帰宅後から寝かしつけまで、目まぐるしく「タスク」をこなすママへ。イライラせずに笑顔で過ごすには?知的家事プロデューサーの本間朝子さんに聞きました。

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お話を聞いたのは

本間朝子さん(知的家事プロデューサー)

自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案。テレビや雑誌、ラジオ出演、講演多数。毎月「時短家事セミナー」も無料で自主開催中。著書に「『名もなき家事』を楽しく減らす法(三笠書房)」、「ゼロ家事(大和書房)」など

他力を借りて「家事シェアストレス」をゼロに

社会的に共働き家庭を応援する流れがある中で、「家事をシェアしましょう」という気運が高まっています。しかし、夫と家事をシェアしようとすると、ケンカの原因になったり、帰りが遅かったり、単身赴任だったりで、現実的にできない…ということもありますよね。

家事が負担なのに、家族とシェアできていないことに、“見えないストレス”を感じているママたちが増えているように思います。しかし、家庭によって事情はさまざま。

これまでは「家事は家族でやるもの」「お金をかけるのはタブー」という風潮がありました。しかし今は、お金をかけるのも一つの解決法と考えて柔軟に、家事の負担を減らしていきましょう。

まず、自分が普段やっている家事の中から、自分が苦手だと思う家事や、上手くシェアできない家事を選んで、そこから始めてみてください。後ほど紹介する「五種の神器」は安くはないかもしれないですが、生涯収入で考えるとほんの一部、とも言えると思います。

また、今は家電のレンタルサービスもあるので、購入前に「合う」「合わない」を感じてみるのもいいでしょう。さらに、手頃な価格のモデルも登場しています。家電や家事代行の価格帯は、私たちに歩み寄ってきています。

帰宅後も家事や育児で休めない人は多いと思いますが、ロボット掃除機のおかげで床が気持ちいい、自動調理鍋でご飯が出来上がっている、洗濯がボタン一つで乾燥まで終わっている。これだけであなたの18時~21時は笑顔に変わるはずです。

「五種の神器」が毎日を変える!

ロボット掃除機

5万円のロボット掃除機を購入し、フィルターなどの消耗品を定期的に交換し、6年間使った場合の合計金額は、およそ10万円弱。これを1日に換算すると、わずか46円!1日46円で心に余裕が生まれるなら、高くはない気がします。

食器洗い乾燥機

ある調査によると、食器を手洗いする時間は、1回約20分×朝晩2回だとして、1日40分ほど。手洗いでは、1回あたり65~75lの水を使うと言われていますが、食器洗い機の場合、機種にもよりますが10~20lほどで済みます。手洗いに比べ、高温で油汚れもしっかり落とせます。

スマートスピーカー

デジタルなものが苦手という人もいるかと思いますが、「しょうゆを買って」「テレビをつけて」など、“声”で操作するというのは慣れると、とても便利で時短につながります。知識がない不安のために、進めないのはもったいない!知識がある人を頼って、検討してみてください。

自動調理家電

代表的なのがSHARPの「ホットクック」と、ティファールの「クックフォーミー」。前者は予約調理ができ、朝に仕掛ければ帰宅後にできたてが食べられます。後者は圧力調理ができ、帰宅後パパッと作りたい人におすすめ。置き場所は備えつけの棚にこだわらず、ラックを置いて使うのもアリ。

洗濯乾燥機

乾燥までかけると、干す手間・取り込む手間がなくなり、かなり負担が減るはずです。これから選ぶ人は、ヒートポンプのドラム式で「大容量」「温水洗浄」「短時間で仕上がる」ものに注目してください。天候に関係なく、カラッと気持ち良い洗い上がりで、ストレスも減ります。

本間朝子さんが教える、帰宅後をラクにするその他のアイデア

夕食準備

  • おすすめのメニューは「ホイル焼き」。朝包んで冷蔵庫に入れておけば、帰った後、放置料理ができるので、その間に他のことができます。洗い物が出ないのもポイント。
  • 献立は1週間分まとめて考えると、そのときは結構大変ですが、当日悩まずに済みます。
  • 新しいメニューを考えるのではなく、みそ汁や冷ややっこ、卵焼きなどに、追加で加えられる具材はないかな?と考えると、レパートリーが広がります。

夕食の後片付け

  • ご飯やおかずの食器は、そのまま調理や保存ができるタイプを選ぶと、移し替える手間が減り、洗い物も少なくて済みます。
  • ボウルに水を入れ、食器洗剤を1プッシュ。流水して泡立てると、スポンジが泡切れしにくく、一気に洗えます。
  • 水切りは珪藻土のマットがおすすめ。100円ショップでも扱っていますよ。

子どものおもちゃなどの片付け

  • 子どもがおもちゃを広げていい範囲にマットを敷いたり、マスキングテープなどでラインを引いてみて、その中のものは自分で片付ける習慣を。
  • 「お風呂掃除のレジェンド」「美しすぎる洗濯物畳む係」など、子どもが喜ぶ肩書きをつけると、率先してやってくれるかもしれません。

洗濯

  • 洗濯機・干す場所・しまう場所は、なるべく近くの方が動線がスムーズ。特に、下着やパジャマ類は洗濯機が脱衣所にある場合、ここに収納を。しまう場所がないという人は、必要以上にタオルを収納していませんか?1~2日に1回洗濯する家庭では、そんなに枚数はいらないはず。使う分だけ置くようにしてみましょう。
  • 洗濯機の上に突っ張り棒を付け、保育園の汚れ物などの一時干し場に。100円ショップのミニパンチハンガーなどもお役立ち。
  • バスタオルは使わず、ファイスタオルを利用。小さく畳まず半分折りにすれば、手間が減ります。畳むのが面倒という人は、きちんと畳もうとせず、“折る”回数を減らしてみて。

※この記事は、2019年9月発行の「ぎゅって首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです