2017.09.19 / 2017.09.25
子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。17回目は「子どもが本当に望んでいたこと」について。
子どもにプレゼントしてはいけなかったもの
習い事に毎日通い、自分がやりたかったスポーツもし、お母さんに言われるがまま塾にも通い、スケジュールがいっぱいだった子どもの話は前回書きました。
その子が本当に望んでいたことは何だったのでしょうか?
小さい頃は、自分で本当にして欲しいことが分からなかったり、実は分かっていてもお母さんに言えなかったりするものです。素直な子どもは、親が言っていることが自分の望みだと勘違いする子どももいます。
そして、ある程度大きくなって(高校生が多い)自分が望んでいたことはこんなことではなかったと気付く子どもに何人か会いました。
その子は、とても素直で好奇心も旺盛。やる気もいっぱいあったのに小学6年のあるとき、全てのやる気をなくしたように思います。
すべての習い事を辞めてしまった後、中学受験をし合格したのですが、そこで親は大きな間違いをしてしまいます。
お祝いにiPadプレゼントしてしまったのです
あげるタイミングも、あげるものも最悪でした。なんでもタイミングが重要で、毒にも薬にもなります。
iPadをもらった後の中学生活は?
そこからはゲーム三昧。
親に言われて塾にも通うのですが、人数の多いクラス。一番後ろの席に座り、友達と隠れてひたすらゲームをしていたそうです。
さぞかし塾に通うのは楽しかったでしょう。だって、勉強しに行くのでなく、友達とゲームをするのですから!
すべてのやる気をなくしているときにiPadを買って与えてしまったのは、最悪です。それから6年間ゲームにはまって勉強はおろそかになります。
それ以上にひどいのは生活が乱れてしまったことです
夜中までゲームをしてしまい、学校ではずっと寝ていたそうです。優秀な子だったので学校の授業聞いていたら多少勉強についていけたと思うのですが、ずっと寝ているので授業も聞いていません。家でも勉強していません。
学校でビリになるのも当然と言えば当然の成り行きでしょう。
子どもが本当に望んだことは
高校3年生になった彼が振り返って言ったことは、
習い事の送り迎えでお母さんも忙しかったのだと思う。でも習い事よりも何よりもおいしい食事を作って、食べさせて欲しかった。
教えてくれたのは
- 楠本佳子さん
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「こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら