時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回は、「絵本の読み聞かせ」について考えてみたいと思います。

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絵本の読み聞かせは子どもにとって至福の時間

仕事と家事で忙しい毎日、絵本の読み聞かせの時間をとるのは大変!という声を聞きます。実際子どもたちに聞くと、親に絵本を読んでもらう機会は少しずつ減っているようです。

技術の進化に伴い、絵本の読み聞かせアプリや、声を記憶して読み聞かせるAIなどが開発されているようですね。ですが、絵本は決して内容を理解させるためだけに読むものではありません。視覚で「絵」を楽しみ、聴覚で「声」を楽しみ、触覚で「スキンシップ」を楽しむ、子どもにとって至福の時間なのです。

ですから、道徳的なことを学んだりする内容はもちろん大切ですが、もっと気楽に、抽象的な絵や思わず笑ってしまうもの、意味の分からない話、物が擬人化されているなど、大人も息抜きのつもりでおもしろがって読んでみるとよいのではないでしょうか。

日本昔話、世界名作童話なども、よく読むと、しゃべらないはずの動物やお地蔵さまがお礼に来たり、天まで伸びるつるが出てきたり、栗や臼が協力して仕返ししたりと、とてもおもしろい場面が出てきます。

毎回新しい話を読む必要はなく、気に入ったものを繰り返し読むことで、大好きな場面が近づくと一緒にワクワクする楽しみもあります。感情を共有することは互いの安心感に繋がると言われますから、「読み聞かせる」というより「一緒に読む」という感覚が持てるとよいですね!お母さんとお父さんの読み方の違い、膝の上の感触の違いや反応の違いも、子どもにとっては楽しいことです。

適当でも短い時間でも大丈夫!

読み聞かせのチャンスは寝る前という人が多いと思います。時間に余裕がない時には、「今日は1冊ね」と冊数を先に決めたり、「今日は忙しいからこの中から選んでね」と短い絵本にするなど、大人が苦にならない工夫をしましょう。

私もよく「早送りしまーす!」と好きな場面までわざと早口で読んだり、赤ちゃん用の短いものを「あなたが0歳の時に好きだった絵本よ」と紹介する日もありました。そんな風に適当でも短い時間でも、膝にのせて一緒に絵本を読んだ時間は、いまだに楽しい思い出として懐かしがってくれています。

絵本講師の人が、「登園前にグズる子には朝の絵本もオススメ」と教えてくれたことがあります。朝といえばとにかくバタバタ!時間通りにでかけるだけで精一杯なのですが、3分でも5分でも膝にのせて絵本を読む習慣をつけると、親も子も一息ついてでかける気持ちが整うのだそうです。

絵本を一緒に読む時間は、親が他のことをせず「自分に向き合ってくれる大切なひととき」なのでしょう。もちろんデジタルに頼る場面があってもよいのですが、こういった時間を重ねることが、子どもとの絆を作る一助になるのではないかと思います。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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