子どもの公立小学区を考慮し、4年前に購入した自宅マンションの売却を検討。住宅ローンの借り換えや現在の貯蓄額に無理はない?お金のプロが答えます。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
250,000円
ママ
150,000円
児童手当
25,000円
月間支出
住居費
115,000円
食費(外食費含む)
50,000円
水道・光熱費
15,000円
保育費
40,000円
通信費(インターネット・格安スマホ)
12,000円

保険料

パパの医療保険
6,000円
ママの医療保険
5,000円
教育費(習い事費)
9,000円
パパのお小遣い(ランチ代を含む)
40,000円
ママのお小遣い(ランチ代を含む)
35,000円
その他(日用品・おむつ等)
10,000円

貯蓄

パパ
(企業型確定拠出年金・変額保険等)
40,000円
ママ(個人型確定拠出年金・終身保険)
23,000円
児童手当
25,000円
ボーナス時収入(年間)
パパ
400.000円
ママ
300.000円
ボーナス時支出(年間)
帰省費用(年2回)
80,000円
住宅ローン返済
80,000円
臨時お小遣い(レジャー費・被服費)
75,000円
臨時出費
(冠婚葬祭、旅行、奨学金繰り上げ返済等)
300,000円
貯蓄(預金+従業員持株会)
165,000円
現在の貯蓄
貯蓄
4,000,000円

ミニアドバイス1「教育費」

教育の熱心度と物件価格には相関関係があり、教育熱心な学区では周囲の影響で塾代や習い事費なども膨らむ傾向があります。今後の教育費は、保育料無償化に伴う減額分の範囲でやりくりしましょう。

ミニアドバイス2「貯蓄」

児童手当をためると中学卒業までに子ども1人当たり約200万円になります。加えて、ママの終身保険の返戻金500万円が将来の教育資金に。投資もしていて、教育費と老後資金が手堅く貯蓄できています。

advice 1売却額>ローン残赤字が出ないなら、住み替えもあり

Sさんの場合、購入時の物件価格3900万円に対して、借入額は3300万円。売却予想額から売買にかかる仲介手数料や引越し費用など、残債を引いても約1000万円(※1)が残ります。住宅価格は高止まりの傾向があり、今、売却の決断はあり。

ただし、売却額よりも残債が高くなるケースでの住み替えは注意が必要。住宅購入は①物件価格の2割の頭金②物件価格は年収の5倍以内③月収の25%以内の返済額が目安です。

※1  2019年2月現在の物件売却予想額(4000万円/Sさん夫調べ)-手数料等(400万/1割で試算)-ローン残高(2600万円) 

advice 2家賃負担額が一時増えても、買い替えは慎重に

国立小の受験を視野に入れているとのことで、子どもの成長や進路によって生活環境に求める優先度が変わることも。将来地元に戻る可能性もある中、新たな物件を今買うにはリスクもあります。まずは住むエリアを絞って賃貸物件で様子を見ながら貯蓄をし、住宅相場が下がってきたときに購入という方法も選択肢に入れてみては。時短から勤務時間の延長で収入が増える範囲なら、一時的に家賃が上がってもやりくりしていけますよ。

貯金+保険+投資のバランスGood!

収入 Before After
ママ  150,000円 180,000円
(4月から勤務時間を1時間延長)
支出 Before After
住居費 115,000円 145,000円
保育費 40,000円 15,000円
(保育料無償化による減額)
教育費 9,000円 34,000円

result今は貯蓄を優先、賃貸で様子見を

子どもの学費用貯蓄(※2)を抜いても、年間76万5000円の貯蓄があり、上手に家計が管理されています。このまま共働きを続け自宅の住み替えによる大きなロスが発生しなければ、やっていけるでしょう。

住み替えは、賃貸で学区や進路の様子を見てからの購入をお勧めします。

※2 ママの終身保険(月1万3000円)+児童手当(月2万5000円)

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「北欧式 お金と経済がわかる本」(翔泳社)他。

※この記事は、2019年6月発行の「ぎゅって首都圏版特別号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko