ようやく過ごしやすい気温になり、公園遊びが楽しい時期になりました。子どもたちは登園途中や外遊びの時間に、葉っぱやどんぐりを拾っては遊んでいます。今回はモンテッソーリの現場から、落ち葉や木の実を集めて子どもたちと楽しむ方法を紹介します。

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集めて楽しい!遊んで楽しい!落ち葉や木の実

今年は9月下旬になっても厳しい残暑が続きましたが、ようやく秋らしく過ごしやすい気候になりました。公園の植物も少しずつ葉を落とし、どんぐり探しが楽しい時期です。

毎年この時期になると、子どもたちは登園途中の道すがらや外遊びの時間に、葉っぱや木の実を拾っては遊んでいます。色のきれいな落ち葉やどんぐりは集めるだけでも楽しいですが、ちょっとした工夫でさらに発展させた遊びにもなります。

ある日、子どもたちと公園を歩きながら探してみると、ほんの30分ほどでこんなに集まりました。

色や形を「比べる、分ける、並べる」

色を比べてみよう

色とりどりの葉っぱを集めたら、色ごとに分けたり並べてみます。

いろいろな葉っぱが集まりました
あれ、黒い葉っぱ?と思ったら鳥の羽でした

色のグラデーションを作ってみる

同じような色でも、葉の色は微妙に違います。注意深く比べながら濃淡に並べてみました。2枚ずつ比べて「こっちの方が薄い、濃い」と順番を決めていきます。

モンテッソーリには「濃淡の色板」という教具があり、子どもたちは同じ系統でも濃淡によって微妙な色の違いがあるということを学んでいます。

ちょっとした違いにもじっくり注目して、「ちょっと違うなあ」「同じかなあ」とやっているのです。この日も葉を濃淡に並べて楽しみました。

緑色のグラデーション
茶色のグラデーション

形に注目する

今度は形に注目してみます。葉っぱといってもさまざまな形がありますね。モンテッソーリには「リーフキャビネット」と呼ばれる教具がありますが、拾ってきた葉っぱを図形と比較して分類したり、名称を知るなどして学んでいます。

写真は一部ですが、左上から時計回りに「らんけい」、「へらじょう」、「やりさきけい」、「ほこけい」、「せんじょう」、「とうしんぞうけい」という名称です。

ここで重要なのは名称を覚えることではなく、葉のさまざまな形に目を向けて「どんな特徴があるだろう」「なんの形に似ているかな」と考えることです。散歩や遠足で見つけた葉っぱをよく観察する目を養う練習といってもよいかもしれません。

今日取ってきた葉っぱを似た形ごとに分けたり、並べたりしてみました。

円形、縦長、扇型、やじり型…いろんな形があります。取ってきた葉を似た形ごとに分類するのも楽しいです。「これと同じ形の葉っぱを探してみよう!」と子ども同士でお題を出しあって葉を探す遊びも人気です。

葉っぱを組み合わせて造形する

教室に帰ってきた後は、集めた葉っぱを組み合わせて造形を楽しみました。なるべくいろんな形の葉を取ってくると造形しやすくてよいですね。

公園では「おもしろい形を探そう」「きれいな色を探そう」「赤い葉っぱはあるかな?」などなど…子どもたちとお題を決めて歩くと、同じ場所でも普段と違った風景にであいます。

葉っぱを探している途中で、おもしろい虫やきれいな石ころを見つけるかもしれません。今日でかけた公園でも、カナヘビを見つけたり、真っ白な石ころを拾ったりしました。「わあ、こんなのあった!」「おもしろいなあ!」と子どもと一緒に発見する時間が一番楽しいひとときです。

おまけ「猫じゃらし」の遊び

エノコログサ、通称「猫じゃらし」

最後は葉っぱ遊びとは関係ありませんが、私の勤務園の子ども達が最近ハマっている「毛虫遊び」です。本物の毛虫ではなく、猫じゃらしに似たエノコログサを使った遊びです。

下の写真のように穂の部分を手のひらで軽く持ってニギニギすると、手の中で毛虫のように動いて見えます。そういえば私も子どもの頃に全く同じ遊びをしたなあと懐かしくなりました。

特に何がなくても素朴で楽しい自然遊び。みなさんも自由な発想で子どもと楽しんでみてくださいね。

この記事を書いたライター

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堀田はるなさん

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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