先取り貯蓄をすべきと思っていても、「お金があるだけ使ってしまう」というママ。お金のプロのアドバイスは、今回はちょっと厳しめです。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
260,000円
ママ
320,000円
月間支出
住居費
130,000円
保育料・教育費
25,000円
保険料(収入保障保険、終身保険など)
68,000円
水道・光熱費
26,000円
通信費
20,000円
車費
20,000円
ママお小遣い
40,000円
パパお小遣い
40,000円
その他(カード払い/食費・日用品・レジャーなど)
211,000円
月々の貯蓄
貯蓄
なし
ボーナス時収入(年間)
収入
なし
現在の貯蓄
貯蓄
1,000,000円

ミニアドバイス

収入保障は夫婦とも第3子が成人する55歳までにして、月額10万円に縮小を。万一のときも終身保険や遺族年金があり、住宅ローンもなくなるので、さほど心配ありません。ネット保険なら月々の掛け金がパパ3600円、ママ3000円くらいに。医療保険は夫婦とも入院一時金や特約を外すと各自1300円くらい、パパのガン保険を定期にすれば700円くらいに。これで1万3500円が浮く計算です。

advice 1このままでは大学進学は無理。月8万円浮かせて

現状のままでは、中学受験も大学進学も無理。何かあれば家計が破綻する危険な状態です。今回は3人分の公立中高、国立大学の学費がまかなえるという、「最低限の見直し」をします。

直近の目標は、子どもの大学入学までに各自300万円と、何かあったときの予備費を300万円貯めること。それには月50万円でやりくりし、毎月8万円を浮かせる必要があります。通信費は月5000円減、保険は月1万3500円減するように見直しを。カード払い分は15万円以下になるように節約して。用途をきちんと把握すれば必ずムダは見つかります。

advice 2つみたてNISAと毎月自動入金で先取り貯蓄

8万円を浮かせたら、学資と予備費に振り分けます。第3子の学資はドル建て保険で330万円確保済み。第1子は学資保険の200万円があるので、毎月1万500円ずつ8年間積み立て、100万円を用意します。第2子は低解約返戻金型終身保険の90万円があるので、毎月1万7500円ずつ10年間積み立てて、210万を用意します。これで3人とも300万円ずつ大学費用の用意が可能。それぞれパパとママの「つみたてNISA」で積み立てるのがおすすめです。

浮かせた残りの5万2000円は予備費。ネット銀行に口座開設し、毎月自動入金で貯めましょう。

浮かせた約8万円を学費&予備費として貯蓄

支出 Before After
保険料 68,000円 54,500円
通信費 20,000円 15,000円
その他 211,000円 150,000円

result厳しい状況を理解して家計の体質改善を

まずは現在の厳しい状況を理解して散財をストップ。習い事なども安易に始めないように注意してください。予備費が300万円貯まったら、次は住宅ローンの繰り上げ返済を60歳完済まで縮めて。その後、収入が増えて学資を増やせれば、私立大学も可能になるかもしれません。今からしっかり引き締めて、貯蓄できる体質に改善しましょう。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

FP事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。

※この記事は、2021年5月発行の「ぎゅって首都圏版6月号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko