「家計の全体像」を把握できていないために起こる、漠然とした不安。使途不明金の解決方法をファイナンシャル・プランナーがお答えします。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
300,000円
ママ
560,000円
児童手当(2人分)
10,000円

月間支出
住居費(ローン返済)
107,000円
食費(外食費含む)
100,000円
水道・光熱費
27,000円
保育費(学童保育料含む)
83,000円
教育費(習い事など)
24,500円
通信費(インターネット・携帯電話)
40,000円

保険料

 パパの医療保険
1,000円
 ママの医療保険
4,235円
 長女の医療保険
1,000円
 生命保険(数年分まとめて支払済)
0円

パパのお小遣い *1
180,000円
ママのお小遣い *2
20,000+?円
趣味・レジャー費
30,000円
貯蓄
140,000円
その他(子ども名義で積立)
10,000円

ボーナス時収入(年間)
手取り
1,000,000円

ボーナス時支出(年間)
旅行代
800,000円

現在の資産
貯蓄
12,000,000円
その他(積立型生命保険・株)
14,650,000円

*1 ミニアドバイス「パパのお小遣い」

旅費や不定期の出費をパパが補助しているなら、自由になるお金は18万円よりもっと少ないはず。パパが月々に負担する分を固定化し、はっきりさせて、家計を“見える化”して。

*2 ミニアドバイス「ママのお小遣い」

現状では、ママのお小遣いは自分の口座からの引き落としで、毎月の金額があいまいとのこと。化粧品代、ヘアサロン代、交際費、ランチ代などもお小遣いに含め、使い過ぎを防ぎましょう。

advice 1使途不明金をきちんと把握し不安を解消

貯蓄が24万円となりましたが、実はまだ使途不明金が隠れていそうなK・Sさんの家計簿。最近はアプリで簡単に家計簿がつけられますが、難しければ「年収ー貯蓄分=年間で使っている金額」を月割りし、ひと月にかかる全体の金額を出します。

通帳をチェックし、クレジットカードの使用明細は印刷してマーカーを引き、「自分使用」「家族の生活のもの」「イレギュラーもの」と分けると家計が見えてくるでしょう。

advice 2住宅ローンの繰り上げ返済は期間短縮型で

住宅ローンの繰り上げ返済は、毎月の返済額はそのままで返済期間を短くする「期間短縮型」を選択して。72歳で完済予定のところを65歳の定年退職まで短縮すれば、老後の生活が見通しやすくなります。

実行するなら今のうち。長女が私立中学に入学し、次女の塾通いが始まるまでの間に繰り上げ返済したいところ。早めの時期なら利息をより多く減らせます。ローン返済のめどが立てば、教育費に集中できます。

使途不明金を見える化!

支出 Before After
パパのお小遣い(外食費含む) 180,000円 (マイナス130,000円)→ 50,000円
ママのお小遣い 20,000+?円 (プラス30,000円)→ 50,000円
貯蓄 140,000円 (プラス100,000円)→ 240,000円

resultパパは旅費を定額貯蓄、繰り上げ返済は今すぐ!

まずは、不安のもととなっている使途不明金を割り出すことです。その上で、パパが旅費用に毎月一定の額を貯金し、旅費全体も予算化しておくといいでしょう。

住宅ローンを7年分繰り上げ返済した後は、子どもたちの中学受験が始まるので教育費に集中して。毎月の貯金額も明確化し、すべてを把握できるようにしておきましょう。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「子どもの年代別大学に行かせるお金の貯め方」(PHP研究所)他。

※この記事は、2017年12月発行の「ぎゅって 年末年始号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko