/ 2017.06.22

せっかくの美味しい料理は、見た目も美味しく写真に残したいもの。そこで、3人の料理が得意なママたちが、フォトグラファーの櫻井健司さんに、スマホで料理写真を上手に撮る方法を聞きました。

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教えてくれたのは

櫻井健司さん

北海道出身、37歳。保育園に通う3歳の女の子、小学2年の男の子のパパ。2004年からフリーランスフォトグラファー・ビデオグラファーとして活動。

料理が得意なのに、撮影が苦手な3人のママが参加!

左から、カメラマンパパの櫻井さんと参加者のまつださん、すなみさん、みつかママさん

今回参加してくれたのは、料理は得意なのだけれど、写真はあまり得意じゃない!というぎゅってWebのレシピ公式ライターの3人のママ。

  • まつだひとみさんのお悩みポイント
    年中、小1、小6の3人のママ。料理が好きで、よく写真を撮るけれど、いつも同じ角度になってしまうのが悩み。撮る場所も、キッチンに限られ、明るさが足りなくて、撮った後はアプリで加工します。
  • すなみかずみさんの悩みポイント
    2歳半、年長、小4の3人の子どもたちが食事を今か今かと待ちわびているので、いかに手早く撮るかがポイント。自宅マンションは西向きのため自然光で撮るのが難しく、暗い場所で撮ってもキレイに写せる方法を知りたいです。
  • みつかママのお悩みポイント
    そもそも写真の撮り方が良く分からないんです。1歳半、年長、小2、3人の子どもたちの食事を作りながら写真を撮るのは至難の技。キッチンの小さなスペースが撮影場所ですが、キッチンツールが写り込んで、うまく撮れません。

皿は白が基本。料理写真は、撮りたい物を手前に置いて、できるだけ寄りで撮る

3人は、それぞれ持参した料理を皿に盛り付けました。ガラスの皿に煮豚を盛り付けたまつださん。普段通りに撮影をしてくれました。

と、そこで櫻井さん。
「まず、料理を撮る時は白い皿が無難です。ガラスのような透明の皿は暗く見えてしまいます。また、メーンの料理に彩りを加えるには、赤、緑、黄色などがあると色が立ってくるので、上手に撮れます。タレがある場合は、上からかけてキラリと光らせます。」

さらに、白髪ネギなどを上に乗せ、立体感を出すとより美味しそうに撮れるとのこと。ちょっとした工夫で、いつもの料理がグッと魅力的に!

ガラスの器に盛り付けた煮豚
白い皿に盛り付けて野菜を添えたもの

この違い、いかがでしょう?

「たとえば、定食を撮る場合、ご飯や味噌汁が手前にあると、メーンが奥に行ってしまいます。手前と奥を入れ替えて、目立たせたいもの、分かりやすいものを手前に置くのが撮影のコツです。撮りたいものにできるだけ寄る。蛍光灯は消して、スマホの画面上で感度を上げて明るくしましょう。」

半逆光で撮ること!光がやわらぐ窓際がベスト。レフを使って暗い部分を明るく

写真の明るさは、気になるところ。光と上手く付き合えば、明るい写真が撮れるはず!

「料理を撮る時は自然光がいいのですが、わざわざ太陽の下に料理を持っていく必要はありません。料理の斜め後ろから光を当てる半逆光で撮るといいですよ。

基本的には、一番写したいところにフォーカスして、斜め後ろから光が入るようにセッティングすること。白いカーテンなどで柔らかい光が入る窓際が適しています。多少、光が当たらない部分があったら、コピー用紙などの白い紙で光を反射させて、暗い部分を明るくします。」

つまり、斜め前あたりに料理や皿の影ができるのが理想的。その影を和らげるのに、白い紙などをレフ代わりに使ってみたママたち。その光の変化にどよめきが!「ただの白い紙で、こんなに光が変わるんだ~!」と、みんなビックリ。

自宅で酵母を手作りしているすなみさんのパン。愛情たっぷりだからこそ、美味しく撮りたい気持ちは当然のこと。

蛍光灯のもとで撮影したもの
窓際の自然光の差し込む場所で撮影したもの

まつださんのケーキも焼き型に入れてあるのもステキですが、櫻井さんのアドバイスで皿に置かず、まな板に直接置いたものを撮影。

焼き型に入れたまま
自然光で型から取り出したもの

スマホの写真編集画面で使う機能は、コントラストと彩度


そうは言っても、撮影のために料理を作るのではなく、お腹を空かせた子どもたちの口に早く届けたいもの。

「たとえば夜、部屋の中で撮影することもありますよね。撮影時に、画面をタップして明るくしたい部分の調整をしつつ、撮影後に編集機能で補正ができます。

画像編集の中で主に使うのが、コントラストと彩度。コントラストは写真にメリハリを付けたい時に使います。彩度は、色を出して、目につきやすい色にするのに使います。」

iPhoneの場合、写真を選択して、ゴミ箱マークの左が調整ボタン。おひさまのような「ライト」をタップすると、明るさやコントラストなどを編集するアイコンが現れます。また、彩度は「カラー」をタップすると出てきます。他の機種でも、写真の調整機能として同じものがあるはずです。

「上級者向けの編集機能として、シャドウというものもあります。これは影の部分だけを持ち上げるものですが、使いすぎるとメリハリがなくなるので注意。

また、使って欲しくないのは、スマホのズーム機能です。どうしても、画像が粗くなってしまいます。上手に撮るには、とにかく料理に寄ることです。」


「料理の撮影の際は、ランチョンマットなどは青系のものを使いません。料理が美味しく見えない色と言われています。細かな絵柄やイラストなどもおススメしません。

基本は、ナチュラルトーンでシンプルなものを。目に優しい色、ほかに影響しない色が撮りやすいですね。最近は、木目などが人気もあり、写真が格段にオシャレになります。」

ど真ん中 日の丸構図は避けて、撮りたい料理の中心を少しずらす

「ちょっとオシャレに見えるように、お皿は見切れてもOK。撮りたい物を中心に置く日の丸構図ではなく、中心から少しずらした方が納まりがいいです。

光や明るさが十分ある場合は、真上から撮るのもいいでしょう。真っ直ぐな木目を生かしたり、時には大胆に斜めからも撮ってみましょう。」

みつかママさんのいつもの撮影写真
撮りたい物を中心から少しずらして撮ったもの

まとめ

  • 半逆光または逆光で撮ること
  • 白い紙などをレフ板代わりにして暗い部分に光を起こす
  • 自然光などを取り入れて明るくする
  • 加工の時に明るさ・コントラスト・彩度で調整する

「料理は、作りたてを温かいうちに食べてもらうものなので、パシャっと撮ってすぐに食卓へ並べられるように、今まで以上に気軽に撮影ができるといいですね。」

作り手の気持ちを代弁してくれた櫻井さんの温かい言葉に、ママたちも笑顔に。さあ、美味しい料理を美味しそうに撮るテク、さっそく挑戦。