/ 2022.03.10

今回は、フードスタイリストの田村佳奈子さんに、おいしい梨の見分け方やおすすめの食べ方、保存方法、切り方などを教えてもらいます。「離乳食にはいつから使えるの?」の疑問にもお答えします。

みずみずしくシャリシャリとした食感と、すっきりとした味わいが特徴の梨。水分が豊富で甘みがあるので、赤ちゃんも食べやすい食材のひとつで、離乳食にもおすすめです。

梨の成分の約90%は水分でできていますが、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養成分も含んでいる果物。漢方では「喉と肺に良い」とされています。

今回は8~10月に旬を迎える、おいしい梨の見分け方やおすすめの食べ方、保存方法、切り方などを紹介します。

おいしい梨の見分け方

以前梨狩りをしたとき農家さんに伺いました。梨は当たりはずれが多い果物のため、おいしい梨を見極めることが大切だそう。チェックするポイントは2つ、それは「形と重さ」

形が整っていて果皮に色ムラがなく、ずっしり重みがあるものがおいしい。水分がたっぷりと含まれているほうがおいしく、水分が多いということは重いということ。また、縦長の形よりも横に張りのある形のほうが、水分をたっぷりと含んでいる証拠だそう。

梨のお尻部分に甘みがたっぷりとつまっているので、梨の下部がはちきれそうなほど張っているものを選ぶと間違いないそうですよ!

梨の保存方法

梨は収穫したときが完熟した状態なので、残念ながらどんどん品質が落ちてしまいます。長持ちさせるためには、購入したらすぐに冷蔵庫や冷暗所に保存することが重要。冷蔵庫で1週間〜10日感ほど保存することが可能です。

また梨は乾燥にも弱いため、ひとつずつ新聞紙やラップで包み、保存袋で密閉するといいそうです。ヘタの部分を下にして保存すると呼吸を抑える効果があるので品質の劣化を防げるそう。

また冷凍保存については、半解凍くらいにしてシャーベットのように食べるのはおいしいですが、水分を多く含む梨は食感が変わるためそのまま冷凍するのは不向きです。すりおろしてペースト状にしたものであれば◎。

梨のおいしい食べ方

梨は冷やすことで糖分がアップします。おいしく食べるための理想の冷やし方は、食べる1〜2時間前から冷蔵庫で冷やすこと。梨をはじめりんご、ぶどう、スイカなど果糖の含有量が多いフルーツは冷やしたほうが甘さが増しおいしくなると言われています。

また梨には肉を柔らかくしたり肉の消化を助けてくれる酵素が含まれています。梨をすりおろして15分ほど肉に漬けると繊維が柔らかくなります。しょうゆをプラスして焼くと照り焼き風になり、優しい甘さに仕上がりますよ。

梨の切り方

みなさんは梨をどうやって食べますか?ほとんどの人がりんごのように皮を剥きくし切りにして食べるのではないでしょうか。ですが、梨の皮は剥かないほうがいい!皮や皮の周辺部分は栄養価が高く甘みが強いのです。

ビタミン、ミネラル、食物繊維のほか、免疫力を高めアンチエイジング効果のあるポリフェノールや疲労回復に効果のあるアスパラギン酸などの栄養が豊富に含まれているのです。

皮ごとでも食べやすいのは輪切りや棒状。

輪切りは、真ん中の芯の部分をクッキー型などでくり抜くとかわいいです。子どもと一緒に、いろいろな型で試してみるのも喜ばれますよ!

また、梨を切ると芯や皮の周りから茶色っぽく変色してしまうので、切ってすぐに食べない場合は塩水か砂糖水に漬けるのがおすすめです。塩水なら1カップの水に対し1つまみの塩を溶かしサッと漬ける。砂糖水なら1カップの水に対し大さじ1の砂糖を溶かし10分ほど漬ける。こうすることで変色を防げます。

梨の皮に毒性はありませんが、残留農薬が気になる方は流水でよく洗いましょう。それでも心配な場合は野菜用の洗剤で洗うのも良いと思います。また、ぬめりがある場合もありますが、それは梨特有のぬめり成分なので問題はなく、塩で優しくこするときれいに取れます。

離乳食にはいつから?

梨は離乳食初期から食べられます。水分が豊富で甘みがあるので、赤ちゃんが食べやすい食材の一つです。繊維が多いので、離乳食初期は胃腸に負担がかからないよう、梨の果汁を加熱させたものからスタートしましょう。

次にすりおろし、離乳食中期は3mm角くらいの大きさ、離乳食後期は5mm角くらいの大きさを目安に切ります。梨は生だと食べにくいので、離乳食完了までは加熱したほうが良いと思います。電子レンジで加熱したり、バターソテーにしてもおいしいですよ。

梨は他の果物に比べ比較的アレルギー性は低いとされていますが、まったくアレルギーの可能性がないわけではありません。離乳食で赤ちゃんに食べさせるときは、少量ずつ与えて様子を見るようにしましょう。

離乳食期のレシピはこちらにも掲載していますので、参考にしてみてくださいね。

▶やみつき注意!旬の梨が即席一品に。離乳食にもぴったりの「梨の白和え」

梨は栄養価が高く、上品な甘みと香りがありみずみずしくおいしい果物です。生はもちろんのこと加熱したり料理にも使えますので、いろいろな楽しみ方をしてみてくださいね。

この記事を書いたライター

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田村佳奈子さん

フードスタイリスト、フードコーディネーター、フードアナリスト。Web、雑誌、ドラマなどのレシピ開発やスタイリング、フードコーディネーターとして活動中。

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