時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回は、子どもに片付けなどの「やり方」を教えるときに大切なことについて。

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子どもには口(言葉)よりも手(動き)で伝える

「目は口ほどにモノを言う」という言葉がありますが、子どもとの生活の中で目のコミュニケーションと同じくらい大切なのが、「手の動きで教えること」です。

1〜5歳くらいの子ども達と接する時、私は言葉をできるだけ少なくし、手の動きで「やり方」を伝えることを心がけています。例えばつみきを片付ける時、ガチャンと音を立ててしまう子には、わざとゆっくり手を動かして、静かにつみきを置いてみせてから、「できるかな?」と聞いてみます。

多くの子どもが真似をして静かに片付けることができますが、数回やると戻ってしまうことも多いので、機会を分けて繰り返し行います。片付けのたびに「静かに片付けて!」という言葉をかけるよりも、効果的に身につくと思います。

挨拶やお礼の仕方、読書や勉強習慣、身の回りの始末など、小・中学生になっても大人がやる姿を見せることと似ていますね。

大人を真似しながらさまざまなことを覚えていく

幼児期は心身ともに急成長を遂げるため、大人を真似しながらさまざまなことを覚えていく力が強いと言われています。これを「模倣期」と呼びます。また、興味を持った事柄にこだわって何度も繰り返しながら習得する、モンテッソーリ教育では「敏感期」と呼ばれる特別な時期でもあります。

例えば、紙をちぎる、つみきを積む、砂山をつくる、シールを貼るなど、まるで魔法にかかったように繰り返します。この時に言葉を使ってやり方を説明するよりも、手の動きをしっかり真似させるとうまく習得していくことが多いのです。

動画を見せるという方法もありますが、実物を使ってゆっくり見せると、子どもがどの方向からも見ることができ、細かい動きを理解しやすいのです。

「自分のことを自分でする力」につながる

このようにして習得する単純な動きの積み重ねが、やがて「自分のことを自分でする力」につながると考えれば、まず口(言葉)よりも手(動き)で伝えることが近道だと思います。大人同士のコミュニケーションでは言葉が優先されますので、言葉よりも動きで伝えることを意識できるとよいですね。

また、子どもたちの成長の速さにどう対応すればよいのか悩む人も多いと思います。「模倣期」や「敏感期」に大きな傾向はありますが、子どもによって違う場合が多く、「他の子はできることが、わが子はなぜできないの?」などと心配になることもあると思います。その子にはその子なりのタイミングがありますので、子どもの様子を見て、「今」と感じた時に試してみてくださいね。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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