子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。48回目は「他人に子どもをほめられたときの受け答え」に関して。

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「大したことありません」と答えると…。

「子どものことをほめられて『大したことありません』と答えたら、子どもが不機嫌になりました。」

あるお母さんから受けた報告です。日本人にとって、謙遜は美徳。うれしい気持ちはもちろんあるのですが、ついこう答えてしまうことありませんか。

反対に、「うちの子、すごいんです」なんて言ったら、おごっているように見られるのではないか、親バカと思われるのではないか…。と心配になり、どうしても謙虚になってしまいます。

そのため、子どもの前でも「それほどでもありません」と答えてしまいます。

子どもに「謙遜」はわからない

子どもは他の人にほめられると、目を輝かせてお母さんの顔を見ます。でも、お母さんの受け答えを聞いてガックリ。みるみる目から輝きが失われ、やる気も失ってしまいます。

その日はずっとご機嫌ななめで、ふてくされたり、ぶっきらぼうになったりする子もいます。

お母さんとしては、子どももわかってくれているだろうと思っているのですが、これが実は意外とわかっていないものです。

ほめられたら謙遜するなんて、大人の常識であって、子どもは知らないのです。

子どもは、お母さんの言葉をそのまま受け取ります。お母さんは自分のことを「大したことない」と思っていて、いくら他人にほめられても、認めてくれないのだ、と思ってしまうのです。

言ってくれた人も、子どもも喜ぶ返事を

では、子どもがいるところで、自分の子をほめられたら、どう返事をすればいいのでしょう。

たとえば、

ありがとうございます。そのように言っていただけるなんて、この子もすごく喜びます。

こんな感じはどうでしょうか。

「そんなことありません」と否定したり、「そうなんです!」と自慢したりするよりも、子どものことを見ていてくれたこと、気が付いてくれたことに、素直に感謝すればいいと思います。

さらに、相手がうんざりしない程度に、子どもがどれだけ頑張っているかを話してもいいと思うのです。横で聞いている子どもは、ものすごくうれしく感じることでしょう。

お母さんが他の人に自分のことを自慢している、それは子どもにとっては、鼻高々なこと。そして、内心もっとがんばろうと思うかもしれません。

やはり、人に認められるのは大人でも子どもでも、誰でもうれしいものです。

そして大人が思っている以上に言葉に出してあげないと、子どもは、親がどんなに自分のことを愛しているか、心配しているか、自慢に思っているか、実はわかっていません。

積極的に言葉にして伝えてあげましょう。

ほめてくれた相手もうれしく感じ、子どもも喜ぶ言葉を選ぶことが大切です。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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