2018.07.23
子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。48回目は「他人に子どもをほめられたときの受け答え」に関して。
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「大したことありません」と答えると…。
「子どものことをほめられて『大したことありません』と答えたら、子どもが不機嫌になりました。」
あるお母さんから受けた報告です。日本人にとって、謙遜は美徳。うれしい気持ちはもちろんあるのですが、ついこう答えてしまうことありませんか。
反対に、「うちの子、すごいんです」なんて言ったら、おごっているように見られるのではないか、親バカと思われるのではないか…。と心配になり、どうしても謙虚になってしまいます。
そのため、子どもの前でも「それほどでもありません」と答えてしまいます。
子どもに「謙遜」はわからない
子どもは他の人にほめられると、目を輝かせてお母さんの顔を見ます。でも、お母さんの受け答えを聞いてガックリ。みるみる目から輝きが失われ、やる気も失ってしまいます。
その日はずっとご機嫌ななめで、ふてくされたり、ぶっきらぼうになったりする子もいます。
お母さんとしては、子どももわかってくれているだろうと思っているのですが、これが実は意外とわかっていないものです。
ほめられたら謙遜するなんて、大人の常識であって、子どもは知らないのです。
子どもは、お母さんの言葉をそのまま受け取ります。お母さんは自分のことを「大したことない」と思っていて、いくら他人にほめられても、認めてくれないのだ、と思ってしまうのです。
言ってくれた人も、子どもも喜ぶ返事を
では、子どもがいるところで、自分の子をほめられたら、どう返事をすればいいのでしょう。
たとえば、
ありがとうございます。そのように言っていただけるなんて、この子もすごく喜びます。
こんな感じはどうでしょうか。
「そんなことありません」と否定したり、「そうなんです!」と自慢したりするよりも、子どものことを見ていてくれたこと、気が付いてくれたことに、素直に感謝すればいいと思います。
さらに、相手がうんざりしない程度に、子どもがどれだけ頑張っているかを話してもいいと思うのです。横で聞いている子どもは、ものすごくうれしく感じることでしょう。
お母さんが他の人に自分のことを自慢している、それは子どもにとっては、鼻高々なこと。そして、内心もっとがんばろうと思うかもしれません。
やはり、人に認められるのは大人でも子どもでも、誰でもうれしいものです。
そして大人が思っている以上に言葉に出してあげないと、子どもは、親がどんなに自分のことを愛しているか、心配しているか、自慢に思っているか、実はわかっていません。
積極的に言葉にして伝えてあげましょう。
ほめてくれた相手もうれしく感じ、子どもも喜ぶ言葉を選ぶことが大切です。
この記事を書いたライター
ライター一覧- 楠本佳子さん
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こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら