収入はそれなりにあるけれど、使途不明な支出が多く、計画的に貯蓄をしていないK家。私立小への進学や住宅購入に備えた、家計管理の方法とは?ファイナンシャルプランナーが答えます。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ(家賃補助6万円含む)
350,000円
ママ
270,000円
月間支出
住居費(家賃)
98,000円
食費(外食費含む)
60,000円
水道・光熱費
15,000円
保育・教育費
85,000円
通信費(インターネット・携帯電話)
15,000円
パパのお小遣い(ランチ代・交際費含む)
40,000円
ママのお小遣い(ランチ代・交際費含む)
40,000円
子ども用品(洋服・おもちゃ)
20,000円
レジャー費
10,000円
その他(使途不明金)
117,000円
貯蓄
120,000円
ボーナス時収入(手取り・年間)
パパ
1,800,000円
ママ
1,000,000円
ボーナス時支出(年間)
保険料(パパの保険)
440,000円
旅行・帰省費
500,000円
臨時出費(冠婚葬祭費など)
200,000円
パパ・ママのお小遣い(洋服・美容代など)
600,000円
現在の資産
貯蓄
8,000,000円

ミニアドバイス1「住居費(家賃)」

実家の敷地に一軒家を建てたいとのこと。一般的にローンなど住宅関連費は手取り収入の25%まで。私立に行かせる場合は、さらに抑えられると安心です。家賃補助が出る間は、賃貸で暮らすのが得策です。

ミニアドバイス2「保険料(パパの保険)」

ママも保険に加入して、病気などに備えましょう。30歳なら掛け捨ての死亡保障付きの医療保険に2000円程度で入れます。妊娠すると保険は入りにくくなるので、第2子妊娠前に検討を。

advice 1私立小学校の教育費の目安は年間約150万円

私立は、小学校なら年間約150万円、中学校なら年間約130万円はかかります(※1)。備品や交際費も、公立より高額になる傾向が。この金額を払い続けながら家計の黒字を維持できるかどうか、見極めが必要です。

N・Kさんの場合、一年間の貯蓄額が約250万円(※2)なので、学費は支払えるとしても貯蓄額は少なくなります。2019年10月から保育料無償化が始まるので、ためられる時に計画的に貯蓄する習慣を付けて。

※1 学校教育費+給食費+学校外活動費(文部科学省「子どもの学習費調査」より)
※2 毎月の貯蓄×12カ月+(ボーナス時収入-ボーナス時支出)で算出

advice 2計画的な貯蓄はリアルな支出を知ることから

N・Kさんには1カ月約12万円の使途不明金がありました。まずは実際の支出を把握すること。クレジットカードでの買い物は、カードと連携できる家計簿アプリで、利用内容を確認するようにしましょう。支出傾向から使い過ぎと感じる費目は、上限金額を決めます。

貯蓄は自動引き落としのシステムを活用するのが一番。運用にも興味があるそうなので、少額から投資できる非課税制度・つみたてNISAを利用しては。

使途不明金を見直してプラス5万7000円貯蓄へ

支出 Before After
食費(外食費含む) 60,000円 80,000円
パパのお小遣い(ランチ代・交際費含む) 40,000円 50,000円
ママのお小遣い(ランチ代・交際費含む) 40,000円 50,000円
レジャー費 10,000円 30,000円
その他(使途不明金) 117,000円 0円
貯蓄 120,000円 177,000円

result「月10万円以上」の教育費捻出は共働きの継続がカギ

子どもを私立に入れるということは、月平均10万円以上の固定費がかかるということ。ママの収入があるからこそ私立を検討できる状況です。子どもが保育園の間にできるだけ貯蓄をしつつ、入学後は実家を頼ったり学童を利用したりして、仕事を続けることをお勧めします。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「子どもの年代別大学に行かせるお金の貯め方」(PHP研究所)他。

※この記事は、2018年12月発行の「ぎゅって首都圏版年末年始号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko