昼寝させたくても寝てくれない、抱っこで寝てもおろすと起きてしまうなど、仕方なく抱っこのまま寝かせている人も少なくありません。昼寝は抱っこしたままでもいいの?というよくある疑問、そして解決法について乳幼児睡眠の専門家がお答えします。

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抱っこのまま昼寝させるのはあり?なし?

結論から言えば、月齢に限らず「あり」です!抱っこのままのほうが寝かせやすい、おろして起きられてしまうよりも抱っこしていたほうがラク!ということであれば、もちろんOKです!ただし、そうすることによるデメリットもあるので、知っておくことが大切です。

デメリット1.親の身体への負担が大きい

抱っこしたまま昼寝させることの1番のデメリットは親への負担です。抱っこ紐などサポートアイテムを使っていても、長時間の昼寝を抱っこのまま毎日するのは肩や腰への負担が大きいもの。また、起こさないように…と動きが制限されて、ごはんが食べられなかったり、トイレにもいけなかったりなど、ストレスがかかることも考えられます。

デメリット2.十分に寝切れない可能性

快適な寝室で寝ている状況とは異なり、親の動きや話し声など刺激を受けやすくなるため、子ども自身が「疲れが取れた」「寝切った」と感じる前に刺激で起きてしまう確率が高まります。仮にそのような状態で起床してしまうと、寝足りずグズグズしてしまったり、睡眠不足から夜泣きに繋がってしまったりすることも考えられます。

布団におりて寝てもらうにはどうすればいい?

布団で寝るためには、そこが自分の寝床であることを認識してもらう必要があります。まず言葉で「ここでねんねだよ」と伝えていきましょう。加えて「抱っこのままだとママの身体がつらいんだ。布団で寝てくれたら嬉しいなぁ」などと自分を主語にしたお願いを付け加えてもよいでしょう(iメッセージという手法です)。

昼寝の時間になったら、寝るための心の準備ができるように決まった就寝ルーティンを行います。ルーティンは絵本を1冊読むなど簡易的なものでOKです。寝室にいったら「さぁ寝るよ」とはじめから抱っこをするのではなく、スキンシップを取ったりしながら暗さになれていく時間をとり、気持ちが落ち着いたところで「おやすみ〜」と言いながら布団に置いてみましょう。

泣いてしまっても2〜3分は様子を見つつ(場合によってはトントンや「ねんねだよ〜」などの声かけをしながら)待ちます。泣きがひどくなるようなら、その後抱き上げてあやして、また少し弱まったところでおろしていきます。

これを、できれば2〜3回繰り返しましょう。最終的には抱っこで寝てしまったとしても、ぐっすり寝た後にそっと布団におろしてあげましょう。理化学研究所の研究によると、眠った後も8分ほどはそのまま抱っこしたままにしてあげると背中スイッチが発動しづらいとされています。

このように最終的に抱っこで寝かせてしまったとしても、繰り返し伝えることによって、布団が寝るところなのだという学習にはつなげていくことができます。徐々に抱き上げるまでの時間を伸ばしたり、できるだけ布団に寝た状態で様子を見る時間を長くしていくと、だんだんと布団で昼寝ができるようになります。

※夜の就寝時も抱っこで寝かしつけしている場合は、夜から練習するのが推奨です

こんな考えには注意

ねんねトレーニングの考えが浸透したことによって、「癖がつくから抱っこで寝かせてはいけない」という考えの人が増えてきているように感じます。しかし、当然ながら抱っこで赤ちゃんが寝るのは自然なことであり、いけないことでは全くありません。

「抱っこで寝かせてはいけない!布団で寝かせなければ!」「癖がつかないうちにセルフねんねにさせなければ!」そういった考えに追い込まれてしまうのは要注意です。

はじめは抱っこでしか寝なくたって当たり前。体重が重くなってきてつらい!というときには、そこから練習していくことだって可能なので、焦らず過ごしやすい方法を選んでくださいね。

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。個別コンサルテーションやねんね講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。日本初の乳幼児睡眠を専門に学べるYouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を立ち上げ、運営。その他にもInstagramやVoicyなどのSNSでも寝かしつけに悩む親向けの情報を発信中

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