時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回は、「Watch Me Play!」という子育て法について。

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親の気を引こうとする子どもを見て思ったこと

ある日のこと、バスで親子の様子が目に入りました。どこかの帰りらしく、仲良く並んで座っています。親はスマホにかかりっきりで、子どもはそれをチラチラと見ていますが、そのうちに窓を手で叩き出しました。

親がスマホ操作の合間に「やめなさい!」と数回注意したので止めましたが、次は舌をタンタンと鳴らし始めました。親はかなり怒った口調で「やめなさい!」と繰り返しますが、なかなかやめません。

そこでようやくスマホの操作を中止し、「それはやめてって言ってるよね!」と強く言いました。すると子どもは止めましたが、今度は子どもの方を向いた親の首元のネックレスを触り出します。これにも「やめて!」を連発、でも子どもは止めるどころか「触りたいのー!」と掴みます。何度かのやり取りの後、ついに「分かったわよ、ほら!」と言って、親は首からネックレスを外して渡しました。

この子どもが、聞き分けのないわがままを言っているのでしょうか?私には「かまってほしい!」という気持ちの表れに見えました。少し離れている時間を過ごし、迎えに来た親と話したり、甘えたかったのかなと想像します。

「Watch Me Play!」という子育て法

最近、時々耳にする「Watch Me Play!」という子育て法、映像で見たものですが、子どもの遊びたい遊びを1対1で見守る、そのことについて話すというのが基本だそうです。

その時間は5〜20分間と短く、そのかわり時間内は他のことをせず、子どもをしっかり見ていることが大切とのこと。忙しい日々の中、スマホや便利な家電などでマルチタスクがしやすくなった今だからこそ、子育て法として注目されているのかもしれません。

小さな子どもにとって、保育園でいやなことがあった時などの言語化はむずしくても、親との静かなひとときが気持ちを安定させる大切な時間になります。モンテッソーリ教育でも「子どもが選んだ活動」を、教師はそばにいて「口と手を出さず、手本を見せてあとは見守る」というのが基本です。

私自身、上の子の赤ちゃん返りが激しく頭を抱えていた時に、「1日5分」と割り切って(実際には長くなることもありましたが)、上の子とだけ遊ぶ時間を設けて、なんとか切り抜けたということがありました。今思えばまさに「Watch Me Play!」だったのです。

子どもはどんどん成長します。今日の5分、他のことはひとまず置いて、子どもを見守ってみませんか。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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