/ 2024.01.15

2019年にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業後、女性ファション誌のモデル等で活躍している衛藤美彩さん。現在は1児のママとなり、絶賛子育て奮闘中の衛藤さんの連載コラム「衛藤美彩の子育てDays」。今回のテーマは「比べないこと」について。

比べないこと、自分を認めてあげること

長い夏も終わり、気づけばもう11月。息子も1歳9カ月になり、毎日ものすごいスピードで成長しているなと、特にここ最近は強く感じます。今回は「比べないこと」についてお話ししてみたいと思います。

皆さんは自分と人とを比べて落ち込んだ経験はありますか。きっと多くの人が、これまでの人生で一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

私もあります。それは22歳の時、“自分の性格に無いもの、足りないものを全て持っている”と強く感じた、とてもすてきな女性との出会いがきっかけでした。人生で初めて自分自身を強く否定してしまい、私の良いところって何なんだろうと苦しんだ経験があります。

どうやって抜け出したかというと、その女性とはとても仲良しだったので、私の様子がおかしいことにおそらく気付いてくれて、その女性本人から「私に無いものを美彩ちゃんはたくさん持ってる。具体的には◯◯、◯◯…」と泣きながら本気で伝えてくれたのです。

そして私の母も同様に「美彩のすてきなところ」と、私の長所だけを何十個も書いたメッセージを何日も何日も書いて送ってくれたのでした。大好きな友人と大好きな母、2人が自分を承認し認めてくれたことで、私は少しずつ自分を受け入れて認めてあげることができました。

当時は苦しかったのですが、あの経験をしていて本当に良かったと今は心から感じています。自分には自分だけの良さがあって、もちろん短所もありますが、それは誰だって同じこと。

親の承認は最大

子育ての話しに戻りますと、寝返りが遅いとか早いとか、歯が生えてくるのが遅い早いとか、言葉が出てくるのが遅い早いとか、特に0歳から3歳は発達の面でも他の子と比べてしまい不安になることは多いですよね。

本気で子育てと向き合っているからこその不安だとは思いますが、なるべくなら他の子と自分の子を比べることなく、その子自身を見てあげたい。

それは、私が母からしてもらったことが全てだと感じているからです。親からの承認は最大だということ。親が自分の良さを一番知って理解してくれていて、見失って苦しいときには全力で伝えてくれる。そのためには、まず親である私たち自身が本気でその子の良さを知っていて、自分の子を認めてあげる必要がある。自分にできないことは、子どもにもできないと思うからです。

息子はもうすぐ2歳になって、成長につれてお友達との繋がりや先生との繋がり、学校・社会に入っていきます。もし、息子が自分を見失った時、苦しんだ時、私は“あなたにはこんなに良いところがたくさんある”と言ってあげられる親でありたい。息子が分からなくても、その時は届かなくても伝え続けたい。

そのために子どもの本当に良いところを、親である私が誰よりも知っていないといけない。自分自身の向き合い方と、子どもとの向き合い方とは直結すると私は感じています。

夫婦で取り組んでいる息子の「長所ノート」作り

最近、夫婦で取り組んだことがあります。私と夫でそれぞれ50個ずつ、2人合わせて100個の“息子の素晴らしいところ”を書いた「長所ノート」を作りました。それを息子の部屋にいつでも見られるように置いています。

私の提案だったので、夫も最初は50個が多いなと感じていた様子ですが、やはり紙に書くことで日頃から“息子の良いところは何かな?”と意識するようになったそうです。こうやって夫婦で取り組み、ハッと思い付いたらお互いで書き足していって、この長所ノートが何冊にもなり、いつか息子が私たちの元を旅立つ時、息子にプレゼントしたいのです。

これからもこの「長所ノート」は一生大切にしていきたいと思います。そして自分も子どもの長所も、ずっと忘れずに生きていきたいです。

Profile

衛藤美彩

えとうみさ 1993年1月4日生まれ。大分県出身。2011年に「乃木坂46」の1期生オーディションに合格。2019年に同グループを卒業し、現在はモデルとしても活躍。2022年1月に第1子となる男の子を出産。夫はプロ野球の源田壮亮選手
公式ホームページYoutubeInstagramX