「子どもの教育費をしっかり準備したい」「子どもが小さいうちはパートで働きたい」と親心に揺れるママに、お金のプロがアドバイスします。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
310,000円
ママ
190,000円
児童手当
15,000円
月間支出
住居費
124,000円
保育料・教育費
40,000円
保険料
30,000円
水道・光熱費
30,000円
通信費
15,000円
ママのお小遣い
31,000円
パパのお小遣い
35,000円
食費
100,000円
レジャー・車費
30,000円
日用品・医療費
40,000円
奨学金
40,000円
月々の貯蓄
貯蓄
0円
ボーナス時収入(年間)
パパ
1,000,000円
ママ
840,000円
ボーナス時支出
保険料など
690,000円
ボーナス時貯蓄
貯蓄
1,150,000円
現在の貯蓄
貯蓄
1,500,000円

ミニアドバイス1

第1子の学資準備にパパの終身保険を利用していますね。第2子が生まれて同様にする場合は、ママの死亡保障を兼ねてママ名義で加入しましょう。

ミニアドバイス2

ジュニアNISAは2023年に制度が廃止されるので、教育費の積み増しには、つみたてNISAがおすすめ。月3万3000円を先取り貯蓄のつもりでつみたてNISAに入れ、その分、食費や日用品を節約して。

advice 1家計を分担するママには死亡保障が必要

まずはママの保険内容から見直します。住宅ローンがパパ名義なので、パパに万が一のことがあれば団体信用生命保険でローンはなくなりますが、ママに万が一のことがあってもローンはそのまま。家計は非常に厳しい状態に陥ります。夫婦で家計を担っているご家庭は、ママにも死亡保障をつけましょう。子どもが2人なら、遺族年金と遺族厚生年金で月10万円ほどもらえるはず。収入保障保険で10万円を確保すれば、月20万円になります。掛け金は月2000円弱程度です。教育費を手厚くしたければ、保障を月15万円にしてもいいでしょう。

advice 2私立大医学部に備えるには3000万円以上

「子どもが望むなら、どんな進路でも叶えてあげたい」というのは親心ですが、私立大医学部の学費は6年間でおよそ3000~4000万円と高額です。一方、国公立なら350~400万円程度。私立大医学部までを想定するかはさておき、子どもが希望したときに、私立中高の約710万円、私立大の理系学部の約540万円、大学院(または留学)の約250万円まで出せれば、親として「かなり頑張った!」と言えるのではないでしょうか。教育費は上限を考えておかないと家計が破綻しかねないので、気を付けてくださいね。

節約分をママの保険&つみたてNISAに

支出 Before After
食費 100,000円 80,000円
日用品・医療費 40,000円 25,000円

result教育の選択肢を作るには正社員を続けて

ママは一時的にパート希望とのことですが、収入が減るとかなり厳しい家計になり、教育の選択肢も狭まります。両立が大変な時期は時短勤務にしたり、家事をアウトソーシングしたりして、なんとか正社員を続けて。その期間は貯蓄が増えなくてもOK。正社員のまま頑張っていれば昇給もありますし、生涯年収や年金額も違ってきますよ。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

FP事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。

※この記事は、2021年7月発行の「ぎゅって首都圏版8月号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko