/ 2021.07.14

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お話を聞いたのは

田中和之先生九段下スターデンタルクリニック理事長

確かな技術・痛くない・待たせない・丁寧な説明”をポリシーに診療を行う九段下スターデンタルクリニックの理事長。審美歯科医歴20年、審美歯科の症例数は1万症例を超えている。
▶九段下スターデンタルクリニック

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乳歯が生えてくるタイミングと特長

乳歯は、生後6カ月ごろから生え始め、その数は20本です。2歳頃には生えそろい、6歳頃から抜け始めます。

また、乳歯はすきっ歯が正常です。乳歯がすきっ歯でないな、と感じたときは歯医者さん(できれば小児歯科)に相談することをおすすめします。

乳歯のハミガキのポイント

永久歯は歯と歯の隙間が虫歯になりやすいですが、乳歯は歯の表面が虫歯になりやすいです。したがってハミガキをがんばるべき場所が違います。乳歯は永久歯の萌出を導く役割があります。そのため、乳歯が虫歯によって小さくなると、乳歯が動いてしまい、永久歯が萌出するときにスペースが足りなくなることがあります。乳歯の虫歯を甘く見ていると永久歯の歯並びに影響が出てしまうのです。

※歯の萌出…歯が生えること

乳歯が抜ける前に永久歯が出てしまうことはあるの?

乳歯が抜ける前に永久歯が出てきてしまう、ということもあります。乳歯の歯根に沿って、乳歯の歯根を吸収しながら永久歯が萌出するのが正常ですが、それが上手く行かないと内側から萌出することがあります。

乳歯がまだ残ったままで、内側から永久歯が生えてくると「大丈夫なの?」と心配になると思います。このときに大事なポイントとなるのが「乳歯の歯根が吸収されているかどうか」です。

内側から生えてきてたとしても、乳歯の歯根がきちんと吸収されていれば、時間が経てば自然と乳歯は抜けます。

吸収されるべき乳歯の歯根が吸収されていない場合は、永久歯が生えてきているのにいつまで経っても乳歯がなかなか抜けない、という現象が起こります。

ちなみに永久歯の先天欠損などでまったく乳歯の歯根が吸収されない場合、個人差はあれどその乳歯は高齢者になるまで活躍することもあるのです。乳歯といえども歯根が吸収されなければ相当丈夫なのです。

乳歯を抜かなければいけないときはどんなとき?

上記に説明したとおり、乳歯の歯根が吸収されてない場合は、乳歯を抜かなければいけません。乳歯の歯根が吸収されてないと乳歯は自然には抜けません。それにより、スペース不足により永久歯がきちんと並ぶことができないので乳歯を抜かなければいけません。

同じように内側からはえてきてるように見えたとしても、肉眼では歯根が吸収されてるかどうか分かりませんから、歯医者さんにみてもらうほうが安心です。

内側から生えてきた乳歯。歯並びが心配

乳歯が内側から生えてきてしまうと、歯並びは大丈夫なのかと心配になりますよね。永久歯が内側から生えたとしても、乳歯が抜けて歯が並ぶスペースがあれば、舌や頬の筋肉の力によって徐々に歯の並びがそろっていくこともあります。

様子をみながら、歯並びについても心配であれば歯医者さんに相談してみましょう。

歯の生え変わり時期に気を付けたいこと

生え始めたばかりの永久歯は虫歯になりやすいのでフッ素入り歯磨き粉を使いましょう。

子どもの歯並びを治すために、「床矯正」という取り外しができる床矯正装置を使ってあごを広げ、デコボコした歯並びを矯正しようという治療法があります。

適応症が限られるため一般的ではないですが、ピタリはまれば良い治療法でもあります。

床矯正はやるなら7歳か8歳ぐらいしかチャンスがないので、歯医者さんで「将来矯正治療が必要になるかもね」のように言われたことがある場合は、5歳~6歳ぐらいで床矯正を取り扱っている小児歯科に1度相談をして診てもらうと安心です。