子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。43回目は「子どもの疑問」について。

子どもは疑問だらけ

「これって何?」「どうして?」「なんで?」など、子どもは本当によく質問します。疑問を持つことは勉強の第一歩。すごくいいことです。(時にはちょっとうんざりすることもありますが…。)

あるお母さんから、「子どもが学校に行くときに見かける鳥の名前を聞いてくるのですが、調べても分かりません。どうしましょう?」という質問がありました。

鳥の写真を撮ってインターネットで調べたそうですが、それでも分からないのです。

お母さんたちは、子どもから質問があったら答えなければいけない、と思っているようです。でも、何もかもお母さんが答える必要はありません。

答えるよりも、子どもと一緒に調べたり探したりするほうが重要です。

お母さんだけが必死に答えを探すのではなく、子どもと一緒に図書館に行って百科事典を調べるとか、鳥の本を借りてみるのもいいですね。

本を見れば、探している鳥以外の鳥の名前を知ることもできます。生態なども分かるかもしれません。「あの鳥の名前は何?」というシンプルな疑問から、新たな知識がたくさん身につきます。

最近は、何でもパソコンやスマートフォンで簡単に調べることができます。目的のものがすぐに見つかるかもしれません。

でも、まずは本で調べてほしいと思います。調べる方法が色々とあることを教えてほしいのです。

答えるよりもっと大切なこと

答えを教えるのが大事なのではなく、疑問を持ったときに、それをどうやって解決するのか、正しい答えを導き出すのか、その方法を教えることが大切だと思います。

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ

という言葉もあります。

疑問を持ったときに答えを探す方法を教えておけば、子どもが自ら探すようになるでしょう。また、新たな方法も見つけることでしょう。

お母さんたちには、子どもから質問が来たときはチャンスだと思って、一緒に答えを探してほしいと思います。答えが見つからなくてもいいのです。調べる、探すこと自体が大切なのです。

これからは、コンピューターやロボットがますます活躍する時代になるでしょう。だからこそ、人間にしか出来ないことが求められます。

明確な答えが出ない問題を考える、調べる方法を探し出す、柔らかい発想を身につける…。

これからの時代を生きる子どもたちには、そのような力が必要になってくるのではないでしょうか。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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