/ 2024.01.15

2019年にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業後、女性ファション誌のモデル等で活躍している衛藤美彩さん。現在は1児のママとなり、絶賛子育て奮闘中の衛藤さんの連載コラム「衛藤美彩の子育てDays」。今回は「子育て観が変わった瞬間」について。

息子が離乳食をまったく食べてくれなくなって…

息子が生後半年の頃のお話しです。「そろそろ離乳食かな?」と、育児書を何冊か買って初めての離乳食に楽しみな気持ちいっぱいでスタートしました。最初は10倍粥、それからニンジン・カボチャ、アレルギーが心配なのでかなり慎重に、でも順調に進んでいきました。

しかし離乳食中期に入った頃、息子の好き嫌いが出てきたのか、思うように進まなくなりました。食事の度に顔を真っ赤にギャン泣き、全く食べてくれなくなって、毎日作ったものを捨てる日々が続き、私自身息子との食事を楽しいと感じられなくなりました。

作るのも憂鬱(ゆううつ)になった私は、母にポロッと本音を話しました。それまでずっと私のやり方を見守ってくれていた母が、ようやく口を開きアドバイスをしてくれました。

もっと肩の力抜いて、もっと適当でいいのよ

「食事で一番大切なことは楽しむこと!本の通りではなく、その子の成長や反応を見ながら、その子が興味のあるものに関心を持っていき、“食事って楽しいんだ!”と離乳食の時間がウキウキするような環境を作ってあげること。」

息子は歯固めが大好き。その様子を見た母から「歯固めみたいにガジガジ自分で持って食べるように、もう掴み食べをさせてみたら?」と言われました。私はいくら何でも早いと思いましたが、「美彩がそうだったのよ」と。私がそうだったのならやってみようかな、と思った私は、さっそく翌日から柔らかく煮たニンジンを用意してみました。もちろん食べるときはそばで見守りながら。

そうすると、目をカッと見開いて声を出してニンジンを持ってチュウチュウ、満面の笑みで楽しそうにする息子がいるではありませんか!目から鱗のようなその瞬間、私は雷に打たれたように、こうでなくてはならない!という自分の思考の枠組みがパリーンと割れたような感覚でした。

それからは、スティック状の野菜を必ず用意して持たせてあげて、その合間に食べさせたい分の、月齢に合った食事をサッと口に入れてあげる。そのやり方で私と息子の息が合ってきて、あっという間に後期の離乳食では自分から掴み食べをして意欲的に食べてくれる息子へと大変身してくれました。

もちろん全ての人やお子さんに合うわけでもなく、このやり方を正しいやり方だとオススメしているわけではありません。でも私はあのスティックのニンジンをあげた日を境に、1つ殻が破れたような気がします。

こうでなくてはならない!を手放して

これは離乳食以外のことにも通ずることがあります。子育てをする上での「こうでなくてはならない」を、時には違う角度から見て、子どもが今何に夢中なのか、その子自身の成長に合ったやり方でいいんだ!と思えるようになりました。

育児書通りじゃなくてもいい。うまくいかない時は、正しさより楽しさを優先してみてもいい!1年半たった今でも、私の心に残る大きな出来事の1つです。これから子育てをする上でも、この考え方をベースに大切にしていきたいと思います。

Profile

衛藤美彩

えとうみさ 1993年1月4日生まれ。大分県出身。2011年に「乃木坂46」の1期生オーディションに合格。2019年に同グループを卒業し、現在はモデルとしても活躍。2022年1月に第1子となる男の子を出産。夫はプロ野球の源田壮亮選手
公式ホームページYoutubeInstagramX