「泣いている理由が分からない」「とにかくすぐ泣く」…。子どもが泣いたときの対処に悩んでいるママは多いよう。そこで、泣く子どもに困っているママたちのお悩みに答えます。

お話を聞いたのは

植松紀子さん( 臨床心理士 )

日本大学講師。「植松メンタルヘルス・ルーム」主宰。清瀬市教育委員。武蔵野赤十字病院、神奈川県内の児童相談所や教育委員会指導課、「こどもの城」小児保健部での勤務を経て、現在はアドバイザーとしてさまざまな保育園や幼稚園を回り指導を行う

index目次

【1-2歳の悩み】イヤイヤ期に入って自己主張泣き。たくさん泣かせていい

悪いことや危ないことをしたときに怒ると泣くのですが、どのように終わらせていいか分かりません。

ダメなことはダメ。放っておいてOK

中途半端になだめると、子ども自身が悪いことや危ないことをしたと理解できない場合もあります。ダメなことはダメと教えることが大事なので、泣いても仕方ありません。なぐさめる必 要はありません。それが子どものためにもなるでしょう。

泣いている理由が分からないときはどうしたらいいですか。泣きやまないときはイライラして放置してしまいます。

イライラするときは離れてもいい

泣いている理由が分からないときや、あまりに泣きやまないとき、ママはイライラしてしまいがちです。そんな場合は、お互いが少し落ち着くまで放っておいても構いません。もし、子どもが理由なく甘えたいだけの場合は、泣きやむまで抱っこしてあげましょう。

思い通りにならないとじだんだを踏んだり、寝転んだり。気持ちをどう切り替えさせればいいか悩みます。

周りに謝りつつ、しばらく泣かせたままに

「泣かないの!」などと怒るのは逆効果。子どもは泣くことで気持ちを発散させるので、思い通りに泣かせた方が、気持ちの切り替えが早くできます。周りの目が気になる場合は、場所を移動したり、周りの人にママが謝るなどして対処できるといいですね。

【3-4歳の悩み】集団生活で感情も複雑に。泣きながら育つ時期

朝「やってー」と泣きぐずったり、登園時によく泣きます。出勤時間が迫っているとじっくり向き合うことができません。

親が手伝ってOK。登園時の涙も気にせずに

急いでいるときは親が手伝って大丈夫。また登園時に泣いていると、子どもにも先生にも申し訳ないと思うママは多いようですが、ママは気にせず笑顔で先生に任せてしまいましょう。子どもはすぐに気持ちを切り替えていますよ。

全く泣かないのが逆に気になります。このままでいいのでしょうか?

親が先回りして要求をかなえていませんか

ママが何でも先回りをして子どもの要求をかなえてしまうと「泣く」まで感情が及ばないことがあります。これはよくありません。感情を爆発させて泣くことは大事なこと。困る状況までママが手出しせずに待ってみることも大切です。

ママや大人から普通に注意されただけで泣いてしまいます。どうしたら泣かないようになれますか。

泣くことで注意をスルーしているのかも

泣くことで大人からの注意を無視してしまう癖がついている場合も。「泣いていたら分からないから言いたいことは口で言ってね」と説得してみましょう。過保護な子に多いパターンなので、ある程度放っておくことも薬になるかも。

【5-6歳の悩み】泣いた後は理由を聞いてみる。気持ちを察して寄り添うことも大事

泣くと同時にママに手が出るようになりました。力も強いし、しつこいし、イライラしてしまいます。やめさせるにはどうしたらよいでしょうか。

ママが不安定になっていませんか

例えば下の子ができた、ママの具合が悪いなど、子どもが不安を感じていることはありませんか。5歳ごろは揺れが大きくなる時期なので、「分かっているよ」「見ているよ」と声掛けし、子どもに安心感を与えることが大切。たたいたときはしっかり注意し、手を握って落ち着かせて、遊びに誘導するなどしてみてください。

布団に入って泣いているときがあり、理由を聞いても教えてくれませんでした。もっと聞いた方がよかったのでしょうか。

気持ちを察してあげれば大丈夫

泣く理由は「眠くないのに寝かされた」「本を読んでほしかったのに…」などさまざま。毎日続くことでないならば、「悲しいんだね」などと声を掛けて、気持ちを受け入れてあげるのがいいですね。

弟がいるのですが、叱られた後「なんで僕にだけ?」と泣きます。お兄ちゃんとして行動するためには、どう教えたらいいでしょうか。

上の子を優先にしてあげましょう

ママには「お兄ちゃんだから」という思いがあるでしょう。しかし、「年齢に関係なく僕も等しく愛して」という意味かもしれません。お兄ちゃんにも弟にしていることをやってあげるなど、上の子を優先し、優しく接してあげましょう

※この記事は、2018年1月発行の「ぎゅって2月号」に掲載した記事を再編集したものです