ワーママが働きやすい企業の制度や、活躍できる取り組みを担当者に聞く「突撃!キラママオフィス」。第一回目は、キリンの金惠允さん(人事総務部多様性推進室)に「なりキリンママ・パパ」プロジェクトについてお話を聞きました。

5人のワーママ実験がきっかけ

「なりキリンママ・パパ」プロジェクトとは、2歳前後の子どもがいる想定で、労働制限がある中で生産性を向上できるかという研修です。

きっかけは、5人の女性社員が異業種合同プロジェクトの一環で行った実証実験。当時、当社の営業部門のワーママは、全国でたったの7人でした。

ずっと働き続けたいと思う5人は、ママになっても働けるかどうか、定時出退勤や、保育園からの急な「お迎えの電話」の対応などを模擬実験。期間中は、毎日お弁当を作ったり、残業する場合はベビーシッターを利用したと仮定して費用を算出したりなど、徹底しました。

周りの協力を得ながら1カ月間実施したところ、その月の残業時間が約半分になり、業績は全国を上回る結果に。さらに、仕事の効率アップや、チームの相互理解など、うれしい効果も得られました。

取り組みを始めた5人

働き方を見習う動きも

今年2月からは、全社員を対象に展開することに。否定的だった人も、実際に体験すると「子育てってこんなに大変だったのか」と実感するとともに、ワーママの効率のよい働き方を評価。体験者のいる部署を中心に、会社全体の働き方改革につながっています。

また、「お迎えの電話」で早退した後の時間も無駄にしません。帰宅後の過ごし方のルールはないのですが、近所のスーパーで買い物の様子を観察してお客様のシチュエーションに触れる機会を増やしたり、資格の勉強や自己啓発など新しいことにチャレンジしたりと、多くの人が仕事の糧になる有意義な時間に充てています。

現在は、親の介護、パートナーの病気を想定したメニューも実施しています。会社全体が働きやすいということは、ママも無理なく働ける環境ということ。これからも広げていきたいです。