わが子には「得意なことを身に付けて自信を持ってほしい」と思うのが親心。でも習い事をさせる時間がない…と感じている人も多いようです。この連載では、筑波大学教授の徳田克己さんをアドバイザーに迎え、親が子どもにできることを考えていきます。

question将来、理系科目を苦手としないためにできることは?

日本人のノーベル物理学賞受賞や、子どもの将来の職業選択の幅を広げてあげたい…など、子どもが理系に進むことに漠然と憧れを持ってしまいます。基礎作りとして幼児期にはどんなことができるでしょうか。

adviceイタズラは、科学的思考力を身に付ける第一歩!“こうやったらどうなる”を自ら学習させて

教えてくれたのは

徳田克己さん

筑波大学医学医療系教授。筑波大学発ベンチャー企業子ども支援研究所所長、教育学博士、臨床心理士。東京の私立幼稚園の先生や大学内保育所の責任者の経験も

子どものイタズラを見守って

子どもを将来理系に進ませたいからと言って、幼児期の子どもにいきなり算数の問題を解かせたり、難しい科学の知識を話したりしてもあまり意味はありません。大切にしたいのは、〝こうやったらどうなる?〟と仮説を立てて検証する力=科学的思考力を身に付けることです。

その方法として寛大に見守ってほしいのが、〝イタズラ〟です。物を落としたら割れる、袋を踏みつぶすと中身が飛び出る…など、親としては未然に防ぎたいこともあるでしょう。けれど子どもは、興味があるから触るのです。「触ると怒られる」という認識ばかり持って萎縮していると、科学的思考力や試行錯誤する力は伸びません。

もちろん、本当に大切な物を壊したり、人に迷惑を掛けるようなイタズラはNGです。年齢に合わせて、与える道具や場所を工夫するようにしましょう。