いきみ逃しの「テニスボール」

出産準備リストのなかに、必ずと言っていいほど書かれている「テニスボール」。

「陣痛中のいきみ逃しの時に肛門にテニスボールを押し付ける」という情報はありましたが、いまいちピンときていませんでした。

ほんとにいるのかなあ、どのタイミングで使うんだろう

でも不思議なもので、いざ陣痛も佳境に差し掛かると「今だ!肛門にテニスボールを!」と本能的にテニスボールを求めたのです。

陣痛室で付き添ってくれていた夫は「ついに出番だ!」とばかりにテニスボールで肛門を押してくれました。

陣痛の波が来るたびに全力で押してくれるのですが、だんだんと夫の力が弱くなってきました。「もうだめだ!手がプルプルして力が入らない」

でも夫が力を弱めると、わたしの腰が砕け散りそうになります。「弱い!もっと強く!」わたしも自然と命令口調に。

すると夫がおもむろに体勢を変え、いきなりまた力が入るようになりました。そして「手の力で押してもだめだ。スクラムを組む要領で全身の力を伝達するんだ」と陣痛の合間に解説してくれました。

その後、子宮口が全開になるまで何時間もかかったのですが、おかげで無事に出産することができました。元ラグビー部の夫とテニスボールに感謝しています。

この記事を書いたライター

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かめかあさんさん
絵日記・漫画家

ちいさなアパートで3人+リクガメで暮らしています。結婚10年目の2019年8月に、息子ごんさんを出産しました。妊娠中からインスタグラムで絵日記を描いています。コーヒーとハンドメイドとおうちが好きです。

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