2018.06.20
時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「算数の第一歩」について。
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算数の第一歩!
本屋さんで売られている幼児向けのワークブックを見ると、早い段階から数式を解く問題が多く見られます。でも、どのように数を学べば良いのでしょう?
子どもの中には、例えば「5+3」を解くときに「ごー、ろーく、しーち、はーち」と指を折りながら、記憶した数字の並び順を唱える子が少なくありません。また、そうして繰り返す内に解答を記憶している子どもも多いようです。
たし算、ひき算までは唱えても記憶しても解きやすいのですが、桁が増えたりかけ算やわり算になったりしたときに、困難になっていきます。
幼児が数を学ぶときに大事なこと
数を学ぶときは、以下の3つが三位一体となっていることが重要だと言われています。
- 「数唱」=数を数えること
- 「数字」=数を表す記号
- 「数量」=数の表す実体物
よくある例で、お風呂に入りながら数を数えますね、これが「数唱」です。一緒に楽しく数えている内に大きな数までどんどん覚えていきます。
すると次はワークブックなどを使って、覚えた「数唱」と、それを表す「数字」を書き取ることで合致させます。ここで抜けやすいのが「数量」です。
文字で例えれば、「り・ん・ご」という字が読めても、本物のりんごを知らなければ、言葉を表すただの記号でしかありません。
この文字を読んだときに、りんごの色、形、感触、香り、味などがすぐに頭に浮かぶ子は「りんごを理解している」と言えます。「数量」はりんごの実物に当たる部分です。
例えば、以下のように実物で繰り返し体験をさせてみると良いと思います。
- お風呂にスーパーボールを浮かべ洗面器に入れながら数えてみる
- 2Lのペットボトルにジョウゴを挿して200ml計量カップで何回入るか数えてみる
- みかんの房やたまごボウロを数えてみる
- グミを3人のお皿に均等に分けてみる
- カップアイスを4人に分けてみる
- 駅の階段を上りながら何段あるか数えてみる
- 4人分のお箸が何本になるか数えてみる
実物で繰り返して「数量」を実体験することで、数の感覚が自然に記憶されていきます。
子どもは動きながら学ぶ
モンテッソーリは「子どもは動きながら学ぶ」と言う言葉を残しています。
私たち大人でも小さい頃の記憶は、実体験に基づいていることが多いですね。手や指、全身をしっかり動かして得た実体験の記憶は、脳に運ばれて知識として蓄積されます。
その後に、数字を見れば「数量」が理解でき、目の前に実物が無くても計算が出来る、という状態がおとずれます。
そうなれば唱えなくても、数式の解答を記憶しなくても、ちゃんと自分で考えて解けるようになっていくことでしょう。
この記事を書いたライター
ライター一覧- 荒井聖子さん
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SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。