秋といえばすいせんやクロッカス、チューリップなどの球根の植物を植える時期です。私の勤務先では屋外で子どもたちと鉢植えをしますが、同じく室内ではヒヤシンスを水栽培で育てています。土なし・肥料なしで済むので家庭でも気軽に楽しく育てられますよ。

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やってみよう!ヒヤシンスの水栽培

秋口になって寒くなってくると、球根の中では花芽や葉になる部分が大きくなってきます。気温が18度より低くなる10〜11月ごろに育て始めると、年明けの2〜3月ごろに花が咲きます。

ガラスのベースを使って水栽培をすると、球根が水の中で根を伸ばす様子をじっくりと観察できます。花が咲くまでの長い期間、毎日少しずつ成長していく様子を見るのがとても楽しいですし、何より花が咲いた時の感動はひとしおです。ぜひ子どもと一緒に、かわいらしく良い香りのヒヤシンスの花を堪能してください。

道具を準備する

用意するのは、球根と水栽培用のガラスのベース、あとは水だけです。土も肥料も必要ありません。ヒヤシンスの球根は、秋口に園芸店やホームセンターで手に入ります。水栽培用の球根は土に植える通常の球根と基本的には変わりありませんが、水だけでも育つようにしっかり栄養を蓄えて、どっしりと重みがあるものが選ばれています。

水栽培用の球根

赤や桃色、紫、青、黄色など様々な花がありますので、好きな球根を選んでください。

こちらは桃色の花が咲く球根です
ひっくり返してみると既に少し根が伸びています

水栽培用ベース、花瓶

ホームセンターの園芸コーナーなどで購入できます。インターネットでも「水栽培ベース」または「水栽培花瓶」で検索するとたくさん出てきます。写真のベースはシンプルで比較的手頃な価格のものですが、もっとオシャレなものもたくさんありますので、好きなベースを探してみてください。

球根をベースにセットする

ベースに水を入れて球根をセットします。球根が少し水に浸るくらいの量にしてください。

水を入れたら球根を置いて水の量を確認します。多すぎると球根が腐ってしまうので注意しましょう。球根のお尻の部分が少し浸る程度になっているかチェックしてください。

球根をセットしたら、次に光を遮断するために黒い覆いを被せます。黒画用紙でカバーを作りました。

これで球根は地中に埋められていると勘違いをして根を伸ばし始めます。ベランダなどの少し寒い屋外で育てるか、部屋の中なら窓際の直射日光が当たらない場所に置きます。ベースの底まで根が伸びるまでカバーをしたまま育てますが、時々根の成長を観察してください。

※メーカーからは週に1度の水替えが推奨されていますが、生育がうまくいっていれば水を変えなくても元気に育ちます。様子を見て調整してください

成長する様子を観察しよう

カバーをかけて育てていますが、時々中を覗いてみます。水の中で少しずつ根が伸びていく様子を見るのはなんとも不思議で楽しいものです。最初のうちは、「まだかなあ」「まだ伸びてないなあ」と子どもが頻繁に覗いているのですが、そのうちすっかり忘れてしまって数週間…すると知らない間にぐんぐん伸びていて、次に開けた時には白い髭のような根がガラスの中でぐるぐる回っています。

根が伸びたら

「すごく長く伸びているよ!」「おもしろいねえ」育て始めてから1カ月ほどで根がベースの底につくほど伸びました。ここまで根が伸びたら、あとは黒い覆いを外して育てます。ヒヤシンスはたっぷりの光を浴びて、上へ上へと茎を伸ばし始めます。

しばらく経って観察してみると、だんだん茎が伸びてきました。

そうして年も明けた2月ごろ、ついに花が咲きました。

「咲いてる!」

ピンク色の花がとってもきれいです
よくみると小さい花がびっしり!とってもいい香りがします

花が咲いてしばらくすると、茎が曲がって花が下を向き始めます。これは下から新しい花芽が伸びているサインなので、先に咲いた花を茎の根元から切ります。下から新しい蕾が伸びてきて、もう一度咲いてくれます。

実は4つの球根を同じ時期に育て始めたのですが、色によって成長にばらつきがありました。赤い花は他のどれよりも早く成長しました。

親子で読みたいおすすめヒヤシンスの本

球根を見るのも初めて、育てるのも初めての幼児と水栽培を始めるときは、これからどんなふうにヒヤシンスが育っていくのか、絵を使って説明しておくと良いと思います。こんなふうに根っこが伸びるんだよ、こんなきれいな花が咲くんだよと説明しておけば、子どもが具体的なイメージを持って成長を楽しみにできます。

福音館書店から出ている「かがくのとも」シリーズの1冊『ひやしんす』は古くからある本ですが、本物に忠実な美しい絵でヒヤシンスの成長の様子が描かれています。図書館などで読むことができると思います。
ひやしんす かがくのとも 1970年10月号 福音館書店 

評論社の『しょくぶつ・すくすくずかん』もきれいな写真でオススメです。
しょくぶつ・すくすく ずかん6 ヒヤシンス 評論社

参考までにぜひご覧ください。

この記事を書いたライター

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堀田はるなさん

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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