/ 2017.07.13

読者アンケート(※)によると、ママたちを悩ませる3大園トラブルは「保育園に行きたがらない」「保育士への不満」「子ども同士のケンカ」でした。そこで、子ども同士がケンカしたときの上手な対処法を保育士の井桁容子さんに聞きました。

お話を聞いたのは

井桁容子さん( 30歳・エンジニア )

いげたようこ/東京家政大学非常勤講師、ナースリールーム主任保育士。30年以上保育に携わり、多くの親子を見守ってきた。『「ていねいなまなざし」でみる乳幼児保育』(フレーベル館)など著書多数。『すくすく子育て』(NHK)、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)にも出演。

※あんふぁんぷらす調べ(実施期間:2015年1月10日~2月4日/回答数:318)

index目次

シリーズ記事

子どもが保育園に行きたがらない時の4つの対処法
保育士に不満がある時の上手な対処法とNG対応

こんな経験ありませんか? 「子ども同士のケンカ」エピソード

いつもケガをさせられてばかりいる。傷跡が残ってしまったものも。(東京都/2歳のママ)

やんちゃな男の子で、おもちゃの取り合いやケガが絶えません。(大阪府/1歳のママ)

【対処法1】ケンカの状況を正しく把握する

ケンカやケガがあったときには、園側からきちんと状況を説明してもらいましょう。子どもの言うことと違っているときは、「うちの子はこう言うのですが…」と説明した上で、納得できるまで保育士と話をするべきです。

ケンカは仕方ないものとはいえ、ケガに至ってしまうのは見守る大人の責任。心配なときは保育参観で状況を確かめてみるのもよいでしょう。

また、ケガをさせた相手が誰か分かる場合は、相手のママと顔を合わせたときに一言謝る心遣いも忘れずに。

【対処法2】次に生かせる気付きを子どもに与える

子どもたちは人とぶつかることで、相手の思いと自分の思いに気付いていきます。ですから、トラブルは学びのチャンス。

おもちゃの取り合いからケンカになった場合には、「『やめて』って言えればよかったね」など具体的なアイデアを提案してあげましょう。

また、「困ったときには先生に助けてもらうといいね」と伝えてあげたり、相手には自分にはないステキなところがあることも教えてあげると、心の成長につながります。

【対処法3】自分の子以外も見守ってあげる

“やんちゃ”な子は何かと非難されがちですが、実は教育で“やんちゃ”を作ることはできません。彼らが小さくまとまるか、はたまた時代を牽引するリーダーになるかは、周りの大人の関わり方が大きく影響します。

やんちゃな子に限らず、本当はみんなと同じことができるようになるより、その子にしかできないことを伸ばしてあげたいもの。ママたちが、自分の子以外もそういう目で見守ってあげられるようになるといいですね。

こんなときどうする? トラブルQ&A

questionトラブルの相手の名前を保育園側が教えてくれないときは?

answer基本的には園に任せる。

保育園でのトラブルは園内で解決する、ママ同士のトラブルを避ける、などの理由から相手の名前を伝えない園も多いようです。

基本的には園に任せる方向でよいと思いますが、子どもの口から名前が伝わることもあります。「子どもがこう言ってるんですが…」と先生に水を向けると先生側も話しやすいかもしれません。

questionうちの子はいつもケガをさせられてばかり。転園した方がいい?

answer子どもが園に嫌がらずに通っていれば大丈夫。

毎日のようにケガをして帰ってくると、ママは気が気でないですよね。

でも、一番大切なのは子どもの気持ち。子どもが園に嫌がらずに通っていて、保育士にきちんと気持ちを伝えられているならば大丈夫と思ってよいでしょう。

それでも、どうしても気になるときは、保育参観や面談を申し入れてみて。保育風景を見る中で感じたことなど、ママの気持ちが納得できるまで園側と話し合いましょう。

こんな対処はNG!「悪口を言う」「家でも怒る」

相手の悪口を言う

相手の子はもちろん、相手の親の悪口を他のママに言うのも厳禁です。悪口を言っても一時的にママがすっきりするだけで解決になりません。

むしろ相手の子のいい面を伝えてあげる方が、わが子にとって保育園が居心地よくなる早道です。

園でのことを家でも怒る

後から怒っても、子どもは何がいけないのか本当のところは理解できず、不信感を募らせるため逆効果です。

園でのトラブルは保育園に任せて、家では「そのときどう思った?」など、子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。

※この記事は、あんふぁんぷらす2015年6月号に掲載した記事を再編集したものです