/ 2019.12.05

メールやSNSの普及により、年々、減少している年賀状。また断捨離ブームの流れから、人との縁や、形式的な年賀状のやりとりを見直す人も少なくないようです。

2020年は令和最初の年賀状であり、東京オリンピック・パラリンピックへの寄付金付き年賀状が発売されたり、何かと節目の年ですが、それでも発行枚数は過去最小となりました。

そこで今回は「リビングWeb」読者の主婦に、2020年の年賀状についてアンケートを実施。LINEやメール、SNSの利用も含め、変わりつつある“年賀の挨拶マナー”の実態を探ります。

出典:リビングWeb

※アンケート実施期間:2019/11/13~2019/12/02、有効回答数:599

年賀状、10人に1人が「送らない」

まずは2020年の年賀状、そして年賀状の代わりとしての「年賀LINE」や「年賀メール」を何通送る予定か聞いてみました。

※LINEはお年玉付きの有無に関わらず「年賀LINE」としています。

出典:リビングWeb

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年賀状を送らない(0通)と回答したのは、全体の約1割。10人に1人がもう年賀状を送ることをやめてしまったと考えると、少し寂しく感じる人もいるかもしれません。

一方で、LINEやメールを送る予定の人は半数近くに。3つとも送らないと回答したのは4.8%で、そこから喪中を除くとかなり少数派。年賀状からほかの手段にシフトしている人が多いようです。

●年賀状、減らしてます&卒業しました

・ここ3年で、年賀状を出す人数(枚数)は半分以下になりました。「これからも付き合いたい人」が目安です(たか/55歳)

・今年(昨年)から年賀状終了宣言をし、完全に年賀状を辞めてとても楽になった。互いに気を使って送ってた人もいたので喜んでもらえた。真似する人が続出したので良かったと思います(もりー/38歳)

・去年40歳を機に親族以外の年賀状をやめました。それまで150枚程書いてましたが、何となく意味のないものに感じ、思い切ってやめる選択をしました(みけおい/41歳)

・昨年、平成最後の年賀状に、以後はがきをやめる旨、付記して送った。親しい人はよく会うし、年賀状だけの付き合いの人は、そろそろどうでもいい。そもそも人付き合いが不得手だから、いろいろ縮小している(シンプルが一番/41歳)

・数年前にプリンターが故障。年賀状印刷にしか使っていないプリンターは利用回数が少ないためか3年で必ず使えなくなるので無駄な投資と判断。今年はプリンター故障のためと試しにメールとLINEで送ったら特にクレームもなかったので紙の年賀状は止めてしまいました(Junco/47歳)

自分は送らないけど…もらうとやっぱりうれしい年賀状

年賀状を送る枚数は減っているものの、自分がもらうのはうれしいのが人情というもの。「仲の良い人から届いたときの気持ち」を聞くと、以下のような結果になりました。

出典:リビングWeb

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年賀状をもらうと約6割の人が「とてもうれしい」と感じるのに対し、LINEやメールだと突然その半分以下に。なんとも身勝手な話ですが、手間暇がかかるからこそ、受け取る側の喜びもひとしおなのでしょう。

●年賀状って、いいものですね

・1年間まったく連絡をとっていなくても年賀状だけはくれる。その時だけでも自分を思ってくれたのかと優しい気持ちになります。だからこそ私も年賀状は大切にしています(カブ/34歳)

・いま子育て中で周りも子育てしてる子が多いのですが、なかなか会う機会もないため毎年、年賀状で成長を見るのを楽しみにしています。我が家も今年また1人子供が増えたので報告を兼ねての年賀状を出そうと思っています(あいりママ/32歳)

・毎年手書きで送ってくれている友人がいて、このような変わらない性格の人は付き合っていても変わらないので安心できる(shinzo/55歳)

・年賀状は普段はあまり会わない人のお互いの近況を知るうえで大切な気がします。年をとってくると、とくに思います(けっこうさん/62歳)

・年始の挨拶と、その後の数回やり取りだけつながっている友人がいるが、あまり介入せず、良い距離感だと思う。住んでる場所や職業など立場が違うので、会うより楽(はる/34歳)

・恩師や友人の懐かしい字や、家族の写真など、今は亡き人からの手書きの文字は大切な宝物になりました(ふっこ/56歳)

●年賀状、喜ばれてます!

・その年の旅行で撮った家族写真を毎年たくさん載せています。毎年みんなから楽しみにしてると言われてます(ともたん/41歳)

・年賀状の差出人は家族の全員の名前を書いているが、子供の名前の横には小3など学年も書き添えている。なかなか会えない友達や親戚には「もうこんな学年になったんだ」と思ってもらえて好評(hani/41歳)

・自分でデザインした年賀状を作成する。干支にちなんで、ダジャレを含んだ文章も入れる。年賀状を送るのをやめた人からも、「毎年おもしろいので、送ってほしい」と言われる(オレンジ/47歳)

年賀LINEやメールを送るベストタイミングはいつ?

年賀状の代わりといっても、LINEやメールは即時で届くという大きな違いがあります。年を越したらすぐ送るべきなのか、深夜に送るのは失礼にあたるのか…。相手との関係性によるとはいえ、悩ましいときもありますよね。

そんな年賀LINEやメールについて、送ってほしいタイミングを聞いてみると…。

出典:リビングWeb

「1月1日の午前」という回答が約半数に。ついで「年が変わってすぐ」「1月1日の午後」となりました。

●その気持ちがうれしい!「年が変わってすぐ」

・年齢を重ねるとみんな家庭を持っているので、友達にメールすることが本当に少なくなっている。そんななか、年明け早々にメールをくれるとうれしい(ゆっち/38歳)

・LINEという性質上、年賀の挨拶なら日が変わってすぐがいいです。 もともと改まったものではないですし(あまび/49歳)

・年が明けてすぐに届いたということは、年が明けてすぐに私のことを思い出してくれたのだとうれしく思いますし、今年もよろしくお願いします、と思います(JH/49歳)

やっぱり特別感がある!という人が多数でした。

●半数以上が選んだ!「1月1日の午前」

・夜中にもらっても、返事を出すのがちょっと面倒なので、朝ゆっくりしている時間に読みたい(チムラビット/59歳)

・年が変わってすぐは寝てると思う。 携帯の音で子供が起きたら嫌だから(はるママ/33歳)

・日付が変わってすぐに夜中だと迷惑なので、午前中だと元日感があるので(Mia/41歳)

・別にいつでも良いけれど、どうせなら届いた年賀状を見ているころに一緒に来ると年賀状っぽさがあるから(ぱっくりこ。/45歳)

家族のいる主婦にとって、深夜は迷惑になることも。年賀状と一緒に確認できる朝10時頃が、早すぎず遅すぎず、返信もしやすいと考える人が多いようです。また少々レアですが、こんな意見も…。

・すぐに返信できなくても、初詣行ってたとか寝てたとか、旅行してたとか適当に理由がつけられる。スルーしても他のに埋もれて忘れてたで飛ばせる(モコスケ/40歳)

なんともしたたかですが、思わず納得…。もらってうれしいだけじゃないのが年賀の挨拶。これぞ大人の生きる知恵といえるかもしれません。

●ゆっくり過ごしたい派が支持「1月1日の午後」

・年が変わってすぐだと、除夜の鐘に行っていたり家族と年越しを楽しんでいる時間ですぐに返信できないので、1日の午後ぐらいが少し落ち着いていてちょうどいいと思います(ちゃこぴん/37歳)

・落ち着いてゆっくり見れるから。1月1日キッチリ年が変わってから送らなきゃ!と、気合が入りすぎてない感じがいいから(ベルママ/33歳)

・1日の午後くらいが落ち着いていて返信もしやすいかな。深夜~午前中は家族との時間。0時に送られてうれしいのは、親きょうだい、恋人、親友くらいでは?(適度な距離感で/39歳)

・日付が変わってすぐは、家族とゆっくり過ごしたいので控えてほしいし、元旦の午前中は眠っているかもしれないので午後からゆっくりと送ってもらえるのが1番良いかと思いました(とと、29歳)

午前中は家族とゆっくり過ごしたいと考える人や、年越しは夜ふかしする人も少なくありません。生活スタイルを知っている相手なら、あえて少し遅めに送るのもよさそうです。

●お正月は忙しい!「2日」「3日以降」

・元旦は皆さんご家族に気持ちが向いてると思うし、4日からは仕事始めの方が多いので、少し落ち着いた三が日のうちの2日か3日に連絡がくると嬉しいです(かんた、58歳)

・年末年始はとても忙しいです。しかし、もらったら、こちらもなるべく早く送り返したいと思っています。年が変わって直ぐだと大変です(主婦らん、38歳)

・正月の三が日は忙しいからLINEやメールの確認や返信ができない。それに仲が良くてもお正月くらいは家族や親戚と過ごす時間を優先したい(ノッテ、42歳)

親戚が集まったり、旅行をしたり、人によってはとにかく忙しいお正月。早ければいいというものではないようです。

また、こんな意見もありました。耳が痛い人もいるかもしれませんね。

・年明けのタイミングとともに出してくるような人は、返信も早くもらうことを強要しそうなので面倒くさいです(ごじゅ、49歳)

何が正解なの?年賀状にまつわるマナーや悩み

●こんな年賀状はイヤだ

・やはり手書きで元旦にポストに届く年賀状は昭和育ちの私には嬉しいものです。ただの一言も記入のない、印刷だけのものは興醒めするので受け取りたくない(ビオラ/49歳)

・年賀はがきを出した友達からメールで年賀の挨拶が届いた。あまりいい気持がしなかった。自分は古い人間だなあと思うが、そう感じるんだから仕方ない(yunako/40歳)

・子供の成長を見られるのはうれしいが、実際はお友達本人の現在のほうが知りたい(ひらこ/46歳)

●年賀状の悩みあるある

・毎年、年賀状の一言が「お元気ですか? 今度会いたいですね」と定型文化しているのが気になります…(ごじゅ/49歳)

・年賀状だけの付き合いで、ご主人の名前で出したのに、奥さんの名前だけで帰ってきたとき、理由を確認できず、翌年、誰の宛名にしたらいいのか悩んでいる(hanao/55歳)

・年齢が上がるにつれ、昔の友人も年々年賀状だけのお付き合いになり、連絡をとることもなくなり、正直な気持ちとしては、年賀状の添え書きにすら、何を書いたらいいのかも悩むようになりました。そろそろ、年賀状以外でも連絡をとりあう仲である友人との付き合いを大事にし、義理だけの年賀状はだんだんやめてもいいのでは、とは思いますが、なかなか断るのも難しいので、相手から届いたら返事はしようとは思います(キキララ/50歳)

●年賀状、ここに気をつけてます

・年賀状に手書きでメッセージが書いてあるととてもうれしいので、自分が出す年賀状には必ず一言以上、手書きでメッセージを書くようにしています(アント/29歳)

・住所は必ず手書きにしています。文章はパソコンにて印刷しますが、思いを一筆します(縄文のヴィーナス/66歳)

・子供の写真を送ったこともあるが独身の友達、妊娠待ちの友達など、いろいろな状況があって気を使うので写真はやめました(みるくる/35歳)

・親友から、「子供だけの写真にはしないでね。私の友達はあなただから」と言われたことがあって、毎年、家族写真にしています(めぐちゃん/45歳)

年賀状を大事にする人も、やめた人も、「形式的なやりとりに疑問を感じる」という点では一致していることが感じられた今回のアンケート。どの項目でも、年代や子供の有無、働き方などによる差が少ないのも印象的でした。いつ、どんな手段で送るにせよ、新しい年のはじめに、相手を大事に想う気持ちを伝え合えたらいいですね。

なお、2020年の年賀状の引受開始は2019年12月15日(日)から。郵便局の公式サイトによれば、できるだけ12月25日(水)までに出してほしいそうです。

(ライター/ハヤシサチコ)