現在一戸建てを新築中で、これから住居費が増える予定。節約していても毎月赤字の家計で、これからどうやりくりすればいい? ファイナンシャル・プランナーが答えます。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ(扶養手当87,000円含む)
370,000円
ママ
70,000円
月間支出
住居費(家賃)
86,000円
食費
65,000円
水道・光熱費
14,000円
保育・教育費(保育料・習い事など)
129,000円
通信費(インターネット・携帯電話)
25,000円
車費(駐車場・ガソリン・保険代)
26,000円

保険料

パパ・ママの保険
19,000円
子どもの保険(3人分の学資保険)
38,000円
パパのお小遣い(定期代・ランチ代を含む)
45,000円
ママのお小遣い(ランチ代を含む)
5,000円
レジャー費
10,000円
貯蓄
0円
ボーナスなど臨時収入(手取り/年間)
ボーナス
600,000円
児童手当・保育園補助
720,000円
ボーナス時支出(年間)
月々の赤字補てん(※)
264,000円
住宅ローン
0円
現在の資産
貯蓄
5,300,000円

※毎月の赤字(2万2000円)×12カ月で算出

ミニアドバイス1「住居費(家賃)」

第2子・第3子が通う認定保育園の費用は現在月10万円強ですが、認可保育園に入れば、半額程度になります。来年度の転園が難しくても、2019年10月からの保育料無償化で次女分の保育料は減額できるでしょう。

ミニアドバイス2「保険料(パパの保険)」

現在、通信費は夫婦のスマホ代と自宅のインターネットで2万5000円かかっていますが、他社への乗り換えを検討中とのこと。格安スマホにした場合、夫婦でも数千円で利用できるため、大幅に減額できます。

advice 1住宅ローンは、金利変動リスクも考慮して

現在、固定費(住居費、水道・光熱費、保育・教育費、通信費、車費、保険料)が、収入の約7割を占めており、住宅ローンの開始でさらに家計を圧迫することが予想されます。本来、食費を除いた固定費は、家計の半分以下が理想。

変動金利のローンは、金利が上がると返済額がぐんと増えるリスクもあるので注意が必要です。保育費の減額や節約の工夫により、約2万円の貯蓄ができるよう、毎月の収支の中で黒字化を目指してください。

advice 2住宅購入に伴い発生する臨時費の備えも

S家は月々の収支が赤字になっていますが、ボーナスと児童手当などの補助金で埋め合わせをし、年100万円強は貯蓄できている状況。

しかし、住宅購入後には固定資産税や各種保険、修繕費などの臨時支出が発生しますし、子どもの成長と共にレジャー費や教育費は増加する傾向にあります。

将来の修繕や増築を見越した準備金として、戸建ての場合は住宅費+月2万円程度の修繕積み立て費を目安に備えておきましょう。

毎月の収支の中でやりくり 月約2万円を貯蓄へ

支出 Before After
住居費(現在の家賃) 86,000円 120,000円
(ローン+修繕費)
保育・教育費(保育料・習い事など) 129,000円 79,000円
通信費(インターネット・携帯電話) 25,000円 10,000円
車費(駐車場・ガソリン・保険代) 26,000円 16,000円
貯蓄 0円 19,000円
月々の赤字補てん 264,000円 0円
住宅ローン 120,000円 600,000円

result固定費の減額分は確実に貯蓄を

S家の家計は住宅費をはじめとする固定費の割合が大きく、自由に使える変動費(食費やお小遣いなど)が少ないのが特徴。節約する余地があまりありません。

固定費の減額がカギ。今後お子さんたちの保育料負担が軽くなることで生まれる支出減は、将来の教育費や老後の備えのためにしっかり貯蓄しましょう。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「子どもの年代別大学に行かせるお金の貯め方」(PHP研究所)他。

※この記事は、2019年1月発行の「ぎゅって2月号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko