/ 2017.07.13

読者アンケート(※)によると、ママたちを悩ませる3大園トラブルは「保育園に行きたがらない」「保育士への不満」「子ども同士のケンカ」でした。そこで、子どもが保育園に行きたがらないときの上手な対処法を保育士の井桁容子さんに聞きました。

お話を聞いたのは

井桁容子さん

いげたようこ/東京家政大学非常勤講師、ナースリールーム主任保育士。30年以上保育に携わり、多くの親子を見守ってきた。『「ていねいなまなざし」でみる乳幼児保育』(フレーベル館)など著書多数。『すくすく子育て』(NHK)、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)にも出演。

index目次

シリーズ記事

保育士に不満がある時の上手な対処法とNG対応
「子ども同士のケンカ」3つのトラブル対処法とNG対応

こんな経験ありませんか? 「保育園に行きたくないっ!」エピソード

● 泣いてお別れするときは、こっちも泣きたくなります。(神奈川県/0歳、4歳のママ)

● 休み明け、保育園に行きたがらずギャン泣き。「ママ、お仕事行かないでー」と言われると切ない。(千葉県/2歳のママ)

【対処法1】心地よい毎日のリズムをつくる

1~2歳くらいまでは特に、早寝早起きでいいリズムを繰り返してあげることが大事です。

朝食も着替えもせかさずに済むよう、登園の1時間前くらいには起床。そうすることで、子どもも前向きな気持ちを持つことができるようになります。

休み明けにグズる、という場合は遠出や夜更かしでリズムが崩れていることも。休みのたびはりきって出かける家庭もあるようですが、親の発散に子どもを付き合わせていませんか?

3歳くらいまでは遠出はせず、近所の公園で遊ぶくらいがちょうどよい刺激になるでしょう。

【対処法2】保育園を子どもにとって安心できる場に

ママがきちんと見極めてあげたいこと。それは、「子どもがちゃんと保育園で自分の思いを表現できているか」です。

怖がっていないか、無理にいい子になっていないか、そんな子どもの様子を察する余裕が保育士にあるかどうか。「行きたくない」と泣くのもひとつのシグナルです。

「うちの子は先生と信頼関係を築けていないかも?」と感じたら、すぐに園側に責任を押し付けるのではなく、一度保育参観を。その中で感じたこと、家庭とどんなギャップがあるのかなどを、保育園側と話し合い、共に解決策を探していきましょう。

【対処法3】子どもの思いに共感する

子どもが親を見ている時間は、親が子どもを見ている時間よりずっと長いもの。ママがイライラしていると、子どもはすぐに察して気を引こうとします。

そんなときは怒らずに、「ママに見てもらいたいんだね」と共感してあげて。「気持ちが伝わった」と思えば、子どもも落ち着きます。

また、3歳以上になると、お友達関係が理由の場合も。そんな悩みに寄り添ってあげるのもママの大切な役割です。園でのことをあまり話さないというケースでは、無理に聞き出そうとせず、まずはママから今日あったことなどを話してみましょう。

【対処法4】腹をくくって一日付き合う

「今日はあの遊びの続きをやるんでしょ?」「○○ちゃんにお手紙あげるんだよね」。そんな楽しい見通しを提案しても機嫌が直らないときは、ママも腹をくくるときなのかもしれません。

最近仕事が忙しくて家でも上の空だったな、など心当たりがあったら、「よし! 今日は仕事を休んで一緒に遊ぼう!」と子どもに付き合ってあげるのもよいでしょう。

一日が無理なら、半日、30分でも、子どもとの時間を真っ正面から楽しんで。いざというときにはママを独り占めできる、という安心感が子どもの気持ちを安定させてくれます。

こんな対処はNG!「モノで釣る」「子どもの話を批評する」

モノで釣る

いわゆる“モノで釣る”行為は絶対にNGです。

子どもは、実は大して欲しくなくても、ついご褒美に応じてしまうもの。結局、保育園に行きたくない理由は解決されません。

くせになると、周りの子に対しても、同じようなことをしてしまう子になってしまいます。

子どもの話を批評する

「先生の言うことをちゃんと聞いていい子にしてた?」など、否定的な探りや批評を続けると、子どもは自分の思いが表現できなくなり、やがて何も話してくれなくなります。

お風呂や食卓、寝る前の布団の中など、ゆったりとした空気の中で共感しながら話を聞いてあげられるといいですね。

※あんふぁんぷらす調べ(実施期間:2015年1月10日~2月4日/回答数:318)
※この記事は、あんふぁんぷらす2015年6月号に掲載した記事を再編集したものです