ほめられると誰でもうれしい気持ちになりますよね。でも、「ほめる」には思わぬ落とし穴があることも。では、どのようなほめ方をすると、うまく伝わるのでしょうか?

子どもはほめて育てるとよいと言われています。確かに、ほめられると気持ちがいいし、やる気もアップしますよね。ただ、ほめ方が大げさだったり、多用しすぎたりすると、親の素直な気持ちがうまく伝わらないことも。実は、「ほめる」には、思わぬ落とし穴もあるのです。

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「ほめる」の思わぬ落とし穴とは?

ほめられたくて行動するようになる

いつもほめられていると、「ボク食器片づけたよ、えらいでしょ」「ママ、わたしってすごいよね」「ボクはいい子だよね?」とほめられることを期待します。そして、自分がしたいからではなく、ほめられたいからその行動をするようになることも。そうなると、ほめられないと、しだいにその行動をしなくなってしまうのです。

操作されているように感じる

ほめるときの常套句である「エライね」。この言葉はよく使いますよね。仮に、子どもにいつも片づけがしてほしいという気持ちがあって「おもちゃ片づけてエライね~」と子どもをほめた(持ち上げた)とすると、その下心が子どもにわかってしまいます。

子どもはとても敏感。そんなママの気持ちを察知して、「ママはわたしに食器を片づけてほしくてほめているんだな」と感じ、ママに操作されている気持ちになることがあります。

「ほめる」には評価が含まれている

あなたはどんなときに子どもをほめますか?ほめるのは、たいていの場合、子どもが良いことをしたときですよね。親は、子どもが良くできたと評価したときだけほめます。

つまり、親の期待どおりに行動しなければ、子どもはほめてもらえません。子どもは、自分のやることなすことが、常に評価されることを望んではいません。これでは、ほめられるかどうかを基準に行動するようになってしまうこともあります。

ほめられることがプレッシャーになる

子どもががんばり屋さんなほど、親に喜んでほしくてほめられることをしようとします。がんばれる間はよいのですが、がんばり続けていることが辛くなってくることも。これが、子どもにとってプレッシャーとなり、ストレスを与えてしまうのです。

とはいえ、「ほめる」ことが常に逆効果になるわけではなく、むしろ気持ちがこもった心からの「ほめ」は子どもの心に響きます。 では、子どもの心に届く「上手なほめ方」とはどのようなものなのでしょうか。

うまく伝わるほめ方とは?

子どもを「認めホメ」する

おすすめするのが、「認めホメ」。「ほめる」というよりは、「認める」という意識で声をかけていきます。たとえば、いま子どもが「やっていること」や「できていること」を認めてあげるような言葉をかけます。

  • 「お、○○をしているんだね!」
  • 「○○ができたね」
  • 「○○をがんばっているね」

このように、子どもの努力を認めてあげましょう。ママはいつもボク(わたし)を見ていてくれるという安心感は、子どものやる気を引き出します。

感謝の気持ちを伝える

「いい子だね」「おりこうだね」「エライね」と言う代わりに、次のような言葉で感謝の気持ちを伝えましょう。

  • 「助かったよ」
  • 「ありがとう」

子どもは、「人の役に立っている」「自分は認められている」「自分には価値がある」と感じることができ、自己肯定感が高まります。

表情、ジェスチャー、スキンシップで伝える

言葉だけでなく、親指を上げて「イエ~イ!」のポーズや、「やったね!」のハイタッチなど、ジェスチャーでうれしさやほめたい気持ちを表現します。また、子どもと目が合ったときに、ただニコッと笑うだけでも、ママの気持ちは伝わります。それ以外にも、思いっきり「ハグ」をしたり、スキンシップで伝えることもできます。

大げさな「ほめる」や「ほめる」の多用は、思わぬ結果になることもあります。素直な気持ちで感謝を伝えたり、子どもを認める「認めホメ」が、子どもの自己肯定感を育て、やる気を引き出します。

この記事を書いたライター

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佐藤麻依子さん

大学院3年生と大学2年生の男児2人の母。子育て&中学受験カウンセラー歴18年。「子育て3ステップ会話法®」を考案。著書『男の子のための魔法のこえかけ 3ステップしつけ法』。独自のコーチング講座や子育て心理学協会の「ココロ貯金®」講座を提供。イヤイヤ期・思春期・反抗期・受験期の悩みを解決します!

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