2017.08.07 / 2017.09.25
家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。11回目は「ブロック遊びをさせたら、算数が得意な子に育つ?」について。
ブロック遊びをしていたら、空間図形の問題が得意になっていたのでは
お母さんたちは算数・数学で空間図形の問題は得意でしたか?私は理系なので、数学Ⅲまで勉強しました。その中でも空間図形がかなり大変でした。というのも平面上に書いてある2次元の世界から3次元の世界を想像しなくてはいけなかったからです。
問題に書かれている図形を見ながら、この点はどこにあるのか?この線はどこからどこに引いてあるのか?最初はさっぱり見当がつかないものもありました。紙面上では分かりにくく、実際にそれを組み立ててみたいなと思ったことが何回もあります。
しかし、数学の問題を解くときに実際に空間図形を作ることはできません。(家で勉強するときは、やってみることもあります。)
問題を解きながら、
小さい子どもの頃にブロックやいろんなものを組み立てることをやっていれば、さぞかし想像できるのではないか
と自分自身が思っていました。
図形に強くなるにはどんなおもちゃを与えたら?
そこで「子どもができたときに図形が強くなるようなおもちゃはないか」と探して与えてみました。もっとも一般的なのものはブロックですね。しかし、ブロックでは立方体、直方体など四角いものしかありません。
そこで家では磁石で正方形や長方形以外に正三角形、二等辺三角形もあり、それを組み立てることができるものを買い与えました。本当はもっといろんなものを組み立てることができるものが欲しかったのですが、その当時は見つけることができませんでした。
今では海外製のおもちゃも含め、いろいろな多面体を作ることができるおもちゃが出ており、ネットなどで簡単に手に入れることができます。
男性脳と女性脳の違いの違い?息子と娘では反応が違う
さて、このおもちゃを娘も息子にも同じように与えました。しかし、「女の子は言語、男の子が空間が得意」と言われている男性脳と女性脳の違いでしょう。やはり遊びに反映していました。
息子はこのブロック型のおもちゃでひたすら遊んでくれました。娘は同じおもちゃを与えても、少しは遊ぶのですが息子のようには遊んでくれませんでした。そのかわり、娘は読み聞かせが大好きで、息子は、読み聞かせは好きではありませんでした。
どちらも両方好きになってくれれば良いのですが、それは子どもの好き好き。無理強いしては嫌いになりますし、拒否反応まででてきます。好きなものを伸ばしてあげましょう。
決して嫌がるものを強制してはいけません。しかし、あまり興味を持たないものは、時たま一緒に遊んであげるのもいいかもしれません。
例えば「今日はママ、ブロックで自分の住みたいお家を作ってみようかなー」と言って本気で理想の家を作ってみます。そのときに「〇〇ちゃんも作ってみる?」と誘い、一緒に一軒のお家を作るのもいいし、お互い理想のお家をそれぞれ作るのも楽しいでしょう。
子どもが作るにしろ、作らないにしろ、私は本気で作っているので、すぐ壊したりしません。しばらく飾っておきます。
この飾っているブロックの家を見て、パパや他の兄弟も作るかもしれません。そして何軒ものうちが並ぶことになるかも。それはそれでとても楽しい世界が広がっていきます。
教えてくれたのは
- 楠本佳子さん
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「こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」