ことばの発達プロセスを振り返り、言語力を伸ばすうえで気をつけたいポイントを「年少児」を対象にお伝えします。つい子どもへの問いかけに親が答えてしまいがちですが、子どもの表現力やコミュニケーション能力を育てるためにも、少し待ってみましょう。

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子どもの話を先回りしていませんか?

「こんにちは、今日は元気?」「夏休みはどこかに出かけたかな?」

こんなふうに子どもに話しかけると、子どもに代わって話し始めてしまう保護者がいます。

「今日は少し風邪気味なんですが、熱はなくて元気です。」「夏休みは私の実家に遊びに行って、おじいちゃんにたくさん遊んでもらったんです。」など。

子どもは黙ってお母さんの様子をじっと見ていますが、自分が話すタイミングはなかなかやってきません。別な質問をしてみても、これまたお母さんがどんどん話をしてしまいます。

子どものペースに合わせて大人が「待つ」ということを意識しない限り、こういうことはいつでも起こります。

補うのは良しとしても、大人が子どもに変わって答えてしまうのはどうでしょうか。子どもの表現力やコミュニケーション能力を育てるためにも、少し待ってみませんか。

モンテッソーリ・メソッドの基本スタンス

モンテッソーリ・メソッドの根底には、常に子どもが「自主的に」活動するための手助けをするというスタンスがあります。ですから、教師たちは常に

どうやったら子どもが自分でできるようになるか

ということを念頭に置いた対応を心がけていています。家庭でもちょっとした工夫で子どもの自主性につながる対応ができると思います。

年齢別ことばの発達プロセス

赤ちゃんは生まれてすぐに人が話す言葉に興味を持ちます。声のする方に顔を向けて、話している口元をじっと見ます。無意識のうちにずっと言葉を聞いていて、そのうちに自分でも音を発生させるようになります。

年齢別の発達の特徴を下の表にまとめてみました。

年齢 ことばの発達 語彙数 言葉の吸収
出生~ 言葉を聞いている / 無意識的
1歳ごろ 1語文「ワンワン」「ブーブー」 / 無意識的
1歳後半 2語文「ブーブー・来た」 / 無意識的
2歳 3~4語の多語文 200~300 意識的
3歳 語彙が爆発的に増加 1000 意識的
4~5歳 会話でやりとりができる 14000 意識的

2歳児の語彙はおよそ200~300語と言われていますが、3歳になると1000語程度まで増えて日常の言葉のやりとりに困らないようになってきます。

質問期と言われる4歳ごろに急増し、就学時には1万4000語ぐらいになると言われます。

子どもは普段過ごしている環境から言葉を吸収しますから、お父さん・お母さんがたくさん話しかけたり、絵本を読むなどして言葉を聞かせてあげることが特に重要です。子どもにとって聞きなれた、安心感のある声は自然と蓄積されていくからです。

ポイント1:言葉の吸収を助ける「実体験」

言葉に興味を持ってどんどん語彙を増やして行く2~3歳児には、物の名称を知るだけでなく、実物に触れて手触りを確かめたり、色や形をじっくり観察したり、匂いを嗅いだりする体験が大切です。

私たちは実際に体験したことを通して、初めてものの概念というものを捉えることができるからです。ご家庭でも、たくさん実物に触れる機会を作ってあげてください。

ポイント2:自分の要求を言葉に出す

3歳以降になれば「聞く」興味に加えて、覚えた言葉を「使ってみる」ことに夢中になります。その時期には子どもにたくさん話しをさせるようにしてください。

子どもがリラックスした、安心感の中で「言葉を楽しむ」という経験を重ねていくことよって、子どもの言語能力はどんどん伸びて行きます。家庭でも親子でしっかり会話をするようにしましょう。

例えば子どものお腹が空いていたり、欲しいものがあったりする場合など、子どもが言葉で伝えてくる前に大人が要求をくみ取って応えてあげすぎるとかえって子どもの言葉を奪ってしまう場合があります。

  • お腹が空いている
  • 眠たい
  • トイレに行きたい
  • これをしたい、あれを食べたい…など

口に出さなくても大人がわかってくれて、要求に応えてくれる状況では子どもが話す必要がなくなってしまいます。自分なりの言葉で気持ちを表現する機会をたくさん作ってあげましょう。

そしてなるべく子どものペースに合わせて言葉を待つようにしましょう。

うまく言えないときには

子どもがうまく言えないときは、そっと誘導してあげます。

  • どうしたのかな?
  • 何が欲しいのかな?
  • ちゃんと聞いているよ

子どもが自分で言葉にしたときには「言えたね、よくわかったよ!」と会話をキャッチボールにしてみましょう。

「年中・年長児」向けも次回ご紹介します

この記事を書いたライター

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堀田はるなさん
専門家

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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