物を減らしたいと思っても、どこから手を付ければいいのか、何を減らせばいいのか…と思うことがありますよね。スッキリした暮らしを手に入れるために、物を減らすときの考え方やコツを、整理収納アドバイザーのぽりこさんに教えてもらいました。

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物を減らしたいと思ったら始めやすい場所って?

買ったり、人からもらったりすることで、家の中には実にたやすく物が入ってきます。一方、家から物を出すのは、捨てるにしても譲るにしても、心身ともに労力が必要です。そうして、普段意識しないでいると、家の中の物はどんどん増えていきます。

家の中の物を減らすということは、1つ1つの物と向き合う必要があり、なかなか根気のいる作業です。まとめて時間が取れる場合は別ですが、家中すべてを一気にやろうとせず「今日はココ」「1回15分」など、向き合う場所や時間を決めて進めていくようにすると、無理せず続けることができます。

忙しくてなかなか時間が取れない人も多いと思いますが、少しずつでも取り組んでいけば、徐々にスッキリしていくのを実感できますよ!

どこから取り掛かる?

一番散らかって困っている場所から始めたいものですが、いきなり広い範囲に取り掛かるのはちょっと…という人は、引き出し1段分・衣装ケース1つ分など狭くて簡単そうな場所から始めるといいと思います。また、洗面所は思い入れのある物が比較的少なく、置くべき物の種類が限られているため、最初の一歩として作業しやすいことが多いです。

物を減らすときの基準は2つ

「物を減らそう」と思ったとき、「捨てる」ということに目が行きがちですが、実は「どういった物を手元に残すか」という基準を自分の中で決めることがとても大切です。その基準を自分の中に持った上で、家の中の物を改めて見直してみると、「なんとなく」持っている物が多いことに気付くかもしれません。

今回紹介する、実際に物を減らすための仕分け作業では、自分に必要な物を選び取って、選び取らなかったものは処分を検討する、というやり方をしていきます。ここからは、物を選び取る際の基準の例を紹介します。

1. 使っている物

まず1つめの基準は「使っているかどうか」です。今使っている物、1年以内に使った物、1年以内には使っていなくても、近いうちに使う予定がすぐに思い浮かぶ物を選び取ります。物の機能として「使えるかどうか」ではなく「自分が使うかどうか」です。

わが家のエコバッグの例。〇印が使っている物。

「全部使っている」と思う場合は、まず適正量から考える必要があります。服・タオル・文房具など、それぞれのアイテムについて適正量を考えて、残す量を決めるようにします。

2. お気に入りの物

2つめの基準は、「お気に入りかどうか」です。普段使っていない物でも、それがあるだけで気分が上がる・癒やされるなど、自分のお気に入りの物を選び取ります。

思い出の物などは、ただ「思い出だから」で取っておくと量が増えすぎてしまうので、一度お気に入りかどうかで判断してみるといいと思います。子どもの作品などは悩みがちですが、数が多すぎる場合には厳選したり体積を減らしたり(写真で残すなど)しながら、効率よく収納することを考えます。

子どもの作品を写真で残すという手も

お気に入りの物や思い出の物は、決まった場所に収まっているならそのままでもOKですが、たまに見返してみると「これはもういいや」と思える物もあったりするので、定期的に見直すのがおすすめです。

迷ったときに自分に問いかけてみよう

ここまでの作業で、使っている物・お気に入りの物など、自分の中の基準に照らして、必要な物を選び取ってきました。残りの物は、「もったいないから」「人からもらったから」などさまざまな理由で「なんとなく持っていた物」で、はっきりと言ってしまえば「なくても生活できる物」です。これらの物については、処分を検討します。

わが家のエコバッグの例。選び取らなかった物は処分を検討する

全部処分することを即決できる人は別ですが、1つ1つ処分の判断をしていきます。処分を迷ったときには、自分にこんな質問をしてみてください。

「もし今コレを捨てたら、その後また同じものを買う?」
「手間やお金をかけてでもコレを残したい?」
「コレにスペースを割くだけの価値はある?」

答えが Yes でないのなら、処分した後に困ったり後悔することはないと思います。

保留ボックス

すぐに決断ができない物は、一旦保留ボックスなどに入れておいて、一定期間が経過した後にもう一度見返して判断するのも1つの方法です。ただ、保留ボックスを放置するとそのまま家の景色になってしまうので、箱に期限を書いておくなどして、必ず後から見返すようにします。

「まだ使えるのにもったいない」と「自分が使う」は別の話

「まだ使えるのにもったいない」「物としてはまだ寿命が残っているのに、手放してしまうのは忍びない」という思いは、私も何度も経験してきたのでわかります。しかし、物として使えるかどうかと、自分が使うかどうかは別の話なんですよね。

「ずっと使わないで置いておく方がもったいない」
「自分が手放しても、他の誰かが使ってくれるならその方が物にとっても本望」

私はこう思えるようになってから、少しずつ手放すことができるようになりました。

よく言われることですが、「いつか使うかも」の「いつか」はまずやって来ません。それでも「いつか使える」と思う物は、「今」どんどん使っていきましょう!使いやすければそのまま「使っている物」になりますし、使いづらければやがて使わないようになり、処分を検討できるようになります。

処分の方法は「家から早く出す」ことを意識

手放すと決めたものを処分するには、「捨てる」のが一番手っ取り早いですが、見た目がきれいな物や、必要とする人がいそうな物は、「売る」「譲る」という選択肢もあります。とはいえ「いつか売ろう」「いつか譲ろう」と思ってずっと取っておくことになると、そこがまた物溜まりになってしまうので「家から早く出す」ということを意識するといいと思います。

物が増えづらい家に向けてルール決めを

タダだから・お得だから・記念だからと安易に物を増やすと、後で困ることも多いです。がんばって物を減らしても、それ以上に物が増えていたらせっかくの努力が台無し。家に入ってくる物の入り口を狭くする心がけも大事になってきます。

「おまけや粗品は極力もらわない」
「服は1枚買ったら1枚以上減らす」

など、物を増やさないためのルールを決めて、物が増えづらい家にしていきましょう!

この記事を書いたライター

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ぽりこさん

整理収納アドバイザー。小6女子と小3男子の二児の母。整理・収納・インテリアとお絵かきが趣味です。暮らしやすい家をめざして日々奮闘中!

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