2017.10.23
子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。21回目は「子どものお手伝い」について。
お手伝いの効果とは
お手伝いは、小さい頃からぜひ積極的にやらせてあげてください。たくさんの利点があります。
- 家族の一員としての「責任感」をもてる
- お手伝いを通して「体験」をすることができる
- 人生、勉強につながる「知識」がつく
小さいお子さんなら、食べた食器を流しに運ぶというお手伝いはどうでしょう。落としても割れないようプラスチック製の食器にします。
毎日、運ぶのを当たり前にすると、小学校、中学校、高校でもやり続けてくれます。
そして、大きくなったら自分のものだけでなく、食事のときに出ている他のものも片づけてくれるようになります。
料理のお手伝いは、物事を要領よくこなしたり、段取りを考えたりと学ぶことがたくさんあります。
保育園で子どもたちタマネギの皮むきをさせたら、嫌いだったタマネギを食べるようになった、という話も聞きます。
何より、食事は生きていくうえで欠かせないものです。もし親が病気になったり、万が一のことがあったら、子どもはたちまち困ります。
また、大学生や社会人になって、ひとり暮らしをするようになったからと言って、いきなり料理を作れるようになるわけではありません。
お手伝いが勉強に効果あり !?
日頃からお手伝いをしていると、将来、子ども自身が生活するのに困りません。それだけでなく、勉強にもちゃんとつながります。
中3の数学を教えていたときのことです。「直方体の展開図を書きなさい」という問題で、変な図を書く子がいました。
そこで、自分が書いた展開図を切り抜いて、実際に組み立ててもらったところ、その子はあまりのひどさに笑い出しました。
日頃見慣れない形なら、わからないのも理解できます。しかし直方体は、つまり普通の箱です。箱を平らにした経験がないのでしょうか?聞いてみると、やはりまったくしたことがないそうです。
空になった菓子箱や段ボールなどをつぶす。それだけのことでも、箱が平らになったらどんな形になるかを知ることができます。
机のうえだけで勉強していると、すんなり頭に入ってこないことも、実際に経験することで身につきます。
最初のうちは、手伝ってもらうだけでも手間がかかります。失敗もするでしょう。でも、すべて子どもの体験となり、そこから必ず学びがあります。
そして何より、子どもをお手伝いのエキスパートにしてしまえば、親は楽になるのです!
この記事を書いたライター
ライター一覧- 楠本佳子さん
-
こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら