早くに夫を失い、高齢の両親と同居している会社員のシングルマザー。一括贈与教育資金の使い方や、老後資金の考え方などをアドバイスします。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
ママ
196,000円
児童手当
10,000円
遺族年金
120,000円
月間支出
生活費(両親へ支払い)
75,000円
保育料・教育費
30,000円
保険料(年金・貯蓄型保険)
51,000円
通信費
10,000円
車費
50,000円
ママのお小遣い
30,000円
投資(つみたてNISA、確定拠出型年金)
65,000円
月間貯蓄
貯蓄
15,000円
ボーナス時収入(年間)
ママ
600,000円
ボーナス時支出(年間)
旅行・帰省など
200,000円
保険料(終身保険)
320,000円
ボーナス時貯蓄(年間)
貯金
80,000円
現在の総貯蓄
普通預金
7,000,000円
教育資金の一括贈与
5,000,000円
学資保険
17,400,000円
利率変動型一時払終身保険(豪ドル建て)
3,000,000円
つみたてNISA
440,000円
確定拠出年金
300,000円

advice 1教育資金の一括贈与は中学受験の塾代などに

18歳以降の教育資金は、すでに学資保険で総額1740万円の用意があるので、大学進学や留学も可能です。また、中学受験をして私立に進学し、そのまま私立高校に上がっても、現在の収入なら高校の学費は無償になるはず。一括贈与された教育資金は、中学受験でかさむ塾代などに充てましょう。子どもが30歳になると残額に課税されるので優先的に使い切って。

advice 2老後に必要なお金と年金を比べて目標を明確に

老後資金は目標を明確にすることが大切。まず、老後の生活費やリフォーム費用などの見込みを計算してみましょう。このママが65歳まで現状の年収で働くと、概算で老齢厚生年金40万+老齢基礎年金78万(満額)+遺族厚生年金4万=約122万円/年。足りない分はiDeCoやつみたてNISAで作り、保険料の払い込みが終わったらその分も回しましょう。

advice 3医療・介護保険は不要。賠償責任保険などは必要

40歳以上の会社員ママの医療保険や介護保険の必要性は低め。大きな病気をしても健康保険の高額療養費や傷病手当金制度が使えますし、万が一のときも遺族年金や障害年金があります。保険料控除目的の加入はおすすめしません。重要なのは賠償責任保険と火災保険の加入。そして自動車保険の対人・対物無制限の補償です。念のため加入状況を確認しましょう。

result家計に問題なし!今は家族との時間を楽しんで

大変な状況での育児でしたね。不安な気持ちがよく分かります。ただ、両親のサポートや住居、仕事があるのは「生きていく土台がある」ということ。子どもは成長すると、親と遊んでくれなくなるものです。将来の不安にスポットを当てるよりも、旅行など今しか楽しめない家族の時間を大事にしてくださいね。

診断してくれたのは

前野彩さん( ファイナンシャル・プランナー )

FPオフィスwill代表。ファイナンシャルプランナー。働く女性や子育て家庭を中心とした相談、講演などを行う。著書に「本気で家計を変えたいあなたへ〈第4版〉」(日本経済新聞出版社)他多数。

※この記事は、2022年7月発行の「ぎゅって首都圏版8月号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration NIKAIDO Chiharu