちょっと目の前の人のお役に立てればいいかなあ」ぐらいの気持ちで仕事してみるのはどうでしょう。

ご飯が食べられて、そこそこの生活さえできたら上出来。さらに、自分の仕事で目の前の人が喜んでくれたらもうけもんです。

とにかく恒子先生は欲張らない。自分にも他人にも過剰な期待をしない。

「日々たんたん」と目の前のことをやってきて、2人の子どもを育てあげて88歳になるまで週6フルタイムで働かれていたというからもう尊敬しかありません。

仕事の意義とかやりがいとか成長とかが見いだせなくて悩んでいるときは、とにかく「自分が自分が」となっているんだなぁと気づきました。

仕事が好きじゃなくてもまったく問題ない。「やらないよりはやったほうがマシ」くらいが続けていくにはちょうどいい。

70年以上働いてきた大大大先輩の言葉、しみます…!

その日、その日を生きていく

子どもを育てていると、心配事は山ほどあります。子どもの健康や成長、情緒の安定、夫婦関係や家計、仕事の将来性。天災や事件事故に巻き込まれることもむちゃくちゃ怖いですよね。

私は本当THE心配性みたいな人間で切り替えも下手なので、まだ起こってもいないことで思い悩んでズーーーン、みたいなこともよくあります。

こういう性格の人間にとって母親業って正直めっちゃ疲れます(笑)

食べて、寝て、命をきちんとつないでいけば、たいていの物事はなんとかなっていきます。とにかく、目の前のことがおろそかにならないようにすること。何においても、それが一番大事なことですわ。

これを読んで、ああ私よくやるなぁと思ったのが、子どもに起こった何らかを心配して必死でスマホを見ていること。子どもに声をかけられても、必死でスマホの文字を追っている、というシチュエーション。

それはあかんことよ、とやさしくクギを刺された気分。でも痛くないんです。恒子先生のクギはとても柔らかいんで(笑)「そっち向いてたらあかんのちゃう?」って寄り添ってやさしく軌道修正してくれる感じで、素直にあかんかったなぁと思えるんですよね。

仕事と家庭の両立について

任せられた仕事が思うようにできず、同僚に遅れをとったり、子どもの体調不良で迷惑をかけたり。とはいえ子育てもほかのお母さんに比べると手をかけることもできていない…。理想通りにいかないことに悩みを抱いている人がたくさんいると恒子先生は言います。

理想から遠すぎる帰宅後の姿

でも私は思うんやけど、なぜ、理想どおりでないといけないんやろか?それは誰のためなんやろか?中途半端でええんですよ。

完ぺきを目指して挫折するよりも、不細工な形でも続けていくことのほうが大事なんやないかと私は思います。

これって子育てとか仕事にかかわらず、いろんなことに言えるのでは?って思います。

ダイエットとか、趣味とかもそうかも。完ぺきを目指していたつもりはないけれど、いろいろ中途半端な自分に焦りや劣等感を覚えていたのも事実。

でも仕事人生は長い。子育てはそこまで長くないけど当分続いていく。だったらどうやれば自分は心をラクにして向き合えるのか?何だか肩に力が入ってるな、と思ったらこの本を開いてみようと思える一冊でした。

親愛なるワーママのみなさん。毎日本当にお疲れさまです。疲れたときは、ちょっと本などに手を伸ばして。

みんなで心に折り合いつけて、うまいことやってやりましょう!

この記事を書いたライター

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あら井さん

2歳差姉妹を命からがら育てています。逃避手段は読書とジャニーズ。今春から京都に引っ越すので、京都子連れ情報も発信したいと思っています。

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