子どもが何か悪いことをしたら、親としてはしっかり謝ってほしいもの。でも「ごめんなさい」が口だけだと感じた場合、やってしまったことについてどう理解させればよいでしょうか。口だけの「ごめんなさい」に対する親の上手な向き合い方とは?

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本当に反省している?

やんちゃな男の子って叱られることが多いですよね。一度「ごめんなさい」と謝っても、舌の根が乾かないうちにまた同じことをくり返すことも。そんなとき「本当に反省している?」「ごめんなさいは口だけなのでは?」と思うことはありませんか。ちっとも反省していない様子にイラッとすることもあるでしょう。

子どもが何か悪いことをしたら、親としてはちゃんと謝ってほしいと思うもの。「悪いことをしたら謝る」ということをしっかり理解してほしいですよね。でも「ごめんなさい」が口だけになってしまうのは、子どもなりの理由があるのです。

「ごめんなさい」が口だけになってしまう4つの理由

1.本当に悪いことだと理解していない

叱られるとすぐに「ごめんなさい」と謝るわりには、また同じことをくり返すことがあります。親からすると口先だけで謝っているように感じ、心から反省しているようには見えないこともあるでしょう。このような場合、子どもはそれが本当に悪いことだと理解していないのかもしれません。

2.親の機嫌を取るために謝る

親の顔色をうかがったり、親の機嫌を取るために「ごめんなさい」と謝ることがあります。自分は悪いことをしていなくても、親の気分を害することを恐れてそのような行動を取ってしまうのです。いつ怒られるのかと不安や緊張が続き、おどおどした様子を見せる場合は、怒られることがストレスになっていることも考えられます。

3.その場をやりすごすためにとりあえず謝る

叱られたくない、怒られるのがコワイという理由で、その場をしのぐために謝ることがあります。これは防衛本能で、子どもなりの「怒られないための知恵」とも言えます。

4.親から謝ることを強いられた

親から「ごめんなさいは?」などと謝ることを強いられると、子どもは自分の意志とは関係なく、「ごめんなさい」と言うしかありません。無理に謝らせようとすると、「なぜ謝らなければならないのか」「どのようなことが悪かったのか」を子ども自身で考える機会がなくなってしまいます。

何が悪かったのかを理解させるには

では、何が悪かったのかをちゃんと理解させるために、親は子どもとどのように向き合えばよいのでしょうか。

まずは子どもの話を聞く

頭ごなしに「ダメでしょ」「ごめんなさいは?」と言ってしまうと、子どもは反省することを学べません。まずは、何が起こったのか、どうしてそんなことをしたのか、子どもの話を聞いてみましょう。話を聞いて子どもの気持ちが落ち着くと、親の言葉も受け入れやすくなります。

短くわかりやすい言葉で伝える

子どもは良いことと悪いことの判断が未熟なため、何が悪かったのかを親が教えてあげる必要があります。何が悪かったのかを教えるときは、できるだけ短く、わかりやすい言葉で伝えましょう。このとき、「子どものどんな行動で、親がどんな気持ちになったのか」を伝えると、より伝わりやすくなります。

たとえば、「バカって言われると、悲しいよ」「ぶたれたら、イタイイタイだよ」と親の気持ちを伝えます。こうすることで、子どもは「親を悲しませてしまった」「親に痛い思いをさせた」と理解することができ、自然と「謝ろう」という気持ちになります。単に「バカと言ってはいけない」「ぶってはダメ!」と叱るよりも、なぜダメなのかが伝わりやすくなります。

子どもが小さいと、まだ言ってもわからないだろうと思いがちですが、わかりやすい言葉で落ち着いて話せば親の気持ちは伝わるもの。親ばかりが話すのではなく、子どもの気持ちも聞き、コミュニケーションをたくさん取ることで理解できるようになっていきますよ。

この記事を書いたライター

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佐藤麻依子さん

大学院3年生と大学2年生の男児2人の母。子育て&中学受験カウンセラー歴18年。「子育て3ステップ会話法®」を考案。著書『男の子のための魔法のこえかけ 3ステップしつけ法』。独自のコーチング講座や子育て心理学協会の「ココロ貯金®」講座を提供。イヤイヤ期・思春期・反抗期・受験期の悩みを解決します!

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