/ 2021.06.01

お友達同士のトラブルがあったり「ママ友って作らなくちゃいけないの?」と悩んだり。みんな経験があるのではないでしょうか。保育園でのトラブルや悩みについて、先輩ママ・パパの乗り越え方と馬場さんからのアドバイスを紹介します。

index目次

教えてくれたのは

馬場耕一郎さん

おおわだ保育園 世田谷豪徳寺 園長。保育園運営の現場に立ちながらら、厚生労働省子ども家庭局保育課保育専門調査官として、「保育所保育指針」の改定に携わる(2017年3月告示)。2020年より内閣府子ども子育て本部上席政策調査員に就任。

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<友達トラブル>子ども同士のけんか、かみつき

▶︎From先輩パパ
多かれ少なかれお友達とのトラブルがあると思います。子どもに聞いても、何があったのか教えてくれないことや、偏ったことしか教えてくれないことがあります。それがもと
で他の保護者とトラブルになることもありました。しっかり保育士と情報交換しなければならないので、日頃から保育士と話しやすい関係を築いておくことは大切だと思います。 [37歳・京都府]

▶︎From馬場さん
かみつきやけんかは、“ほぼ”全員が経験するものと思っていてください。意味もなくたたく子もいますし、突発的なこともあります。“お互い様”と考えられたらいいのですが、複数回あったときなど悩んだときは親同士で話すことは避けて、先生に状況を確認したり、相談したりしてくださいね。

<ママ友・パパ友>子ママ友って必要?作り方が分からない…


▶From先輩ママ
近所に知り合いがいなかったので、ママ友ほしいな、と思っていました。けれど、入園当初はなかなかきっかけがありませんでした。1~2年たった頃によく顔を合わせるマ
マと話すようになり、思い切って連絡先を聞きました。それ以降、とても仲良くなり、助けられています。焦らなくてもいいけれど、思い切って声を掛けてみてもいいのかも。[東京都・42歳]

▶From馬場さん 
友達って作ろうと思って作るものではないですよね。ママ友やパパ友がいないことを悲観しなくて大丈夫です。園生活の不安や準備物などの疑問は、遠慮せずに園の先生にどんどん聞いてください。

<withコロナ時代>他者とのコミュニケーション、経験・体験不足


▶From先輩ママ
コロナ禍でなかなか思うように出かけることもできず、さまざまな制限がありますが、保育園では季節に応じた遊び、食育や工作などさまざまな試みをやってもらえるので、子どものたくさんの成長を見られると思います。 [東京都・34歳]

▶From馬場さん 
マスクで表情が見えにくかったり、異年齢の児童との交流が減ったり、コミュニケーション力の低下は心配ですよね。コミュニケーションの肝は、相手に“伝わる”こと。伝えるだけではダメなのです。まずは親子間で“声・表情・アイコンタクト”をしっかり意識していきましょう。

先輩ママ・パパから新入園のママ・パパへの応援メッセージ

  • 完璧を目指さないで、最初は楽できるところはできる限り楽して、「子どもが元気でいてくれたら満点」と思って頑張ってほしいです。 [31歳・埼玉県]
  • 保育園でどう過ごしたかを保育士さんから聞いたり連絡帳を見たりすると、わが子の新たな一面を発見することができて、とても楽しいです。 日中保育園にいる分、家族で過ごす時間を良いものにしようとも思えるので、親子ともにいい経験になると思います。[32歳・千葉県]
  • 親が思う以上に子どもはたくましい。胸を張って仕事に行きましょう![32歳・千葉県]
  • 保育園の先生たちは本当に良くしてくださいます。何も心配いりません。子どもに寄り添って、ママも無理せず![37歳・ 大阪府]
  • 入園当初は、よく体調を崩していましたが、次第にたくましくなり、元気よく登園してくれるようになりました。[43歳・愛知県 ]

「生きる力」を育むために、保育園時代に大切にしてほしいこと

馬場さんからのメッセージです。

長い目で見守って

「今朝は食欲がない」「今日はいつもより寝付きが悪い」など、1回や1日の変化に一喜一憂しなくて大丈夫! 大人だって食欲や睡眠に波がありますよね。それが“生活”というものです。長い目で見守りましょう。

“泣く”経験も大切に

子どもが泣く前におむつを替えたり、おやつで機嫌を取ったり、子どもを泣かせないようにしている親御さんが増えているように感じます。けれど、子ども(特に赤ちゃん)にとって“泣く”ことは、自分の意思を伝える手段なのです。この経験がないと、“人に伝える力(プレゼンテーション力)”や自分で考える力が乏しい大人になりかねません。泣く経験も大切にしていきましょう。

“寄り”と“引き”の役割分担を

子どもを育てていく上で、夫婦の協力は不可欠です。一つ、今日からぜひ心掛けてほしいのが、“寄り”で見る目と“引き”で見る目の両方で子どもを見守ってね、ということ。ママもパパも真面目で丁寧なので、つい2人で細かいところに目が行きがちですが、俯瞰で見守ることも大切。夫婦でうまく役割分担できるといいですね。

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※この記事は、2021年5月発行の「ぎゅって6月号首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

イラスト:つたざわあやこ
写真協力:おおわだ保育園