/ 2017.09.25

子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。15回目は「頑張ったご褒美はやる気を失くす?」について。

「がんばったから、お小遣い」の結果

子どもが何か頑張ってやったら「ご褒美あげたい」と思うのが、親やおじいちゃんおばあちゃん。でもちょっと待って!そのご褒美がやる気をつぶしていくことになるかもしれません。

ご褒美をあげるのも考えなくてはいけません。

ある生徒が勉強をがんばり、テストはいい結果をとりました。喜んだおばあちゃんが、孫にお小遣いをあげました。すると子どもは小遣い欲しさに、また勉強をがんばります。 

最初はいいでしょう。でも、テストのたびに、お金をあげていたらどうなるでしょう。最初は100円でよかったかもしれません。でも高学年になると100円では何も買えないと、学年が上がるたびに金額も上がっていきます。

でも限界があります。毎回お金を渡せるわけでもありません。そうなると子どもはどうなるか?

やる気を失い、勉強しなくなります。

ご褒美をあげることでやる気がなくなる?

最初は自分からやる気をだしてしていたものが、ご褒美をあげることによって、ご褒美目当てにすりかわってしまいます。

「ご褒美がなかったらやらない」というご褒美回路を親や祖父母がわざわざ作ってしまうのです。

こうなると、自分からやる気をだしてすることは難しくなります。親や祖父母がいいと思ってやったことが、かえって子どもをつぶすことになりかねません。

お手伝いも同じです。お小遣い制にすると、お金をあげるとお手伝いするけど、お金をもらえないとお手伝いをしない子どもになってしまいます。

では頑張ったときのご褒美は何がいい?

子どもが好きな料理を作ってあげる

ことがいいのではないかと思います。

子どもの頃、もっとご飯を作って欲しかったとか、おいしいもの、きちんとしたものを作ってほしかったなどと、高校生がふと話すことがあります。

子どもと一緒に料理をしたり、お菓子の本を見て親子でお菓子作りに挑戦するのもいいかもしれません。

もし、失敗したとしても、親子で作ったということが、楽しい思い出になるでしょう。楽しい思い出・・・それが一番のご褒美かもしれませんね。

教えてくれたのは

楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら