/ 2019.10.03

保育園、幼稚園、学校に通う子ども、そしてその親にとって、先生はとても重要な存在です。

私は以前、息子が通う保育園の先生の子どもへの対応に不安を感じたことがあります。そのときの不安解消のきっかけは、「お母さん同士の会話」と「先生との懇談会」でした。

先生のキツイ言い方が気になり、不安に

0歳児クラスから入園した息子は、今年が保育園3年目。各クラスに3、4人の担任がつき、進級ごとに大半の担任が入れ替わります。今まで担任になってくださった先生方は基本的にとてもいい先生でした。

しかし、0歳児の入園時には甘やかされていた子どもも、成長とともにルールに従うことが必要になります。ルールを学ばせるための方針・方法は先生によって違うため、時に「それでいいのかな?」と不安に思うことも。

私が特に気になったのが、ある先生の子どもへの注意の仕方でした。

例えば、息子の園では、部屋の出入口を子どもが開閉することは禁止されていますが、送迎で私と一緒のときに息子が開けてしまったことがあります。それを見た先生が、「こら!開けたの誰?誰かな?ねえ、ドア開けていいんだっけ?ダメって言ったよね?ドアはお母さんが開けるんだよね。今開けたの誰?」と立て続けに言われたのです。息子が涙目になるのも気に留めずに責め立ててるような言い方が心に引っ掛かりました。

その後、息子やほかの子どもを注意している場面に何度か遭遇するうちに、保育園児に対する態度としては厳しすぎるのではないか、これでは子どもが萎縮するに違いない、子どもの人格形成に支障をきたしたらどうしよう、と徐々に不安が大きくなっていきました。

息子本人に日中の様子を聞こうとしても、3歳前ということもあり、まだ会話がおぼつかず、ましてや自分の気持ちを言葉で表現することまだできない時期。そんな状況で「○○先生ってコワイ?」と聞くことはネガティブな気持ちを植えつけてしまうと考え、詳しい話を聞くことはできませんでした。

同級生のお母さんとの会話

不安が増大した私は、先生に直接抗議するか、園長先生や事務の先生に相談しようと思い、そのために事前に情報収集をしようと考えました。

そこで、同級生のお母さん数名にメールすることにしました。メールの内容はとても悩みましたが、実際に見たことと、私は威圧的に感じたということを、感情的な文章にならないように注意して書きました。

正直なところ、私はみんなから「同じような状況を見たよ。あの先生キツすぎるよね」という返事を期待していました。そういう意見が集まれば「やっぱり問題のある先生なんだ!子どものためにみんなで抗議しよう!」と即座に続けて行動するつもりでした。

あるお母さんから「うちの子も、いっぱい怒るからキライって言ってる」との返信を受けたことで、抗議行動への気持ちはヒートアップしていきました。

しかし、あるお母さんの返信が私を冷静にしてくれました。

「言い方はキツイけど、言ってる内容は間違ってない」

自分ひとりで考えていても思い至らない意見にハッとさせられました。

さらに他のお母さん、保育士さん、知人と話すなかで、その先生について

・子どもの良いところもよく見てくれている

・以前から厳しいが、毎年子ども達には人気がある

など、私が気づかなかったことや、

・男の子はとにかく優しい先生が好きだけど、女の子は厳格な先生を好きな傾向がある

・叱るところはきっちり叱らないとクラス全体が無法化する

などの一般論もとても勉強になりました。

結果として、爆発寸前だった不安は大きく減少しました。

先生との懇談会で知る、思いや人柄

不安は減少したものの、キツイ言い方が先生個人の感情に起因するのではないかという不安が残っていた頃、先生と親が参加する懇談会がありました。

懇談会では、その先生から

・この時期に子ども達が学ぶべきこと

・指導するうえでの考え方

・実際の指導方法

などが説明されました。

話の内容だけでなく、その話し方も含めて、私にはとても心のこもったものに感じられました。その様子から、今まで目にしてきた場面も一時の感情で怒ったのではなく、教育の一環として叱っていたのだと感じました。

冒頭のエピソードで、私は息子が一生懸命ドアを開けてくれて嬉しいと感じていました。しかし、ドアの開閉が禁止されているのは子どもの安全を確保するため。先生は、単に言いつけを守らなかったことを怒っているのではありませんでした。

日頃の送迎のわずかな時間だけでは、先生の行動のごく一部を見ているに過ぎず、その背景にある考え方まで正確に理解することは難しいです。

懇談会はそれを知る貴重な機会です。また、問題がある場合には直接話し合うこともできます。私は今後も可能な限り参加していこうと思いました。

今回学んだこと

私が当初抱えていた不安は、お母さん同士の会話と先生からの話によってほぼ解消されました。

わが子に関わることは、どうしても主観的になります。だからこそ、より一層客観的、多角的に判断するよう努めるべきだということを再認識しました。

今回は不安が杞憂に終わって幸いでしたが、そうではない場合もあると思います。

そのときでも、できる限り冷静に周りの人や先生との対話を積み重ねて解決していこうと心に刻みました。

<文・写真:ライター nekotaaya>