夫婦間のちょっとしたすれ違いや悩みに、専門家がアドバイス。今回は、「子どもの発熱時、休むのは私ばかり。このまま働き続けられるか不安」という悩みへの対処法です。

お話を聞いたのは

高草木陽光さん(夫婦問題カウンセラー)

(たかくさぎはるみ)「HaRu(ハル)カウンセリングオフィス」代表。カウンセリング・相談件数は累計7000件以上。著書に「なぜ夫はなにもしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)

question休むのは私ばかり。 このまま働き続けられるか不安です。

3度目の産休・育休を経て、昨年の春に復職。職場は子育てに理解がありますが、最近忙しくなってきて、子どもたちが体調を崩すたびに早退したり、休んだりが難しくなってきました。

営業職の夫に頼んでも、「お客様がいるから」「予定があるから」と、なかなか対応してくれず、毎回ケンカに…。このまま働き続けられるか不安です。(Kさん・33歳)

Kさん保育園からのお迎えコールは私の携帯にかかってきますが、急な早退が厳しいときも。夫は営業職で休みが取りづらく、「俺は休めないから」と言われ、ケンカになってしまいます。

高草木幼い3人のお子さんを抱えて、忙しい毎日を送っていらっしゃるのですね。

せめてお子さんが突然発熱したときに、柔軟に対応してくれる人がいれば、それだけで精神的にも身体的にも、余裕が生まれそうですね。

Kさん私の親は働いています。夫の親はそばに住んでいますが、積極的には預かってくれません。夫に病児保育も提案しましたが、「かわいそう」と否定的です。

高草木本当にお子さんがかわいそうな状況というのは、ママの笑顔が消え、家庭内がピリピリとした空気になってしまうこと。

今後は「夫婦関係に亀裂が入るのを防ぐためにも、現在の自分たちには外部の協力が必要だ」ということを、熱を入れて説明してみてはいかがでしょうか。

answer新しい発想を取り入れて、負担・不満の解消へ!2つのポイントを実践してみましょう

【1】互いの負担や不満を確認改善策を話し合う

どちらか一方の精神的・身体的な負担や不満が大きくなりすぎると、相手のせいにしてしまいがち。お互いが負担・不満に思っていることを話し合い、どうしたら軽減できるか、具体的な対策を話し合いましょう。

【2】新たな発想を取り入れる工夫を

お互いを犠牲にしたり、押し付け合ったりする考え方を捨て、外部サービスやお掃除ロボットを導入するなど、新たな発想を取り入れる工夫をしましょう。

夫を説得する際は、サービスなどのメリットや特徴を徹底的に調べておき、「根気強く説明→夫の意見に耳を傾ける→意見を出し合う→まずは試してみる」というステップで進めるように、頭の中でシミュレーションを。

Kさん自分ばかり休んでいることへの不満、仕事を休みにくくなってきた現状を夫に伝えて、病児保育を使うことも理解してもらおうと思います。
高草木現状を抜け出すためには、まずは何でも取り入れて「やってみる」ということ。少しでも良い方向に向かうよう応援しています!

result実践!自分の現状を説明。改善策に納得してくれました

実践1 病児保育の利用方法や制度をしっかりと調べ、知人に経験談を聞いたりして、夫への説得材料をそろえました。

実践2 何度も休むと、自分の仕事に負担がかかることを訴え、病児保育のことも説明しました。夫が休めるときは休むこと、病児保育を利用することにも理解を示してくれました。

実践3 家事の分担のうち、自分が負担に感じていた、朝の保育園への送りを担当してもらうことに。また、保育園からの緊急連絡先を、「私の携帯→私の職場→夫の携帯」から、「私の携帯→夫の携帯→私の職場」という順番に変更。以前より、子どもの体調に関心を持ってくれるのではないか、と期待しています。

※この記事は、2019年2月発行の「ぎゅって首都圏版特別号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration KATSUYAMA Keiko